優先座席
今回の主人公は秋山実。
ほとんど彼の一人語りなのですが…一応、椎歌が出て来ます。
小さないい事…貴方には出来ますか?
初めて見たのは電車の中。
優先座席に座ってる片耳ピアスに茶髪の君。
優先座席 side実
永峰椎歌。左だけに開いたピアスに、長いストレートの茶髪。
一応、進学校と言われるうちの学校では少し浮いた存在。
でも一番重要なのは、とびきり美人って事。
俺が彼女を初めて見たのは、入学式の日の電車の中。
最初に目についたのはもちろん進学校の制服と彼女がアンバランスだったから。
へぇ…。こういう子も居るんだ。
少し安心した。俺、3年間遊べないのかと思ってたし。
ってか、すげぇ美人だな。
先輩か…?少しは遊んでくれっかな?
なんて事を考えてた時、俺の目の前を2人の老人が通過する。
気にもとめてない俺はもう一度彼女の方を見た。
「よかったら、ここ座って下さい。」
それが初めて聞いた君の声。
ってか、今時老人に席譲るなんて…珍しい子だなぁ。
席立ったって事はこっち来ねぇかな?
俺の頭の中は、どうやって彼女のアドレスを入手するかでいっぱいだった。
「ねぇ、席代わってあげてよ。ここ優先座席だよ。優先座席の意味は…わかってるよね?」
その声に視線を戻す。
彼女が隣に座っていた他校生に言った言葉だった。
車両中の視線が、彼女の今時珍しい行為へとそそがれる。
老人2人が優先座席に並んで座り、深々と彼女に頭を下げていた。
俺は、否定の意味で小刻みに手をふる彼女のその笑顔に目を奪われていた。
あぁ…こういうのが美人って言うんだな。
あれから入学式で同じ1年である事を知り、運命的に同じクラスで永峰椎歌という名前を知った。
残念な事は未だに彼女のアドレスを入手していない事だ。
「椎歌ちゃん。一緒に帰ろ。」
いつもこんな感じで押しまくりの俺に、彼女がアドレスを教えてくれる日は近い。
「いつも言うけど、なれなれしく名前を呼ぶな。私、部活だし。」…近い?
とにかく、今日も一人で帰る。
俺だって部活あるんだけど…まぁ、今日はもう気が乗らないからサボるけど。
「ハァ…」
ため息を1つつき、顔を上げると1人の老人。
俺は反射的に腰をあげて席を譲る。
…何やってんだ。俺らしくもない。
でも…嫌な気分ではない。
そんな自分に自然と口元がゆるんだ。
優先座席はお年寄りや身体の不自由な人に譲りましょう…ってか?
ってわけで、彼が彼女を好きになる理由は優先座席でした。
読んでくれてありがとうございます!
次は…種月泉かな?そろそろ友情モノ??
まだわからないですが、次回もお願いします。
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