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一撃PVP

やぁ、こんにちは語り手だ。


 天才それは一種の隔絶者である。

凡人より遥か高見に座っし凡人が百の努力を積み重ね一を得られるかどうかにに対し一の行動で一を確実に得る者である。


規格外、まさにその通りである。 


天才に勝ろうとするならどうするべきなのか百の努力を千の努力に増やし追い付くのか


いやいや、それでも足りないかもしれない。


では万の努力にするのか


いやいや、それでも足りないかもしれない。


結局凡人は天才には勝てないのか、届くことはないのだろうか。


………………いやそれは違う。


そもそも考え方が間違っているんだよ。


一を得たとしてそれが優位にたつことは有っても定めるものではない。


勝負の世界とはそんな一で決まる様な単純なものではなくもっと複雑なものなのだから。


巨大な力を持つ魔王を何の変哲もないただの凡人が倒す。


剣を極めし剣聖を未熟な騎士が倒す。


幾多の魔法を極めし魔導師を一の魔法だけしか持たない魔法使いが倒す。


世界を滅ぼす悪を仲間と共に倒す。


強者と弱者には決定的な二つを隔てる巨大な壁はある。


だが必ずしも弱者が強者に劣り負けるなんて事はない。


力・技術・技量・体技・知恵・知能・知識・知性・精神力・発想力・展開力・瞬発力・応用力・求心力・影響力・器用・不屈・闘争・獰猛・模倣・閃き・意地・仲間・運・地形・時間・気候


弱者が今その時、その瞬間に持つ全てを駆使し強者を倒す。


勝負は時の運って言うだろ。


だからこそ例え相手より遥かに劣り未熟な弱者だろうとも勝負を終えるまではどう転ぶかは誰にも分かりはしない。


勝負とは強い者が勝つんじゃない、勝った者がその時、その瞬間において己の方が相手より勝り強かった故に勝つ、ただそれだけの事なんだ。


でもそんな不透明なものの中でも分かりきっているものは有るんだ。

それはれっきとした真実であり正解。


勝つ意思の無いもの、諦め投げ出し絶望した者に勝利なんて決して訪れはしない。



境間荒原。

荒野エリアの一角にして周囲に大小様々な岩がまばらに有るだけのほぼ何もない開けた荒野。


今この境間荒原は荒野エリア特有の乾いた風が時折吹く以外は静寂に包まれている。

本来フィールドを闊歩するモンスターもそれを倒す為徘徊するプレイヤーも居ない。


今この場に居るのはアラヤとラインハルト今日の主役である二人だけである。


アラヤもラインハルトもお互い武器を装備したままあの時のPVPと同じ様に距離を開け静かに見合っている。


(ついにここまできた…)

内心僅かとはいえ緊張を抱えた面持ちのアラヤに対しラインハルトはまるで凪の様に静かでありその内に秘める感情は伺えない。


額面通りその心迄まで一切の波紋なき静寂を抱いているのか

それとも

緊張を抱えているのか

焦燥を抱えているのか

興奮を抱えているのか

高揚を抱えているのか

哀愁を抱えているのか

歓喜を抱えているのか

嘆息を抱えているのか

安心を抱えているのか

不安を抱えているのか

期待を抱えているのか

感謝を抱えているのか

恐怖を抱えているのか

快感を抱えているのか

親愛を抱えているのか

責任を抱えているのか

希望を抱えているのか

絶望を抱えているのか

それはラインハルト自身にしか分からない。

ただアラヤに分かるのは

(この男を越える事を見据え特訓した今だからこそ改めてはっきりと分かる。

この男、ラインハルトと自分との距離、格の差を)


実際に戦う前でも分かる自分とラインハルトの力の差だ。


頂点とは結局の所自分或いは他人もしくは両方、つまりは人が定めた固有意識でしかなくに絶対的に定められた固定概念ではない。


つまり1000人に頂点は誰かと問う場合例え999人がそいつだと答えても1人違うだけでそれはあくまで人の固有意識にしかならず絶対的には成らない。

だがもしも1000人に問い1000人全てがそいつだと応えるのならそれは絶対的である固定概念となる。


つまるところ問いかけた全てが同一の答えであるならそいつは本物の頂点だということだ。


だがこれは実際に不可能である。

何故なら人には自意識、プライド、見栄が存在する。

相手が幾ら優れていようが自分なら或いは自分が尊敬する人ならと現実を分かっていても認めたくなく否定をしてしまう。

自分もさることながら他が大切であればある程にあいつが強くとも自分が尊敬する人の方が勝っていると思ってしまう、いや思いたいのだ。


たが今此処に居るのはそんな不可能を成し遂げた男だ。

自意識、プライド、見栄、憧憬、尊敬、期待幾多の想いを抱えながら純粋に或いは耐えがたい、認めたくはない複雑な顔をしながらも全員が言うラインハルトこそ自分達の頂点だと。


