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1-3: 許さない…絶対に、絶対に、許さない…!

「いやアァァアアアアアアアアアッッ!!」

エステルの絶叫が、夜の森に響き渡った。彼女は父に駆け寄り、その体を抱きしめる。まだ温かいが肝臓を刺され出血性ショックを起こしていた。そして、その瞳から光は急速に失われていく。

「愛しいエステル・・・逃げ…なさい…」

父の最期の言葉。


その傍らで、顔に蛇の刺青を入れた呪詛師ザイラが、二人を見下ろし不気味に微笑み何故かその場を離れた。

「女と子供は殺すな。金になる。残りは好きにしろ」

フォークは冷酷に命じると、部下たちの略奪と蛮行に背を向けた。


炎が燃え盛り、悲鳴と嘲笑が渦巻く地獄絵図の中、エステルは慟哭した。

「愛する者よ、自分で復讐をしてはいけません。神の怒りに任せなさい。『復讐はわたしのすることである。わたし自身が報復する』と主は言われる。」


父の亡骸を抱き、流れ落ちる涙でその顔を濡らしながら、彼女の魂は慟哭した。

(いや・・許さない…許さない…絶対に、絶対に、許さない…!)

憎しみ。生まれて初めて知る、身を焦がすほどの激情。清らかな祈りの言葉は、呪詛にも似た誓いへと変わっていく。


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