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~第3幕~



 大野会の襲撃から手に入れた大金。それは下手をすれば一生遊んで暮らす事すらできるかもと錯覚するほどのものだった――



「お前、飲みそうで酒は飲まないのな?」



 鬼道院は酔いながらも創に問いかけてみた。彼は未成年ながら既に何人もの人間を手にかけた極悪人。未成年だから破ってはいけないタブーなんか容易に破ってそうだが、彼は飲酒もしなければ喫煙もしない。変に生真面目なとこが奇妙にすら思えた。いつもコーラを片手にそれで満足している。



 こうしてみれば根はただの少年なのかもしれないが……



 そんな創はここのところシオリという女にゾッコンだ。



 他の女に目もくれず四六時中ひっついている印象がある。



 もしもシオリそのものが何かの罠だったならば、彼はいとも簡単にやられてしまうだろう。そう想って彼を眺めていた。そして両肩に適当な女を抱き寄せ、ウィスキーのロックを飲み乾している時だった――



「がああああああっ!?」



 シオリが創に三角締めをくらっていたのだ。



 鬼道院は思わず口に含んでいたウィスキーを吹き出した。しかし

その光景の真相が間もなく創によって吐露された。



「お前のようなイイ女が俺のエサになるなんて、警察だか、別の組だか知らんけども、もったいないなぁ。よぉ、そんな分かりやすいドスで俺を出し抜けると思ったのか!? あぁ!?」



 よく見ると、2人のすぐ近くに果物ナイフが落ちていた。



 すぐさま鬼道院はシオリが持っていたと思われるナイフを拾い、彼女の喉元へと突きつけた。



「コイツは酒もロクに飲めねぇ小僧さ、ああ、小僧だ。でもな、おめぇ如きじゃ扱いきれねぇ最強の親分だ。よくわかっただろうが? おら、さっさとどこの鼠なのか吐きやがれ」



 シオリは鬼道院の頬へと唾をかけた。とっさに彼は逆上して彼女の顔を思いきりぶん殴った。しかし創はそれに対して激怒して返した。



「てめぇ! 人の女の顔を殴んじゃねぇよぉ!!!」

「えっ!? す、すまん!!!」



 鬼道院は何が何だか分からなかった。しかし謝って正解だったらしい。



 結局その場はクラブに関わる組員の者達が駆けつけ、事情を確認したのちに、創と鬼道院そして拘束した状態のシオリがクラブから出ていくことで事なきを得た。シオリはその場でホステスとして解雇。何処かからの刺客であることが明白となった――




 場所は創たちが拠点としているマンションの一室へ。そこでシオリは尋問を受けた。最初は「殺しなさい! 殺せ!」と頑なだったが、創の「殺すにしても、もう1度愛し合って抱かないと勿体ない」という言葉を受けて、次第に正体を明かした。どうやら彼女も創と関係を持って、満更でもなかったらしい。



 本名は羽藤紫音、公安警察でマル暴の調査にあたる工作員だった。どうやら大野会殲滅の件が神奈川県警に知れ渡り、すぐに所在が判明した創がマークをされたという真相だ。工作員は紫音だけでなかった。他に3人もいたが、全員が紫音に託して作戦から撤退したという。



「話してくれてありがとう。よぉ、鬼道院よ、ここから出ていけ。俺はこの女と2人でもうちょっと話がしたい」



 鬼道院は「はいはい」と言ってマンションをあとにした。



 彼が彼らと顔を合わせるのは翌日の朝になる。



 そのときに既に創と紫音はできあがっていた。



「マジかよ。とんでもねぇな」



 鬼道院は苦笑いするしかなかった――




∀・)創、プレイボーイも極めていたの巻でした(笑)次号!!!

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