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ダンジョン管理局の方から来ました

作者: 堂々洞

こんにちはー

ダンジョン管理局の方から来たものなんですが―

今この辺を回ってましてね、お邪魔させていただいたわけなんですー

実はこの辺にですねー新しくダンジョンができそうというか―

もしかしたらもうどこかに出来てしまってるかもしれないんですけどー

そのような調査結果がありましてねー

今お住まいの床下を点検させてもらってるんですよー

あー、もちろん無料で点検させていただいてますよー

何もなければそれで問題ないんで―

えー、ダンジョンが見つかったらー、それはそれで手続きとか―いろいろしていただかないといけないわけなんですけどー

その辺は実際見つかってからご説明いたしますのでねー

調査もお時間かかりませんからねー

床下にこのセンサーを使わせていただくだけなんでー

あー、このお住まいを建てられたときに使われたことありますー?

なるほどー、そのときは問題なかったとー

お住まい、新しいですもんねー

ちなみになんですけどー、ご新築からー、どれくらいお時間経ってますかー?

二年くらい?あぁ、五年ですか―

きれいにお手入れなさっていらっしゃるのでー、築二年くらいにみえますよー

大事になさってるんですねー

じゃぁ、ほとんど心配いりませんねー

このあたりのお宅は、ほぼ見させていただいてると思うんですけどー、どちらも問題ありませんでしたからねー

まぁ、こちらとしてもー、大丈夫かな、とは思うんですがー

一応調査させていただかないとー、給料泥棒とか言われちゃうんでー

記録だけ残させていただいてるんですよー

すみませんねー

この棒を床下に差し込ませていただいてー、ぽちっとなー

この光がブルーになるまでちょっと待ってくださいねー

ハイ大丈夫ー・・・あれ?

あ、ちょっと待ってくださいねー

ちょっといいですかねー?

この画面見ていただけますー?

こちらが個々の敷地の地図でー、この範囲が建物なんですがー

建物の四隅にダンジョン除けの結界石がありますよねー

こちらの方は問題なく作動してるんですけどー

この、お庭の方なんですがー

たぶん、お住まい建てられるときにーこちらのお庭の方にも結界石を埋められたと思うんですけどねー

ちょっと色が濃くなっている部分がありますねー?

もしかしたら寿命かもしれませんねー

一応十年タイプが主流なんですが、やはり中には期間が短くなったりー

効果が薄くなるものもありますからねー

とりあえず関連会社の取り扱いのパンフお渡ししますねー

一応、個人情報なんでー、よそのお宅の情報とかはお見せできないんですけどー

東の方から続いてる感じですねー

お隣今日お留守だったんでーお声掛けできなかったんですけどー

今週はこのあたりまわってますんでー、お隣の方見かけられたらー

お声かけていただくと助かりますー

色の感じからですとー、北東の方かなー?あちらの方に何かありますー?

あー、お寺があるんですねー

由緒あるところはなかなか結界石の工事とかできませんものねー

お寺のそばには墓所もあるでしょうしねー

ご心配ならー敷地の境界に設置するタイプの結界石の工事もできますよー

念のためパンフだけお渡ししときますー

ほぼ影響ないレベルだと思うんですけどねー

気にされる方は気にされますもんねー

ただー、境界設置タイプだとーご近所の方と相談なさってくださいねー

ご存じのとおりー、結界石は石を中心に結界を張りますのでー

よそのお宅の石の範囲に入るのをー、嫌われる方もいらっしゃいますのでねー

あー、ここだけの話なんですがー、

わざと一部だけー、ダンジョン空間残す方がいらっしゃるんですよー

ホントはいけないんですけどねー

三十センチ四方くらいならー結界の隙間があってもお目こぼしされちゃうんですよー

結界石ってやつはー、大きいほど耐用年数とか、効果範囲が広いですからねー、一般的にー

効率よく配置するとどうしても隙間ができちゃうんですー

三十センチくらいならー、ダンジョンも周りの結界のせいで大きくなれませんしー

ご存じのとおりーダンジョン内のモノってー

しばらくすると風化するじゃないですかー

それを利用してー、ごみを処分したりする人がいるらしいんですよねー

ダンジョンの中に残ったものがー、その後どうなるかなんてー

誰にもわからないですからねー

なのでー、こちらのお宅の方はー、そんなことはなさらないとは思うんですけどー

一応ご近所にはー、確認された方がいいかと思いますー

パンフレットの後ろの方にー、連絡先が書いてありますのでー

何かありましたらー

ご連絡くださいねー

それでは失礼しまーす






*****


「ねぇあなた、今日、ダンジョン管理局の人が来てね、庭のダンジョン除けの結界石が弱ってるって…」

「うちのはまだ新しいだろう?」

「ものによっては早くダメになっちゃうのもあるらしいのよ」

「なんだそれ、最近はやりのダンジョン詐欺じゃないのか?」

「でも、いい人そうだったし…」

「わかったわかった、今度工務店の人に来てもらうから。それより、明後日からまた出張だからな」

「最近出張多いわね…」

「仕方ないだろ、重要なプロジェクトなんだ」

「…そう…」


*****






「お寺の裏の竹林に、ダンジョンができたらしいわね」

「あらやだ、近所じゃない」

「幼稚園のタケノコ掘りで見つかったらしいわよ」

「この辺は結界石入れてる家が多いからこっちの方には来ないわよね」

「あそこのお坊さん、こないだ入院したんじゃなかったかしら」

「人がいないと管理ができないから仕方がないわね」

「そういえば角の奥さん、最近見かけないわね?」

「あぁ、旦那さんが出張が多いってよく言ってたけど」

「…旦那さんもあまり見かけないわね」

「こないだ町で、奥さんじゃない若い女と歩いてるのを見た人がいるって…」

「それってもしかして…」

さて、何があったのでしょう、ねぇ?

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