序章
初投稿です。よろしくお願いします!
━━━━10年前。
世界中で化け物が暴れていた時代に、とある8人の英雄が現れた。
【剣の英雄】、【魔術の英雄】、【癒しの英雄】、【破壊の英雄】、【策略の英雄】、【結界の英雄】、【銃の英雄】、【精霊の英雄】と呼ばれたその8人の英雄達は、長きにわたり続いたその化け物との戦いに終止符を打った。
その後、8人は各地に散った。
また、化け物が暴れた時の為に。
━━━━それから、約10年。
【剣の英雄】はアメジスト王国に移り住み、そこで結婚。
2人の男の子と3人の女の子に恵まれ、幸せな生活を送っていた。
長男、ヒロトは【剣の英雄】である父とは違い、剣技がめっぽう上達しなかった。
次男、エイジは兄とは違い剣技に長けた少年だった。
周りは『次男の方が【剣聖】を継ぐのにふさわしい』と評した。
事実、彼らの父もヒロトよりもエイジに【剣聖のギフト】を譲ろうとしていた。
─────ギフト。
それは、神様からの贈り物────一般に、人とは違う【異能力】を指す。
それは選ばれた極々一部の人間にのみ贈られ、場合によっては一族に代々贈られている例もある。
また、ギフトは譲渡も可能で貴重なギフト等はだいたい譲渡され、受け継がれていく。
普通はギフトは一人一つ。
だが、英雄クラスになると【複数持ち】は当たり前だった。
もちろん、エイジも既に【身体強化】のギフトを持っている。
誰もが『次男の方が優秀』と評したのも、無理なかった。