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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第1章・ミーアゼルクの浮遊大陸
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基礎訓練の日常

いやぁ、頭の中では浮かんでるストーリーを文字で表すって大変なんだなぁと改めて実感させれております。

長く連載してる方など、改め尊敬し直しますね~。

私も諦めずにコツコツ頑張っていこうと思います。

農業見学から戻って数日、いつも通りに訓練に励んでいる。

午前中の基礎訓練は午前9時から始まり、10時までの1時間は入念に柔軟を行う。

戦闘に柔軟性は物凄く大事だと皆から教わり、元々身体がそこまで柔らかくない俺には少し辛い時間だ。

俺は必至に股を開き、上半身を地面につけようと前に倒しながら、目の前の人物に言葉を返す。


「へぇ~、町の名前決めたんだ?なんでまた急に?」

「.....カズキ様が名前がないのを不思議がってた....それを伝えたらジン様が付けたらしい....」


親父かぁ....どうせきっと『名前?んじゃ付けるか!』みたいないつもの思い付きみたいに軽く決めたんだろうなぁ....

ちなみに町の名前は農業の町をサラディ、肉の町をベークン、娯楽の町をファンタスに決まったらしい。

食べ物系を少し文字ってる辺り、親父のセンスが物凄く感じられる。


「急に名前着けて町の人達とか戸惑ったりしてないの?」

「.....その辺りは各町の代表や統括ががんばったから特に問題は出てないって聞いた....」


おぅ....なんか余計な仕事を増やしたみたいで物凄く申し訳ない。


「フローラは大丈夫か?戸惑ったりとか、ややこしいって感じはしないの?」

「....?....特に問題はない.....」


コテンと可愛らしく首を傾けながら大丈夫と伝えてくるフローラに視線を向ける。

フローラは俺の専属メイドさん達の1人であり、緑色の長い髪を動きやすいように後ろで1本にまとめ、青い瞳の眠たそうなタレ目をした美少女である。

長い耳をピコピコと揺らし、ニッコリとこちらに笑いかける彼女はエルフ族だ。

彼女は300歳以上と俺よりもかなり年上なのだが....どうみても中学生ぐらいにしか見えない....

そんな彼女は何故か、チアガールみたいなの恰好をしている。

彼女達専属メイドは、当番の人は俺の基礎から一緒に付き合ってくれる。

他の面々は動きやすい、運動に適した格好が多いのだが、フローラだけは何故か毎回チアガールコスをしている。

彼女曰く『....応援といえばチアガール....』らしい....

何か彼女の中では確固たる確信があるんだろう....

こうやって柔軟に付き合ってくれるのは嬉しいのだが、なんと言うか、目のやり場に困るんだよな....

股180度近く開き、上半身をペターンとくっ付けている彼女が、少し動く度に少し開いた首元や、スカートから下着がチラチラと見えるのである。

おまけに彼女の胸は大変慎ましい。そのせいかどうか、たまに下着の隙間からプクっとした綺麗なピンク色が視覚に入ってくるのだ。

見てはダメだと思うのだが、チラチラと視線がいってしまうのは悲しい男の性だろう....



柔軟が終わり、後はお昼までランニングと魔力トレーニングだ。

たまにランニング前に筋トレを行うのだが、それは不足だと指摘された部分を少し行うだけである。

筋力は模擬戦で必要な部位に必要な分だけ付けるのだという。

余分な筋肉は返って身体の動きを悪くするだけでバランスが大事なんだそうだ。

そんな訳でランニングを開始するのだが、これがもの凄くキツイ....

ランニングとは名ばかりで、内容はただの全力疾走だ。

『格上相手に全力戦闘を長時間継続できない事は、即、死を意味しますからな。わはははは!』

マッシュから言われた言葉である....

逃げるにしろ、救援を待つにしろ、1秒でも長く抗えるようにするのが目的みたいだ。

そう言われて妙に納得した。

確かに逃げる隙を伺うにも、長く耐えてた方が可能性も高くなる。

救援が待つのもそうだ。救援が来るまで生き延びてこそ意味がある。

そんな訳で、俺はひたすら全力で走り、体力を使い果たしては少し休み、また全力で走るを繰り返す。

ちなみにフローラ達も並走してくれるのだが、皆余裕で涼しい顔して走りながら横で応援してくる。

フローラなんか両手にポンポンまで持って『....頑張れ....頑張れ』と涼しい顔して応援している。

.....息が上がる所か汗すらかいてないんですけど?

皆との差に少し泣きそうになる...

.....いいんだ...最初は1分も持たなかったけど、今では10分ぐらいは持つようになった。成長してない訳じゃない!

