病弱の幼馴染
俺は毎日、幼馴染の家に行く。
彼女は、生まれつき病弱のため、学校に行けず、家で療養していた。
俺は毎日、彼女の家に行き、学校での出来事や世間話などをして、一日を過ごした。
毎日が楽しかった。彼女の顔を見るだけで、疲れが一気に飛んでいく。
そんな日々が毎日続いたらと思っていた。そんなある日、悲劇がおこる。
「今日はとても気分がいい」
「そうか、それならすぐに元気になるな!」
今日の彼女は顔色が良く、いつもよりたくさん話がした。
「一度でいいから外にでたいなぁ〜」
「だ……だめだよ、いくら調子がいいからって外はやめたがいい」
俺は必死に止めた。いくら調子が良くても、外に出るのは危ないと思う。
しかし、海香はどうしても外に出ると俺に懇願してくる。
それから、海香はずっと頬を膨らせて、俺をじっと見ていた。
「わ…わかったよ。おばさんに言ってくるから」
俺はおばさんに言って、彼女と外に行く許可を求めた。
「おばさん。海香を外に行かせてもいいですか?」
おばさんは一瞬戸惑った顔をしたがすぐに真剣な顔になって、俺に言ってきた。
「そう、なら外に出てもいいけど、あまり遠くに行ったらダメだからね」
OKの許可が出たのですぐに彼女を連れて、外に出た。
「わぁ、太陽が眩しい。いままで家の中にいたから、こんなに眩しいとは思わなかった」
「海香は外に出るの初めてだからしょうがないよ」
俺は、海香の手を握って、ゆっくりと、景色を見ながら、近くの公園に向かった。
公園には、誰もいなかった。俺と海香はブランコに座った。
「ちょっと歩いただけで、足が痛くなってきちゃった」
「仕方ないよ。海香はずっとベットの上で寝ているから」
「そうだねぇ、君にはずっと迷惑かけてきたからなぁ」
「いいよ、気にするな。俺は君の側にいるだけでうれしいから」
海香の顔が赤くなったような気がしたが、辺りがだんだん暗くなってきて確認できなかった。
「そろそろ戻ろうか。おばさんも心配するし」
「うん。そうだね」
俺は、海香の手を握り、公園を出る。
この帰り道に予想をしない事態になろうとは、まだ誰も知らない……
更新をなるべく早くするつもりです。