喧嘩
今回の主人公は種月泉。
1年生の10月のお話です。
朝穂定が出てきます。
コンプレックスも含めて自分なんて思える程、まだ大人じゃないけど。
喧嘩 side泉
「今、チビって言った?ちゃんと聞こえてるんだけど。」
後ろにいる2人組を振り返り、睨み付ける。
制服のバッチが青。1つ年上の2年生だ。
そんな俺はの様子に、隣を歩いていた定も足を止める。
「泉…2年生だぞ。やめとけよ。」
これだから、定はヘタレなのだ。
人を侮辱するのに年なんて関係ない。「聞こえるように言ってんだよ。お前、1年の種月だろ?なんか、2年や3年の女子に可愛いとか騒がれて調子に乗ってるらしいなぁ。」
今どきそんな理由で喧嘩を売ってくる暇な人間っているんだ。
驚きと同時に馬鹿らしくなってきた。
「なっ…泉は調子に乗ってなんか…。」
食ってかかろうとする定を片手でなだめ、1つため息をつく。
あぁ、なんて馬鹿らしい…。
「確かに俺は種月泉だけど…まずあんた達誰?まぁ、人を見掛けで判断しちゃいけないって事も知らないような非常識な知り合いいないけど。ってか小学校で習って来なかったの?人は見掛けで判断しては行けませんって…あっバカにしてる訳じゃないんだよ。忠告してやってるんだ。」
一息にそこまで言う。隣には頭を抱える定。
前にはキョトンとする先輩方。まぁそんな状況は長続きもせずに、彼らの顔が真っ赤になる。
「てめぇ…。」
人間言い返す言葉がなくなれば後は暴力だ。
「定。先行ってていいよ?」
横では無言のままの定が首を横にふる。
「どうなってもしらないからな。」
今度はしっかりと首を縦にふる定を見て、つい口元がゆるんだ。
「痛てぇ。」
定が心なしか涙目で訴えてくる。
「だから、先に行けって言ったのに…。」
そんな定より、俺の方が明らかに重症だ。
「だって…泉1人じゃ勝てないだろ。」
「あぁ、役に立ったつもりなんだ…。」
とびきりの笑顔。
笑顔で酷い事言うのはもう趣味みたいなものだ。
「うっ…。」
「嘘だよ。…ありがとうな。」
嬉しそうにする定を見て、少しだけ自分の発言を後悔する。
「1年2組の朝穂定。種月泉。すぐに生徒指導室まで来てください。」
校内中に響くスピーカーの音。
誰だよ…先生なんかに言ったやつ。
そうは思いながらも、
「ほら来た。停学くらいは覚悟しとけよ、定。」
なんて、強がりを言う。
定の困った顔を見るのは俺の趣味みたいなものだから。
「俺、怖くなってきた…。」
その言葉で俺は余裕の笑顔を取り戻した。
コンプレックスを認められる程、大人にはなれないけど、今の自分を嘆くなんて無駄な事はやめよう。
いくら悪い条件だって、みんながビックリするくらいデカい事を成し遂げよう。
だって、俺は俺でいたいから。
…恋愛要素なしのお話はいかがでしたか?
タイトルはlove storysなのに…。
定の登場回数が多いのは彼が単純で動かしやすいからです。定の話ばかり思いつくし…。
よければ、感想などをお待ちしています。