必至に自分を励ましながら走り続ける。



ランニングという全力疾走を終えたら次は魔法トレーニングだ。

俺の中ではこの時間が1番嬉しい。今まで知らなかった未知の力を使えるのだ。純粋に楽しいのである。

今日はフローラの得意属性である風系統の魔法を訓練するみたいだ。

リロロは身体強化、ミラーカなら火と闇といったようにそれぞれ得意な属性を教えてもらっている。

ゼェハァと荒い呼吸のまま、的に向かい手を向け、魔力に意識を向ける。

魔力を手元に集め、風を薄く鋭い刃に変えるようないイメージで手から放出させる。

その瞬間、強い風が吹き、的の丸太が真っ二つになり、上部分が地面に落ちた。


「....平常時より出が遅く魔力も少し乱れてる....魔法はイメージと魔力のコントロールが大事....疲れててもいつも通りに使えないと意味がない....威力は前より安定してきてる....あと少し....」


フローラはそう言って、ダメ出しをした後でフォローしてくれる。

いやぁ、難しいんだよなぁ....どうしても集中力が落ちてるせいか、少し頭が鈍いんだよな...


今のはウィンドカッターと呼ばれる風属性の攻撃魔法である。

魔法や武器等による技の名称はあるのだが、俺に教えてくれてる人の中にで魔法名や技名を発動前に叫ぶ人はほぼいない。

理由は簡単だ。わざわざ敵の前で技名を叫んで何をするか教えるのはただの馬鹿である。

いや....一部『叫んだ方がなんとなくカッコいいから!』って人もいるんだけどさ....

俺は母さんの影響で魔力量が訓練の必要ない程膨大にあるらしいので、威力や形成の安定化、速度などを重点的に教わっている。

魔力コントロールが上がれば、威力や大きさを自由に変化させたり、魔法の形を多少アレンジできたりとするらしいのだが、俺はまだまだそのレベルにはいない。なので地道にコツコツと頑張っている。

こうして俺はフローラの指導の元、時間までひたすら魔法を使い続けるのであった。




「あぁぁぁぁ.....つかれたぁぁぁぁ.....」


基礎が終わり、その場に倒れるようにへたり込む。

フローラの手渡してくれたタオルで汗を拭きながら、乱れた呼吸を整える。


「....お疲れ....前よりも上達してた....このまま続けたらきっとすぐ上手くなる....」


そう微笑みながらフローラは自分の太ももをポンポンっ!と軽く叩く。

この時間はご飯の前に30分ぐらい横になって休むのだが、彼女達は毎回膝枕をしたがり、今や日課になってしまっている。

女の子らしい柔らかなふとももに頭を乗せると、彼女は優しく俺の髪を撫ではじめた。

フローラの方に目を向けると、視線があった彼女は優しくニッコリと笑う。

しばらくの間、目を瞑り頭を撫でられていると、俺は気になる事を彼女に尋ねた。


「なぁ....フローラ達はなんで俺にここまでしてくれるんだ?その...好意を持ってくれてるのは凄く嬉しい。でもここまでしてくれる理由が分からないんだ。やっぱり親父と母さんの子だからか?」


そう聞くと、フローラは髪を撫でていた手を止め、少し頬をプクっと膨らませながら俺の頬を軽く抓ってきた。


「....違う...わたしもみんなもカズキ様が好きでやってる....初めて会った時に直感を感じた....わたしはあなたの魔力が好き、笑ってる顔がすき、真剣な顔も好き、優しい性格も好き、傲慢にならずわたし達を大切にしてくれる所が好き....初めは直感だったけど今でもドンドン好きが増えいく...それ以外の理由は特にない....」


そう言いながらフローラはジッとこちらを見つめながら俺の頬にそっと手を添え微笑む。

真正面からそう言われてしまうと、嬉しいけど物凄く恥ずかしい....

俺は気恥ずかしさを誤魔化すように


「あぁ...でも、アレだ、ほら、その、皆からの好意をその、不躾に断ったりしてるだろ?その...夜とか....嫌になったりするんじゃないのか?」


我ながら何を口走ってるんだろうとは思う。

そんな俺の言葉を聞いたフローラは


「....?...別に嫌じゃない....カズキ様は何かに少し困惑している?....わたし達を嫌ってないのは態度でわかる....だからそのぐらいで嫌いにはならない....それに何かに怖がってるようにも感じる....それはわたし以外も気付いてる....だからあんまり強引に行き過ぎないようにしてる....」


....驚いた....皆そこまで俺の事を分かってくれてるのか....

