すべては朱刀のために
「愛してる」この言葉が何を意味するか。言葉だけならいくらでも使っても減ることはない。その場しのぎで使っているだけかもしれない。だが、言ってる本人は俺のよく知っている人物であり、その表情やしぐさを見る限り、嘘はついてない。いや、嘘をつくときに必ずやる左手で耳たぶを触るという行為を全くしてない。志乃舞は幼いころから、嘘をつくとき必ずこの動作をやっていた。最初は癖かと思った。だが、小学生の時に俺と志乃舞が授業中に学校を抜け出して遊んだ日。俺たちがいないことに気づいた先生を目を血眼になって俺たちを探した。俺たちは案外近くの広場で遊んでいたところを発見され、先生による1時間の説教が開始された。内容としては、誰が学校を抜け出そうと言ったかで、志乃舞はずっと俺を指差し、すべての罪を俺になすりつけてきた。本当は志乃舞が最初に言い出したことだが、何故か俺が犯人のようにされ、先生も俺が悪いかのように納得顔で頷いていた。その時、左手で耳たぶを触るという行為を志乃舞はやっていた。俺はここで確信した。
「俺を……愛してる…?」
「そうだよ、私はあなたを愛してる。これは私の本心」
涙をぬぐって俺の方を向く。その目は今までの志乃舞からは考えられないほどの真剣な眼をしていた。
「なら、どうしてあの日俺の告白を無にしたんだ」
本当に愛してるならあの日の告白を受け入れていただろう。しかし、志乃舞は拒否した。そう、俺はあの日に振られたのだ。
「朱刀、覚えていない?私が最後に言った言葉?」
最後の言った言葉?確か、夢の中にも出てきたが、あの言葉が何を指しているかわからなかった。
「あんまり覚えていないが、俺の願いを叶えさせる?みたいなことを言っていたような気がするが、あれと愛してるがどう関係するの?」
「覚えていたんだね。朱刀の願い。それは私と付き合うこと。だけど、私は朱刀を付き合うことなんてできなかった。恋人の関係なんて私は嫌だった。だって、いつか朱刀が私の前から消えるのでないかと思ったから。だから、恋人ではなく、結婚できる年齢まで待ってほしかった。そしたら、私から告白をするつもりだった。それからは一気に結婚まで行って、幸せな生活を送りたかった。それほど朱刀を愛していた。だから、恋人関係になりたくなかった」
「いや、普通は恋人から始まるからなぁ~。それに俺は志乃舞の捨てる気なんて始めからない。これだけは言える」
俺も正直に言った。もし、あの時受け入れてくれたら、たとえ遠くにいても志乃舞のことを考えていただろう。一生手放すこともなかっただろう。それほど、俺は志乃舞のことが好きだった。
「けど、私は…私は…いつか朱刀に捨てられるかと思うと、それだけを考えるだけで私の中の何かが壊れそうな気がする」
「だから、あんなことをしたのか」
たったこれだけのことで俺を死に追い詰めたというのか。昔から志乃舞の性格は分かっていたがここまでやるとは思わなかった。
「違う。私は朱刀ではなく、隣で歩いていた女を狙って盗んだ車で突っ込んだだけであって、朱刀に近づくなって、警告しようとしただけなの。そしたら、まさか朱刀と歩いている女がまさか海香だったなんて今まで知らなかった。本当なの。信じて」
今の話を聞いているとき、志乃舞のしぐさをずっと見ていたがどうやら、言葉のどこかで嘘を言っているようだ。だけど、嘘を言っているところを特定するのは難しい。なので、1つ志乃舞に問いかけた。
「おまえはそれだけ俺を愛していたというのか」
「そうだよ。だけど、朱刀を愛していたのは私だけではない。私と海香、私たち2人で朱刀を私たちのものにしようと計画していたの。けど、1人イレギュラーな人物が出てきたけど」
は?何言ってんだ。いくらなんでもそれは嘘だろと思った。海香が自分を犠牲にしてまであんなことをするはずがない。だが、妙なところが1つだけある。それは海香は外に出るのを極端に嫌っていたこと。普段俺が外に連れ出そうとしても、嫌の一点張りで外にでなかった。しかし、事故当時は海香は自分から外に出たいといった。俺はそれに感激して外に連れ出した。まさか、ここから計画が発動していたとは考えられない。
「そんなのデタラメだ。本当なら証拠を出せ」
こんな話信じるわけにはいかない。いや、信じることができない。こんなことがあるわけがない。俺と海香があんな目に遭って、計画とかあってはいけない
「そういってもねぇ海香」
「そうだね、志乃舞。私たちは朱刀を手に入れるためにこんなことをしたんだよ」
どこからともなく現れてきた海香体が弱いの関係なく健康そうな体で普通に立っていた
「えっ、み…海香……なんで…こんなところに?」
「こんなところにってねぇ志乃舞。私たちがここにいるのは」
「「すべては朱刀を手に入れるために」」
予定では完結させる予定だったが、ある意味こんな展開もおもしろそうなのでもうすこし延長します




