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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第3章・ライクニフ国
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他種族の見分けは難しい

これで本日の更新ラストです。

明日からはまたいつも通りに10時更新へと戻ります。


いつもお読み頂き、本当にありがとうございます。

ミシャミさんが魔王様の使者として俺達の元を訪れてから数日、俺達はこのローグンを出発する日を迎えていた。


ザザさんやキキさん、ゲンコウさん等、お世話になった人々に挨拶も済まし準備も万端である。

思い返せばこの街に着いてから短いながらも色々な事があったな.....


俺の脳裏にはこの街で出会った沢山の人々の姿が思い浮かぶ。


.....って誰だっ!?


俺の脳裏に全く知らないおっさんが浮かぶ。

ムキムキで肌黒くテカテカしているそのおっさんは、何故かいい笑顔でサムズアップしていた。


(.....どこかで会ったのかな?全く記憶に無いんだが.....まぁいいか.....)


俺は気持ちを切り替えると、車をマジックボックスから取り出した。

やっと.....やっとこの世界に来てこの車が活躍する時が来たのだ。

思えばただのテント扱いを受けていたこの車も、きっと本来の役目を果たせる事で感動に打ち震えているのではなかろうか?


俺は意気揚々と車へ乗り込もうとすると、ミシャミが何やら1枚の紙を手に、ぞれをジッっと眺めている姿が目に入ってきた。


「何を見てるんだ?もう出発するぞ?」

「あぁ、カズキ様。大した物ではございませんよ。私の家族の姿絵を眺めていただけです」

「家族?」

「えぇ.....あっ、別に死に別れたとかではありませんよ?私はこうして仕事で離れる事が多いので、少しでも近くに感じたいと思い絵師の方に描いていただいたんですよ」

「へぇ~、ミシャミは家族思いなんだな」

「.....息子はまだ小さいのに、それを夫に押し付けてる事に時折悩む事もあります.....ですが、私は息子と同じぐらいこの国の為に働ける今の仕事を大事に思っているのです」

「.....そっか.....俺にもその姿絵、見せてもらえないか?」

「えぇ、勿論いいですよ」

「どれどれ.....」


ミシャミはそう言って姿絵を綺麗に折りたたみながら俺に差し出してくる。

俺はミシャミから姿絵を受け取り、汚さないように優しく開くとまじまじと眺めた。


「どうです?夫はイケメンでしょう?息子も夫に似て将来はきっといい男になる事間違いないでしょう!」


少し興奮気味に家族自慢を始めるミシャミに、俺は何も言えないでいた。


.....同じ顔じゃねぇかよっ!!


ミシャミはドッペル族でその顔はノッペリとしている。

分かりやすく言えば、埴輪みたいな顔だ。

渡された姿絵には、埴輪が3人並んでいるようにしか見えない。


(この背の高いのが旦那さんか?いやっ、もしかしてミシャミより背が低いって事もあり得るか?お子さんは小さいからまだ分かるが.....区別がつかねぇよっ!!他種族の醜美なんて俺には分からんぞっ!?どうする?どう言うのが正解だ.....)



俺は必至で頭をフル回転させる。


①『いやぁ~、すごくイケメンですね!』

ミシャミに合わせて話を合わせる。

一見よさそうに見えるが、どこが?等と問われればとても困った事になるのは目に見えている。

よってこの案は駄目だな.....


②『同じ顔じゃねぇかっ!!どこが違うんだよっ!!』

思いっきりツッコんでみる。

.....失礼過ぎて論外だな、ウン。


③『すまん.....俺には種族が違い過ぎて区別がつかん.....』

素直に見分けがつかないと謝る。

.....コレだな。

見栄を張るもんでもないし、素直に謝っておこう。


「すまん.....俺には種族が違い過ぎて区別がつかん.....決してミシャミの家族を乏している訳じゃないんだ。本当にすまん.....」


俺は素直に謝りミシャミに頭を下げた。


「あぁ、別に気にしないでください。よくある事ですし。私も他種族.....リザードマン族を見分けろとか言われても不可能ですしね」

「.....へっ?そうなの?」

「えぇ、ライクニフは様々な種族が暮らしておりますからね。やはり同じ種族でなくては見分けは難しいといった種族も珍しくありません」

「そ、そうなんだ.....」


割と真剣にどうするか迷ってたんだが.....考えすぎだったか?


