ママとパンケーキ
こんにちは( *・ω・)ノ
今夜のお話はとある少女のおやつのパンケーキのお話です。
「ママ、今日のおやつはなぁに?」
おやつの三時、リズはママにいつものように聞いてみた。
「今日はリズの好きなパンケーキよ!」
「わぁーいっ!」
ママはボウルに卵を割り、薄力粉を入れて牛乳、砂糖、ベーキングパウダーも入れる。
「リズ、混ぜて」
「はぁーいっ!」
まぜまぜ、ぐるぐる。
まぜまぜした液体をママがフライパンにお玉で注ぐ。ポツポツと表面に泡が出てきて、ママはひっくり返す。ひっくり返してしばらくしたらお皿にポンッ!
それを三回繰り返す。
そうしてふわふわのパンケーキがお皿に三枚乗って机の上にやって来た。
わくわくしながらバターを乗せてメープルシロップをかける。
透き通った茶色の液体はふわふわのベッドの上にひたひたになる。
「いただきます!」
もぐもぐもぐ。
幸せいっぱいパンケーキ。
「ママ、パンケーキだよっ!」
今日は私がママの為に三時のおやつを作るんだ!
「ありがとう!リズ!」
「いつものお返しだよ!お母さん!」
たくさん幸せパンケーキ!
ちょっと焦げちゃったけどママはおいしいって言ってくれたよ。
幸せいっぱいパンケーキ。
「ママ、おやつのパンケーキだよ。」
「ありがとう、リズ。いつもありがとう。」
「ママが喜んでくれるなら何度だって作るよ!」
幸せいっぱいパンケーキ!
体調を崩したママの代わりに何度も作って得意料理!
今日もママの笑顔がいっぱい。
幸せいっぱいパンケーキ。
「ママ、パンケーキ作ったの、食べて?」
「…………。」
「ママ、ママ?」
「………………………。」
幸せいっぱい、パンケーキ。
その机にはいつものパンケーキ。
でもそこにママの笑顔はない。
幸せいっぱいパンケーキ。
「今日のおやつはパンケーキ。」
一人のテーブルに二人分のパンケーキ。
「また作り過ぎちゃった。」
幸せいっぱいだったパンケーキ。
ママと一緒にパンケーキ………。
日常はある日突然変わってしまうものだ。そんな現実で我々は生きている。変わっていくものの中で変わらないものもあるのだろう。そんな悲しみのパンケーキ。