アラヤもラインハルトの強さは充分すぎる程に身に染みて分かっているし分からされた。

だから幾ら心身共に鍛えようが緊張が無くなることは無い。

もし此れが現実であるならばきっとアラヤの剣を握る手は汗ばんでいただろう。




このPVPを開催するに辺り五大ギルド長ならびに運営より全プレイヤーに対し一つの通達が公布された。


五大ギルド長からはPVP開催地に

『近付かないように』

『邪魔しないように』


と言う忠告混じりのお願いに対し運営からは


『今回開催されるPVPは初の一撃PVPのデモンストレーションも兼ねており今後のジェネティクノーツの発展や更なるプレイヤー増員に関わる一戦であります。

したがってプレイヤーアラヤとプレイヤーラインハルトのPVPを観戦するにあたり他のプレイヤーは今回に限りPVP終了の時までPVP開催地である境間荒原に介入ならびに干渉する事を禁じ観戦は全てライブ中継で行うよう通達します』


通達を見たプレイヤー達が怒るどころかドン引きするぐらいの我欲混じりのお願いと云うよりはもはや強制に近い通達を行った。


此処まで徹底した内容の通達に幾ら自由を謳うゲームでも違反したら何されるか分からず下手したらアカウント停止も有り得る状況にこっそり隠れて生で見ようとしていたプレイヤーも含め全プレイヤーが了承の意を示す他なかった。



その為現在

草原エリア・中央都市アルカディア


火山エリア・都市フレイムネオス


荒野エリア・都市デゼルトアース


砂漠エリア・都市サーブルストーム


海エリア都市・アクアマリン


氷結エリア都市・アイスベルグ


森林エリア都市・フォレストパレス


全エリアの中央広場、路地、宿、道具屋、飲食店、ギルドホームには多くのプレイヤーがフィールドに出ず詰めよっており一人もしくは仲間と共にライブ中継画面を出し

静かに待つ者

期待に胸を踊らす者

弱点を研究しようとする者

どんな戦いになるか思案する者

どちらが勝つか話す者

純粋に勝利を願う者

そして

…………待ち人を信じ祈る者

プレイヤーの数だけ存在する様々な思惑のなか皆がアラヤとラインハルトのPVPの始まりを今か今かと待ち続けていた。


(やれることは全てやった、後は心を落ち着け研ぎ澄ませるだけだ)

未だ緊張は抱くなかやれることは全てやったと自負するアラヤはログインしてこの決戦の場に来るまでを思い返す。



ログインしたアラヤの目に写るは最後にログアウトした荒野エリアの都市デゼルトアースの風景。

今日の当事者たる一人であるアラヤが現れた事に丁度デザルトアースに滞在していたのプレイヤーが気付き話題の男だと色めき立つ。


ほとんどのプレイヤーが興味深そうに見る者や無謀な挑戦をしたものだと嘲りを見せる者ばかりでる。


「頑張れよー」

「きっと勝てるさー」

「負けんなよww」

「期待してるぞww」


アラヤに向かいプレイヤー達は口々に声援の言葉を送るがどれも嘲笑の笑みを浮かべ笑いながらや棒読みであり誰もがラインハルトが勝つのが当然だとアラヤの勝利を微塵も信じていない。


(はぁ、別に期待はしてなかったが)

別にアラヤも相手が相手だけにプレイヤー達のこの態度は仕方の無いものだと分かっているし自分に歓声が来ると期待していた分けではない。

だが分かっていてもだ、自分と同じ道を見ているのが自分しかいないと感じるとまるで世界に一人きりだと思ってしまう。


そうアラヤが思った瞬間

バシン!!

「ツッ!?」

思わず前にのけ反る程に背中に強い衝撃が走った。


驚くアラヤが後ろを振り向くと衝撃の正体を知り驚愕に目を見張った。


「お前ら…」

そこにはアラヤの背中を叩いた状態のままの何時もと変わらないしかめっ面のシドと両手を握り拳にした笑顔のクレスがいた。


「アラヤ君頑張って!」


此れにはアラヤ以上に周囲のプレイヤーが驚愕した。


アラヤに声援を送る見知らぬプレイヤーのクレスはともかくPVPの相手であるオリュンポスギルド長たるラインハルトの幹部でありこのPVPの切欠の一つたるアラヤに因縁をつけPVPを挑み敗北を期した筈のシドがアラヤの前に現れたのだから。


