表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

PROLOGUE:零の指弾-黒崎零-

挿絵(By みてみん)



 黒崎零。彼と出会った時に俺はただならぬ縁を感じた。



 思いだしちゃあいけないこと……俺にはそんなのいっぱいあるけども。



 彼が衝撃の告白をするまで俺はそれが何かわからないままだった――




 俺が生まれたのは鹿児島のどこかの町、物心ついた時から親なんていない。気がつけば悪友とつるんで悪巧みを繰り返し、学校にも行けなくなった。



 10代から20代はただ遊びを楽しめればよかった。色んなところへ行ってみたいと思って、違法な仕事を渡り歩いて全国をまわった。



 色んな男と喧嘩して色んな女を抱いて、それで俺の人生は良かった気がした。



「邪魔なヤツを殺そう」



 俺の目のまえに現れた10代の少年が真顔で俺に言ってきた。



少年と言っても、両腕と背中に立派な紋々が入った筋入りの組員だ。そして組長の息子だ。俺は彼のボディーガード兼お目付け役として彼と行動をともにした。



 おそらく全てが変わったのは組長の白崎左之助が消されてからのことだ。



 俺と組長の息子をはじめとした白崎組の面々が次に狙われるのは明白だった。俺たちを除く組員が続々と俺達の元から離れて別の組と合流していった――



 彼はそれでも動じている様子がなかった。



 ソファーで腰掛けて悠々自適に好物のドリンクを飲みながらリラックスしている。明日誰かに殺されてしまうのかもしれないのに――



「お前、人を殺した事がないのか?」

「そこまでの事はした事がない。逆にお前にはあるのか?」

「ないよ。だけどきっと簡単なことさ」

「簡単なこと?」

「みせたいものがある。そのまえに俺と契りを交わして貰わないといけない」

「契り?」

「これから俺と一蓮托生だ。逆らったら、どうなるか分かるな?」



 俺は以前組長にそんなことを言われた事がある。でもここからが違った。



「この場でお前にマシーンのモルモットになって貰う。間違った判断をするな。今ここでお前にある選択肢はこの場で生き残るか死ぬかだ……!」



 彼は微笑む。その笑みはもはや少年のつくる顔ではなかった。今までにみたことのない極悪人のそれそのものだった。



「わかった。わ、わかったよ……」



 俺は冷や汗を垂らしながらも、そう答えた。



「いかつい男がビビるなよぉ! はっはっは!」



 彼は明るく笑いながら俺の肩をたたいて掴む。



 情けない話だが、俺の体はずっと震えていた。そしてその翌日、俺は組からも組長の息子であるそいつからも逃げることにした――



 もうアイツの名前は覚えていない。思いださない方がいいのだろうけど。




 そんな夢をさっきまでみていた――




 あくびをしながらカーテンを開ける。鳥のさえずりが聴こえる。



 差し込む光は変な悪夢を忘れさせてくれたようだった――



∀・)後半開始でございます!気がついた人がいるかもしれませんが、じつは前半のプロローグと多くをリフレインさせてます!でもよくみると前半とプロローグと多くが違うんですね~!そこが結構ポイントです!後半も引き続きお楽しみくださいませ★★★彡

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