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猿魔の森


やぁこんにちは語り手だ

マロンの村に入ったアラヤとユエは村長よりモンスターから毒を受けた村人のことを知り助ける。

だが助けたのもつかの間、今度は村人の娘が母親を救うためリネイシアの花を取りに猿魔の森に入ったことを知り助けに向かう。

さぁクエスト【猿魔の森に入りエイプルギスを倒せ】始動だ。

さて、アラヤとユエは無事にクエストをクリアできるのか?

こうご期待だ。



マロン村を出て猿魔の森に足を踏み入れた俺とユエは森を真っ直ぐに進んでいた。


ルーベルの森は木や草が生い茂った人の手が入ってない自然の森って感じであるが猿魔の森は逆に人の文明が感じさせる倒壊した壁や建物の瓦礫が木の枝や根、蔦や苔に覆われているまるで文明が滅び何百年もたっているという感じだ。


詳しくは知らないがもしかしたらこの森には何かそういった時代背景の設定があるのかもしれない。

(神話や伝説で出てくるモンスターがいるため何かそれに由来した街だったのかもしれないな)


俺とユエは蔦を掻き分けたり瓦礫に登ったり潜りながら猿魔の森の中を進んでいた。


瓦礫を登るなんて普段なれてない動きの為俺はぎこちない動きだが俺の先を行くユエは慣れているのか苦もなくヒョイヒョイとウサギのように瓦礫の上を軽やかに跳ね回り軽快に進んでいる。

その様子はまるでベテランの探検家みたいだ。

(現実での経験があるのだろうか…)

ユエは時折後方にいる俺に振り返り元気よく手を振ったりぎこちない動きで瓦礫を登る俺を心配そうな顔で

「大丈夫?」と声をかける。


気を遣ってくれるのは嬉しいがゲームの中とはいえ正直男としては情けなく思う。


暫く歩くと人工物の瓦礫も多くなっていき地面が砂利や小石が散りばめられたぼこぼこした土から人が整備したと思われる補整されたブロックで作られた道へと変わっていった。


ブロックで出来た道を奥へと進んで行くと円形に広がった開けた場所に出た。


俺とユエの前には蔓や苔に覆われたピラミッドのように五段上になってる神殿に神殿を囲むように等間隔に設置されてる銀の燭台があり神殿の格段には大小のエイプの姿が見える。


神殿の一番下の壇上にはポーンエイプが八体。


下から二段目の壇上に塔の形をしたヘルムを被り手にアックスを握るルークエイプが二体。


下から三段目の壇上に馬の形をしたヘルムを被り手に片手剣を握るルークエイプが二体。


下から四段目の壇上に司教冠の形をしたヘルムを被り手に弓を握り背中に矢筒を背負うビショップエイプが二体。


神殿のいちばん上の壇上には石でできた玉座が二つあり十字架と王冠の形をしたヘルムを被り側の床に両手剣を刺しているキングエイプと王冠の形をしたヘルムを被り側の床に槍を刺しているクイーンエイプが玉座に座りその前に意識なく眠るミミが横たわっていた。


俺とユエが状況を瞬時に把握し足を進めると中央にある神殿から青い線が広がりここいら一帯を囲んだ。

広がっていた青い線が神殿を囲んでいた燭台に触れると赤い火が瞬時に着きフィールドが固定された。


「アラヤ君」

緊張した面持ちでユエは背中に背負った弓を左手に持った。

「ああ始まるぞ」

俺は鞘から剣を抜き脱力した体制で正面を見据えた。


【猿魔の森に入りエイプルギスを倒せ】のクエストではまず最初にポーンエイプと戦い倒すと次にルークエイプがその次にナイトエイプその次にビショップエイプ、最後にキングエイプとクイーンエイプと順序に戦っていく

連戦である。


玉座に座るキングエイプが右手の人差し指で俺達を指し

「ウホッホホホ!」

獰猛に嗤い声を上げたら

上から五段目の壇上にいたポーンエイプ八体が壇上から降りると端にいる左右の四体が石を持ち投擲体制に入ると中央の四体が両手両足で地面を蹴り四足歩行で駆け出してきた。

「「「「ウホッホ!!!!」」」」

「アラヤ君!左右の四体は任せて。

エンチャント(リヒト)