「チッ!ああ~なんだてめぇらじろじろ見やがって、なんか文句でもあんのかコラ!」

突然の出来事にアラヤに声援を送るのを止めざわめき出したプレイヤー達にシドは威殺さんばかりに鋭く睨みドスの効いた低い声で威嚇する。


プレイヤー達はシドのまるで怒れる鬼の様な形相に直ぐ様アラヤ達から目を反らし押し黙った。


「チッ!」

シドは静かになった周囲のプレイヤーに対し再度舌打ちするともう興味は無いとばかりに視線をアラヤに戻した。


「………」

「………」

声援を送ったクレスと違い何も言わないシドに無言で返しお互い見合いを続けていると


「ハァー、二人ともなにしてんのさ。

まったくもうしょうがないんだから、ほらシド君アラヤ君に言うことが有るでしょ」

クレスが無言の二人に呆れた表情を浮かべると肘でシドの体を突つき催促するとシドはめんどくさそうに頭を掻き視線を彷徨わせた後

アラヤを睨む。

だがその目は先程周囲のプレイヤーに対して見せた威嚇するようなものでなく素直になれないのを誤魔化すような見せかけのものであった。


「あー……アラヤ。

てめぇ分かってるとは思うけど、負けたら承知しねぇからな」


「まったくシド君はww」

ぶっきらぼうな言い方ど応援をするシドにクレスが可笑しそうに笑う。


そんな自分の勝利を心から信じ駆けつけてくれたクレスとシドを見るとさっきまで感じていた孤独感は無くなっていた。


(ハァまったく…馬鹿だな俺は。

俺は一人切りなんかじゃない、俺には俺を信じる皆が居てくれる。

この日の為に

俺に協力してくれたクレス、シド、ルビィ。

俺を応援してくれた父さんや守の爺さん。

…………………………それに)


ピコーン!


自分を信じ協力してくれた皆を思い浮かべ最後に一人の少女の姿を思い浮かべていたアラ

ヤにメッセージが届いた事を知らせるメッセージアラートが鳴った。


アラヤはシステムを操作し届いたメッセージを見ると思わず顔を綻ばせた。


メッセージは短いたった一文だけのもの。


fomeユエ


リネイシアの花園で信じて待ってるよ


内容は勝ってほしいの言葉もない簡素なものであった。


だがアラヤにはそれだけで充分に心が満たされるものである。


アラヤにとって勝ってだの負けないで等の勝利を願う言葉でないただ信じてる、この言葉を送ったのがユエだと云う事が何よりも大事なのだ。


何故ならユエは信じているのだ勝利を願わなくてもアラヤが必ずラインハルトに打ち勝ち自分の元に現れることを。


好きな人の信頼程嬉しいものはない。


(ああ、待っていてくれ必ずラインハルトに勝ち君の元へ行くから)


そう思っていたら次々にメッセージが届いた。

ルビィや武蔵ギルド所属のハルアキ。

何れもアラヤの勝利を願うものであった。


(皆、ありがとう)

アラヤは心の中で応援してくれる皆に感謝するとメッセージを仕舞いクレスやシドに顔を向け

「ラインハルトに…俺達の最強に勝ってくる」

揺るぎ無き信念のもと力強く宣言した。


「うん。アラヤ君ならきっと勝てるよ」

「ああ、思う存分やってきやがれ」

二人はアラヤの言葉に顔を緩ませ答える。

そしてクレスとシドに見送られながらアラヤはラインハルトとのPVPの場所である境間荒原に歩きだした。





アラヤはラインハルトと距離を開け見合っているとラインハルトが苦笑しだした。


「まさか私も此処まで大事になるとは思わなかったよ」


「ああ、俺もまさか運営迄も介入する事態になるとは思わなかった」


「ああ、アラヤ君の言う通りだ、流石の私も予想を超える事態に驚いているよ……しかし正直今の状況を私は嬉しくもおもっている。

それほどまでに私と君との闘いが多くのプレイヤー達に期待され注目されているという事実に。

ああ、これは本当に誇れることだよ」


「期待、期待か………どうだろうな。

結局は皆お前の勝利を前提としたもで確実に俺が負けるものだと思ってそうだがな」


「フフッ…確かにアラヤ君の言う通りかもしれないが、全てではない。

私の勝利を疑わない者が居るように君の勝利を信じ疑わない者も居るのだろう」


「ああ、そうだな…お前の言う通りだ。

俺があんたに勝つことを信じ応援し祈ってくれる人達がいる、確かにいるんだ…」


アラヤは応援してくれる皆の顔を思い浮かべると心が温かくなり心の奥から勇気が強さが沸いてくるのを感じ笑みを浮かべた後眼前に写る強く気高い最強の敵を強い眼差しで見据える。


