第三話
小さめの建物だと思っていたが、中は恐らく空間系の魔術によってかなり広い内装となっていた。
また装飾も外見からは想像もつかないまるで、どこかの王城のような豪華なつくりになっていた。
俺はまばらにいる人を通り越して受付のところへ行く。
受付嬢の前に立つと受付嬢の人が笑顔でこちらに挨拶をしてくる。
「こんにちは、本日はどの様なご用件でしょうか?」
「ここは魔導究理組合だよな?」
「はい、そうです。」
よかったぁ〜、取り敢えず間違ってなかった様で安心した。
「組合員になりたい。」
「組合員にですね?畏まりました。試験を行いますのでこちらについて来ていただけますでしょうか?」
受付嬢は一緒驚いたようだが、しっかり教育できているようで、すぐに対応をしてくれる。
そのまま俺は受付嬢について行く。
廊下を歩いて一番奥の部屋に連れて行かれるとそこに入る様に言われる。
入った部屋は、また空間系の魔術が展開されている様で、見た目とは裏腹にかなり広い空間だった。
それに強度強化の魔術が展開されていて何も無い空間なので、ここで何か披露する様だった。
すぐに受付嬢は審査員を呼んでくると言って部屋を出て行った。
そして入れ替わりに他の受付嬢が来て、試験の内容を教えてくれた。
外観がかなり変わっていたので、全く違う内容の試験になると警戒していたが、俺の知ってるものとさほど変わらない様で安心だ。
何処かに行っていた受付嬢が数人の人を連れて戻ってくる。
だが1人とても気になる人物がいるがまさかそんな事は無いと思うので恐らく見間違いだ。
「えー、貴殿にはこれから一つ自分が最も自信を持つ最高の魔術か、魔法を見せて欲しい。」
フードを被ったかなり若い声の男が試験内容を伝えてくる。
自分が最も自信を持っている魔術かぁ。
じゃああれしか無いんだけどな。
俺はその魔術を使用する為に魔術陣を展開する。
「ほぉ、あれだけの術式を一瞬で…素晴らしいでは無いか」
「ほう、なかなかやる様だな」
すると周りからは感嘆の声が聞こえてくる。
俺は発動させる為の最後の工程、魔法語の言葉を紡ぐ。
「悪魔召喚」
すると魔術陣が黒く光り、漆黒の稲妻が走る。
そして段々とそれらが凝縮していく。
極限まで凝縮すると次の瞬間空間が黒く塗りつぶされる。
そしてそれが無くなるとそこには1人の男が立っていた。
その男は黒く長い髪をしており、その長い髪の毛は後ろで束ねられていた。
そして服装は、深淵から取り出したかの様な漆黒に染まった執事服を着て、モノクルをかけたクール系イケメンみたいな顔の男だった。
そして周囲が唖然としている中、男は動き出しレオリアの前に跪いた。