ユエがすかさず背中の矢筒から矢を四本抜き弓につがえると投擲体制の左右のポーンエイプ四体に向かい強化し光を纏った光輝く矢を四本同時に放った。


ユエが放った光輝く四本の矢は閃光の様に左右に二本ずつ別れ投擲体制の左右のポーンエイプ四体の顔に同時に命中した。

「「「「ウホッ!?!?!?!?」」」」

矢が命中した四体のポーンエイプはHPが一瞬でゼロになり光の粒子になり消滅した。


「エンチャント(アニマ)

俺はユエが矢を射ったと同時に地面を蹴り駆け出していた。


四体同時に相手するならSTR()よりも

AGI(俊敏)を重視した俺は剣に(アニマ)を付与し暴風纏ったように黒色から緑色に変わった剣を携えこちらに迫る残りの四体のポーンエイプを目指し疾風の速さで駆けた。


自分の剣の間合いにポーンエイプが入ると素早くそのままの勢いで正面の一体に剣を突き刺し倒すと直ぐに身体を翻し地面を蹴るともう一体を切り捨てた。

残りの二体は俺を挟み撃ちにし鋭い爪で攻撃しようと左右から飛びかかってきたがその場で回転切りの要領で二体とも切り倒した。


「ウホッホホホ!」

ポーンエイプを全部倒すとキングエイプが先程のように指示を出すと次に待ち構えていた上から四段目の壇上にいたルークエイプ二体が飛び降りこちらに駆け出した。

「アラヤ君」

「大丈夫だ」

俺はユエが後ろから声をかけてきたのをルークエイプを見たまま左手をだし制止した。


矢は無限ではなく有限、数に限りがある以上先の戦闘を考えるならできる限り節約し俺が対処していかねばならない。


「俺がやる。

エンチャント(イグニース)

俺は(アニマ)を解除し(イグニース)を剣に付与しAGI(俊敏)からSTR()に変えると緑色から赤色になった赤く染まった剣でルークエイプを迎え撃つ。


二体のルークエイプの内先に来たルークエイプ一体目がアックスを振りかぶり俺にアックス振り下ろしたのを躱すとアックスを下ろした隙だらけの胴体目掛け右上から左下に斬り卸し倒したら後に来たもう一体のルークエイプが俺に攻撃しようとアックスを振りかぶった瞬間に素早く左下に振り下ろした剣を右上に斬り上げ倒した。


「ウホッホホホ!」

キングエイプが先程の様に指示するとナイトエイプが動いた。

上から三段目の壇上から飛び降りたナイトエイプが俺目掛け駆け出してきた。

ナイトエイプ二体は俺との距離を積めると剣を真上に振りかぶり今度は左右から二体同時に攻撃を仕掛けてきた。

俺はバックステップで後ろに下がり距離を取り攻撃を避けると足が地面についた瞬間地面を蹴りナイトエイプの懐に入り左側のナイトエイプの胴体に地面を蹴った勢いを利用しスピードののった突きを入れ吹き飛ばすと素早く剣を振り下ろしている右側のナイトエイプを突いた体制から右に回転するように斬り倒した。

吹き飛ばされたナイトエイプは起き上がると俺に向かって来た。

「ウホッ!」

俺は冷静に構えナイトエイプが剣の間合いに入った瞬間ナイトエイプ目掛け唐竹割りで斬り倒した。


「ウホッホホホ!」

キングエイプが指示すると上から二段目の壇上にいるビショップエイプが動きだした。

壇上から弓をつがえ矢を射とうとした瞬間後方から二対の閃光が走りビショップエイプ二体の顔に同時に直撃し倒した。

後ろを見るとユエが矢を射った体制で前を見据えていた。

どうやらビショップエイプが動き出したと同時に(リヒト)を付与した矢を射ったらしい。


俺は正面を向きながらバックステップで後方に下がりユエの近くまで来ると前を見据えたまま

「助かった」

ユエに礼を言った。

流石にビショップエイプ二体の矢を躱しながら壇上まで駆け上がり相手するのは少々危険もあった。

ビショップエイプを倒すと次はキングエイプとクイーンエイプの為壇上上にいると二体の攻撃の間合いであり危険だ。

「どういたしまして」

ユエは真剣な顔でキングエイプとクイーンエイプを見据えたまま少し微笑み俺に返した。

俺達が見据える先には玉座から立ち上がり両手剣を持ったキングエイプと槍を持ったクイーンエイプがこちらに向かって

「「ウホッホホホホホ!!!」」

周りの神殿や燭台、瓦礫、木、地面、空気そのものが震える野獣の咆哮をした。


次はいよいよキングエイプとクイーンエイプ

との戦いである。

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