したたかな命
たんぽぽ、綿毛に化けて
陣地を広げる真っ最中
菜の花においで虫誘い
密約こそこそやっています
命萌える季節です
自らを繋げるために
広げるために蠢きます
例え寒かろうが途絶えることなく
続きます
熾烈な命の伝達に
人の身体は驚いて
侵略防ぐためにサイレン鳴らし
透明な濁流で
外へ外へと追い出し続けます
弱い部分を守ろうと
真っ赤になって
排除に勤しみます
育んだ色が
あちこちで歌いだし
生暖かいため息をもらします
命は
散り、朽ちても
終わりではなく
生きた欠片を残して
次へと繋ぎます
休むことなく
繰り返される
したたかな命の巡り
圧倒されるのは人だけのようです