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計画の始まり

私は小さいころから朱刀のことが好きだった。初めて会ったときはそんな気持ちはまったくなかったが、いつのころか心のどこかで彼(朱刀)のことが好きになったみたいだ。この気持ちを直接ぶつけても答えはNOと返してくると思った。女のカンだが、意外によく当たる。だから、この気持ちを誰にも打ち明けないまま心の中にしまうつもりだった。だが、この気持ちが外に出るのは意外に早かった。


「海香は好きな人いる?」


中学に入学した時、私と志乃舞の二人で私の家で談笑してた時にこんな質問をしてきた。


「わ、私?好きな人なんていないよ」


本当は志乃舞に教えてもよかったと思う。幼馴染であったし、言いふらすような人でもないと思ったが、何故か好きな人を言うのが恥ずかしかったか、とっさにいない宣言してしまった。


「そっか、なら私が朱刀をもらうから」


「えっ、志乃舞、朱刀のこと好きなの?」


「うん。そうだよ。朱刀をいつも見てると何故か心がドキドキするんだよ。初めての感覚。これが恋ってことに気付くのに時間がかかったけど」


そう言って志乃舞は小さな胸に手を当てて、まるで恋する乙女の顔になっていた。


私は衝撃を隠せなかった。まさか志乃舞が朱刀のことが好きだったなんて。しかも堂々と私に言ってくるとは思ってもいなかった。


「好きな人も言うのは海香だけだから。こんな気持ち他の人には言えないよ。とくに朱刀には。だけど、いつかは言わないといけない。それまでは自分を磨いて、自分に自信がついたその時に朱刀に告白する」


私は志乃舞の話を聞いてなかった。いや、聞きたくなかった。私の好きな人(朱刀)が奪われる。それだけが頭の中で回っていた。それは嫌だ。私には朱刀しかいない。他の男なんてOUT OF 眼中なんだから。


「だ…ダメ…ダメだよ志乃舞。朱刀は私がもらうから」


口に出てしまった。しかし、朱刀が奪われる恐怖に立ち向かうなら私の本心を洗いざらい出すしかない。


「えっ、海香。さっき、好きな人なんていないって言ってじゃないか」


「違う。私も朱刀のことが好きなの。昔から好きだったの」


ここまで来たからには志乃舞に取られるぐらいなら私が取らないといけない。朱刀のすべては私がもらう。志乃舞とは恋のライバルになってしまうのは仕方のないことと思っていた。


しかし、志乃舞は私の発言を聞いてからニヤニヤとニヤケ顔で私を見ていた。


「やっと本音が出たね海香。初めから何か隠してるなぁ~と思ったからカマかけてみたけど、見事にドンピシャするとは」


「なっ、じゃあ、今まで騙していたってこと?志乃舞は朱刀のこと、好きじゃないの?」


「いや、好きだよ」


あっさりと肯定してきた。カマかけてきたなら大体嘘を言っていると思った。私は何が何だか分からなくなった。そんなとき志乃舞が摩訶不思議、常識はずれな提案をしてきた。


「二人で朱刀を夫にしないか?」


こんな提案意味が分からなかった。二人で朱刀を夫にする?この世は一夫一妻が基本とされている。それが、1人の男と二人の女の生活など考えられない。


「そんなことできるわけがない」


正直無理な話と思った。


「だけど、これができるんだなぁ~。私たちの内1人を犠牲にしないといけないけど」


「その話詳しく聞かせて」


私はその話にわずかながら興味を持った。もし、そんなことが可能なら、三人で暮らすことができる。


「おぉ、興味持ったんだね。海香と私なら必ず成功できるよ。内容は………………」


内容を聞いていたが難しい専門用語に理解するのに時間がかかったが、要約するとこうなる。


1、ある者は病気か、持病を持っている人物

2、ある者は不慮の事故によって、5体の内一つでも欠けている人物

3、上記の人物を支える健全な人物


この3つが成立すれば、3人でも世間から批判されることのなく、暮らすことができる。


「なるほど。それなら私は条件に当てはまっているね」


私は生まれながらの持病持ちで医者からの軽く見放されている。


「海香が条件に当てはまっているから大丈夫として、問題は2番だね」


問題は2番。手足の負傷により日常生活に支障が出ること。朱刀か志乃舞のどちらかがならないと成立しない。二人でない知恵を絞って考えた結果が……


「「朱刀には悪いが犠牲になってもらおう」」


二人の考えが見事にぴったりとハモり、計画が実行された。


その頃、朱刀は風邪をひいたのかと思うほどのくしゃみを連発し、昴にからかわれた。




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