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街の名士

作者: 尚文産商堂

有名人、と言われて何人かはすぐに頭をよぎる。

だが、直接の友人としてだったら、どうだろうか。


俺にはそんな人物が一人いる。

有名人として世界的にも名前が知られていて、それでいて俺の友人の一人だ。

今では街の名士としてよく知られている。


知り合ったのは小学校の頃。

地元の聖歌隊の一員としていた。

俺も母親の影響で聖歌隊に所属することになっていて、その初顔合わせの時からの知り合いだ。

本当ならもう少し人数が集まるだろうと思っていたところ、俺とそいつの2人しかその年の新人はいなかった。

必然、俺らは仲良くなる。


いつかのころ、たしか中学を卒業するかどうかと言った頃に、たまたま観劇に来ていた人の目に留まり、そいつは音楽レーベルに所属することになった。

手野音楽とか当時は言っていたが、今は手野芸能社という会社にいるらしい。

どちらにせよ、あいつはメジャーデビューすることになり、俺はそのまま高校卒業まで聖歌隊に居続けた。

ちなみに形式的にはそいつも俺と同じタイミングまでいたことにはなっていたようだが、高校の3年間はほとんど来ることはなかった。


その後そいつはどんどんと有名になっていき、ついには手野芸能社看板歌手の一人とまで言われるようになった。

そのころ、なぜか俺のところによく来るようになっていた彼女は、何かと理由をつけて一緒にいるようになった。

結局そのまま結婚まで至ったわけではあるが、一応一般人だということになっている俺のことはマスコミには伏せられていた。

無論、結婚したという事実だけは公にはされていたが。


そういうことで、今なお家族として、友人として、街の名士として彼女は俺の傍にいてくれる。

きっとこれから死ぬまでずっと。

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