「ラインハルト。勝つのは俺だ」


「アラヤ君。悪いが勝つのは私だよ」


ラインハルトはアラヤの勝利宣言にも動じず揺るがずアラヤに返す。


「頂点にして最強は勝たなければならない、例え劣勢に立たされようと、例え自分自身が不完であろうとも一度その頂きに立ったのなら其処には責務がある。

多くの者が憧れ我こそはと頂きに並ぼうと超えようと手を伸ばし焦がれるからだ。

……ならば私は負けるわけにはいかない。

頂きを目指し手を伸ばす者達の壁として、

頂きを目指す者達の憧れとして、

決してその頂きは容易なものではないと此処に居る私が証明しなくてはならない。

君達の目指すものはそれ程までに価値の有るものだと」


言葉一つ一つに謙遜も羞恥も傲慢も表れない、つまりラインハルトとってはこれは至極当たり前の事であり当然だと云う思考故の結論でしかない。


例え仮初めなアバターであろうともフッとした言動、行動、仕草でその人のリアルの心或いは人物像が幻影の様に垣間見得る様にアラヤにも朧気ではあるがアバターを通しラインハルトと云う男の実態を幻視した。



宣言したラインハルトだったが何故か急に憂う様な表情をする。


「………アラヤ君。

……私はもう一度こうして君と闘う事を予感、いや確信していた。

まるで今日が終わろうとも必ず明日という日が来るような必ず訪れる運命の様に此処まで至る全てを必然だったとそう感じるのだ。」


「必然?…だが全ては偶然からだろ、俺とオリュンポスギルドメンバーが戦ったのも、シドと戦ったのも、そして………ラインハルトお前と戦い負けた事さえも、まぁ殆どがオリュンポスギルドな分確かに出来すぎてるとも言えなくはないが、どれも俺やシド、お前達の意志で行われた事であり誰かに導かれたものでも敷かれたものでもない、全部俺達が決めた事だ」


「ああ、確かに君のいう通り私達は誰かに強制されたから行ってきたのではなく全ては自分の意志で決めたものだ。

だが、そうだとしても本当にそうなのかと思ってしまうんだ。

もし君がシドと戦わなければそもそもオリュンポスギルドメンバーを倒さなければ此処までの全ては決して起こり得ない事象であると」


「それは…」


「ああ別に君を責めてるわけではないし過ちを逃れようとしているわけではないよ。

あれは此方の方に責任がある私のギルドの過ちだ。

ただ私は感じるのだ。

このPVPを含めたアラヤ君との全てが幾重の事象を重ねたうえで行われたものではなく……そう下されたように人の手で行われたものではなくあたかも最初から決められ書き記されていた人生のように」


「つまり此れまでは俺達の意志や偶然からのものではく全ては必然のうえ辿るよう決められていた事だとお前は言うのか?」


「ああ、まるで全てが()()()()()であるの様に」


アラヤはラインハルトの話しを聞いていくなかで何故か()()()()()()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()()()()





「さぁアラヤ君、そろそろ始めようかこれ以上の話はこの戦いを待ち望んでいる観客の皆が痺れを切らしてしまう。

暴動なんて起きたら流石の私も対処は諦めるしかないしな」


ラインハルトは茶化した笑みを浮かべ右目でウインクする。


普通の人なら気障や嫌味だと思うがラインハルトだと似合いすぎて全然気障や嫌味に思えない。

姿型たけではなく性格も出来た男は何しても良き評価を得る。

…まぁ性格はともかく姿型は仮初めのアバターなのだが。


きっとこの姿を女性プレイヤー達が見たらキャーキャー喜んでいただろうしアンに至っては嬉しさのあまり失神しかねない。




ラインハルトの言葉を最後に二人から滾る圧が場の空気を一変させる。

重く

強く

熱い

闘う者の空気だ。


アラヤは眼を瞑り深く一呼吸し僅かばかりあった緊張を吹き飛ばし精神を極限まで研ぎ澄ませる。


そしてあの時はラインハルトからであったものを今度はあの時とは真逆に自分から


「いくぞラインハルト(頂点にして最強)

PVP申請をラインハルトの眼前に提示する。


ラインハルトがPVP申請を受理すると同時に各プレイヤー達の前に出されていた黒い画面のライブ中継画面が切り替わり向かい合う二人の映像が映し出される。


《3》

二人の頭上に表示されたカウントダウンが刻みを始める。


一撃PVPを待ち望んでいたプレイヤー達はPVざわめきを止め皆が同一の意志に動かされたように固唾を飲み音が死んだように静寂に包まれる。


《2》


様々な思惑が有るなか今この時、この瞬間において全プレイヤーの想いは一つだ。


この闘いを一瞬たりとも見逃さない。


荒野エリア・都市デゼルトアース

(アラヤ)

(アラヤ君)


《1》


ルビィの店

(アラヤ)


アラヤとラインハルトはあの時の様に示し会わせたわけでもないのに構えを行う。


リネイシアの花園

(アラヤ君)


《0》


アラヤを信じ応援する者達が心の中で祈りを捧げるなかカウントは《0》の刻を告げた。



今この時をもってアラヤとラインハルト二人の男の未来を掛けた闘争が始まる。

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