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自宅警備兵  作者: SIN


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31/50

LEVEL-13

 厨房のオッサンが、夕方にのみ居酒屋メニューを始めると提案し、ビールとチューハイ、焼酎しか取り扱っていなかった店に新しくワインやウイスキーが加わった。

 夕方からは高校生バイトのみだという理由で、俺は平日は夕方から、土日と祝日は昼間からという時間帯で働く事となった。

 これまでにも夕方に入った事もあったし、特に問題もなく戦えている訳だが、高校生バイトを取り巻いている問題点が見えた。

 俺が知っているバイトは、土日には昼間に入る高校生バイトだけ。しかし他にもバイトが存在していた。その名も社会人バイト。

 昼間は社会人として会社に行き、夜に副業としてバイトに入ると言うとんでもないスタミナの持ち主が2人。

 俺とは同年代であるその2人は1日交代でどちらかが必ずバイトに来ているのだが、厨房のオッサンに物凄い気に入られている。

 昼間に入っている高校生バイトは、当然定食のセットは完璧に覚えているし、掃除等の細かい事を知っている。しかし、夕方に来る社会人バイトの2人はセットを間違うわ、客に茶も出さないわ…斬新な接客態度なのだ。

 本来なら全力で注意すべき事だと言うのに、オッサンは特に何も注意せず、2人に対して「ちゃん」付けで呼び、デレデレとしているだけ。

 セット違いますよとバイトが言った所で無視されるらしい。

 7時頃にやってきた社会人バイトは、厨房の中に入るとオッサンと無駄話を始め、客が来ると高校生バイトが注文を取りに行きオーダーを通す。オッサンは喋りながら調理し、社会人バイトが喋りながら間違ったセットをする。高校生バイトはその間違ったセットをコソコソと正してから持っていく。

 どこからどう注意すれば良いと言うのだ!?

 今、この店にいる人間の中で1番長くここを守っているのは俺だ。全員が後輩なのだからこの間違った雰囲気は俺の責任!

 正すのは間違ったセットに在らず!

 「私語は慎んで下さい」

 調理している最中に喋る事が衛生上良くないと気が付かない事が不思議でしょうがない。本当に食品衛生責任者の資格を持っているのか疑いたくなる。

 急に黙ってこっちを睨むでもなく、だからと言って自分の行動を悔いている訳でもなさそうな無表情で見て来る2人。一呼吸置いてからオッサンはガス台の掃除を始め、社会人バイトは厨房から出ると暇そうに髪の毛を弄り始めた。

 言いたい事が増えてしまったではないか!

 ガス台の掃除は朝の開店前と昼の混雑が終わった後、そして閉店した後だ。こんないつ客が入ってきても可笑しくない時間帯に掃除をするとは何事だ?喋っていないと暇なのか?暇なら少しは料理の腕でも磨いたらどうなんだ!そして社会人バイトよ、ここは飲食店だぞ?髪の毛が弄りたいなら帰ってからにしろ!

 9時になると高校生バイトが帰り、ホールには酒の入ったお客さんで賑わう。そんな中、厨房でも社会人バイトとオッサンの会話がはずんでいる。どうやら注意を受けてもその効果は数時間しかもたないらしい。

 「生中1つ追加ー」

 ホールから聞こえる声に伝票を持ってテーブルに向かうと、社会人バイトが生中を手に出てきて、

 「はーい」

 と声をかけ、オーダーした本人は手を上げて存在を示し、社会人バイトから生中を受け取った。

 社会人バイトは俺の手から伝票を取り上げ、生中の所に正の字を1本書き足してから厨房に戻って行った。

 厨房の中で喋っているにも拘らず、ホールの声を認識しオーダーを聞き取っているとは…社会人バイトは、聖徳太子で決まりだ。2人いるから、1号と2号で。


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