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自宅警備兵  作者: SIN


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46/50

RESET

 店舗改装の為しばらく休みになるらしい。

 改装する事はもう随分前から決まっていたらしく、パートのオバサンだけでなく高校生バイトも全員が知っていた。

 俺以外の、全員が知っていた。

 詳しい日程を知らなかったとかそう言うレベルではなく、改装する事自体を知らなかった。

 そして、その日程は今月の21日から。

 それを教えてくれたのはパートのオバサン。

 改装記念に皆で食事しよう、と楽しげなイベントが催される事を教えてくれた時だった。

 「今度改装するやろー」

 から始まった会話だったのだが、その冒頭で完全に思考停止してしまった為に1度で全てを把握するに至らず聞き返してしまった。

 こうなると本気で考えなければならない…現店長に疎まれているのだから、このままここを守る盾ではいられないんじゃないか、と。

 セット内容が間違っていると言っても、あのオッサンが店長となった今、その間違った方のセットが正解とされる場面が多くなってきているし、そもそも店長が俺に守られる事を拒否している。

 自宅警備兵の称号も、千手観音の称号も、呆気ない程簡単に剥奪されるものなんだな。

 少々空しい気分に浸りながらも、全員参加と言うので出席した食事会。

 食事会会場は、バイト先である。

 改装工事が始まる前に余った食材を使い切るという目的があるのだ。なのでビールも、ワインもーウィスキーもチューハイも飲み放題。しかも自分で飲み物を注ぎに行くというとんでもないセルフサービス。その上誰でも好きなつまみを自分で作りにいけると言う自由っぷり。

 それでも高校生バイトに油を扱わせるのは危ないので、伝票に注文を書いて作りに行くと言う普段と変らない事になった。

 しかし、値段の所に0円と書くのは中々楽しい。

 厨房に立ち、チューハイ片手にカツを揚げる。これはこれで貴重な経験だ。

 ここまで来ても店長が俺に対して何も言ってこないのは、これを機にクビと言う事なのだろうか?

 それならそれでスパンと言ってもらわない事にはケジメがつけられない。それとも俺から言って欲しいのだろうか?

 改装工事が何日間なのかさえ知らされず、21日から工事が始まると言うのだ、そういう事ではあるのだろう。

 「店長、ちょっと良いですか?」

 揚がったカツを出しに行き、店長を呼び出し厨房の中へ。

 溜まりに溜まった鬱憤を大爆発させても良かったのだが、ホールでは和やかな食事会が行われている真っ最中、声は荒げないに越した事はない。

 「知ってると思うけど、21日から工事やから」

 今!?

 知ってるとは思うけど。ってなんだよ!知らなきゃ今日ここにいねーわアホォ!

 「詳しい今後の予定を教えてください」

 工事がいつまでなのか、シフトはどうなるのか、そう言う事を聞こうと思ったのだが、店長はいきなり確信的な事を告げた。

 こんな大事な事をこんなギリギリになって発表すると言ういい加減さに、店長の眼鏡を油に塗れた指で触りたくってやろうか!と思った程だ。

 しかし、これでハッキリした。スパンとケジメはついたのだ。

 明日から無職!

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