「いや、妾もいまだに区別は出来んぞ?」

「シャルミナっ!?」


そう言って突然シャルミナが割り込んでくる。


「いつまで経っても車に乗って来ぬから、何をしておるかと思えば.....」

「あっ、スマン」

「申し訳ございません」


俺とミシャミさんはシャルミナに頭を下げる。


「別に構わぬ。ミシャミ達ドッペル族は素の状態じゃと区別はつかぬが、変身すると割と個性がでるんじゃぞ?」


シャルミナそう言ってニンマリと笑う。


「個性って?」

「ドッペル族の変身能力はの、その人の見え方で容姿が変わるんじゃよ」

「どういう事だ?」

「例えば.....そうじゃな。カズキ様に変身するドッペル族が3人居るとしよう。3人はカズキ様に変身する訳じゃが、それぞれ思ってるカズキ様のイメージで容姿に個性が出るんじゃ」

「その通りです。なので我々ドッペル族は、変身相手の身長・体重は勿論、細かな容姿や性格等もよく学んでから変身するように教育を受けます」

「このミシャミはドッペル族で1番の変身能力を持っておる、魔王の側近じゃの」

「カズキ様には簡単に見破られましたけどね.....」

「.....アレは仕方なかろう?リロロを好き過ぎるカズキ様じゃからな.....」

「愛の力という訳ですね?」

「うむ!その通りじゃなっ!」


ねぇ、何か恥ずかしいから止めて?


「もしかして、私が他の方に変身してもすぐに見破られてしまうのでしょうか?」

「当然じゃろう?カズキ様と妾達は深い愛の絆で結ばれておるからなっ!当然偽物なぞ人目で分かるわっ!」


その自信はあるけど、改めて大声で他人に話されるのは恥ずかしいんですけどっ!?


「のぉ?カズキ様?」


お願いっ!こっちに振らないでっ!


「そりゃ勿論だが.....何か凄く恥ずかしくなってきたからそろそろこの話止めない?」


今になって昨日リロロについて熱く語った事が恥ずかしくなってきた。

いや、別にリロロが好きな事が恥ずかしいって訳じゃなくて、何であんな場所で大声出しておっぱいおっぱい言ってんだ?って所がね.....


「何やってるんすか.....呼びに行ったシャル姐が中々帰ってこないから来てみれば、シャル姐も一緒に話してるじゃないっすか」

「うっ.....スマヌ。つい.....」


どうやら俺達を呼びに行ったはずのシャルミナが全然戻って来ないからネルが来たらしい。


「まぁ別にいいっすけどね。もう準備も出来てるんで、あと3人が乗るのを待つだけっすよ?」

「あっ、待たせてすまん」

「申し訳ございません」

「すまぬ.....」


俺達は揃ってネルに頭を下げた。


「早く乗って出発するっすよ?ただでさえ今回は車での移動なんで王都に着くまで遅いんすから」


ネルは今回車での移動に少し不満なのか、思うところがあるらしい。

.....まぁ、走った方が圧倒的に早いのは分かるんだけどさ.....


「いや、旅ってのはだな、大体―――」

「さぁ出発するっすよ~!」


ねぇっ、お願いっ!俺の話を聞いてっ!?


こうして俺の熱い旅への想いを披露する機会も無く、3人はそそくさと車へと乗りこんで行ってしまう。


俺はそんな姿を少し悲しくなりながらも見送ると、トボトボと3人の後を追って車に乗り込んで行くのであった。


.....べ、別に悲しくなんかないやいっ!

ムキムキのおっさんはカズキ達が買い物をしていた店のオーナーです。

カズキは気づいてませんけどね.....

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