驚きもあるが、嬉しさが湧いてくる。

俺はフローラの真っすぐな思いに本音でぶつかる事を決意する。


「....怖がってるのはそうだな....フローラの言う通りだと思う。前に住んでた場所で色々あってな....フローラ達は違うって頭では理解してるつもりでも、どっか心の奥で怖がってるんだろうな...情けないけど、自分が傷つくのが怖い臆病者って事だな....困惑の方はなんて言ったらいいかな...その、そーいう行為とかはさ、好きな者同士でする事ってルールが俺の中で決まっててさ、フローラ達の事を考えると、好きなんだとは思うけどまだよく分からないってのが本音なんだよ。だから自分の中で、こう、好きだ!って確信がもてるまではしたくないって感じなのかなぁ....なんか自分で喋ってて何言ってんのかわからなくなってきたな。まぁ、そんな訳で....なんかごめんな....」

「....ん....全然問題ない....わたし達は最後まで絶対にカズキ様を裏切らないって事はこれからも態度で表せばいい....そしたら何れカズキ様の心の不安も消えると思う....それに困惑するのは当然....わたし達はまだそこまで長い時間いる訳じゃない....だからゆっくりと自分の気持ちと向き合ってほしい....でも....できればその答えの先がわたし達を受け入れてくれる事だと....嬉しい....」

「....ありがとう....よく考えてみるよ」

「....うん....待ってる....それにしても....カズキ様は以外に乙女チック....可愛い....」


そう言い、クスリと笑う彼女に少し恥ずかしくなって顔が熱くなってくる。

気恥ずかしさを誤魔化すように、露骨に話題を変える。


「そういえば、今日の模擬戦の指導って誰が来るの?

「....今日は統括....朝からご機嫌だった....」


ゲッ....マジかぁ....アリアなのか。

アリアが嫌いという訳ではないのだが、彼女は俺が何をしても絶賛してくれる。

なのであんまりアドバイスとしては役に立っていない。

若干母さんと同じ匂いがするんだよな.....

それに攻撃が当たると、なんか身体をもじもじさせて喜んでるんだよなぁ.....

正直ちょっと引く......



――他の者には正確で細かい指摘もでき、指導者としては優秀な彼女なのだが、カズキに対しては『生きてるなんて偉いっ!』レベルで絶賛しまくるので、彼に対してだけは指導者として不向きなのである。ちなみに身体をくねくねさせているのもカズキの成長を身で受け、喜んでいるだけである。



午後からの訓練を若干サボりたくなってきたが、そういう訳にもいかないので覚悟を決める。

教えてもらうならマッシュが1番分かりやすいんだけどなぁ....

そんな事を言えば、マッシュが嫉妬で八つ当たりを受けるのが確実だから言わないけど....

内心でそんな事を考えていると


「.....そろそろお弁当の時間....食べないと午後から持たない....」


フローラがそう言って、お弁当の準備をしてくれる。

確かに食べておかないとな。

そう思い、フローラの用意してくれた弁当に意識を向けて、午後の訓練に備えてパクパクと食べ始めるのであった。

~キャラ設定メモ⑦~

本名:ミラーカ・ヴォルディオ

種族:ヴァンパイア族

性別:女

身長・体重:172cm・52kg

年齢:162歳

好きな食べ物:ニンニク系料理・果物を使ったデザート

嫌いな食べ物:レバー系や生物

戦闘スタイル:後衛魔法職で火と闇が得意。自身を霧化したり影に潜ったりと諜報部分もこなせる。

容姿:綺麗な金髪のサイドテール、真紅の瞳を持ち、犬歯は牙のように少し尖っている。白くて綺麗な肌に手足は長く腰は細いが出る所もしっかり出ておりスタイル抜群のプロポーションをしている。

性格・その他:ヒロインの1人で僕っ娘。明るく物怖じしない性格でリロロとは馬が合うのか特に仲が良い。

実はヴァンパイア族の中で由緒正しい家柄ヴォルディオ家のお姫様。一族で暮らす街を人間に攻められ、生き残った一族と共に陣に保護された。162歳だが、ヴァンパイア族の中ではまだまだ若い。

種族特有の血液を硬化させて武器にする技も使えるのだが、痛い為本人は使いたがらない。

ヴァンパイア族にとって吸血行為にはさまざまな意味があり、同族への吸血は親愛。男性から女性への吸血はあなたを一生守りますという誓い。女性から男性への吸血はあなたの子を産みたい。という意味がある。

また、本能で自分との相性を血で判別でき、彼女の中で和希の血は類を見ない程の大当たり。

陣が意図せずに広めた人気競技『バトルカルタ』を趣味にしており、休日などたまに参戦している。

その実力は高く、上位ランカーとして名を馳せている。

ちなみに血液フェチ(和希限定)である。

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