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宝くじで10億当たった俺、異世界で全部溶かした結果

作者: 早川十勝
掲載日:2026/04/05

「よっしゃあああ!」

 俺は叫んだ、会社のオフィスのど真ん中で

 だって、宝くじ一等が当たったもんな。

 10億だぜ、これだけあったら一生遊んで暮らせる。

 よし、これで人生勝ち組だぜ!何やっても無敵だ!

 

「ど、どうしたのかね鈴木君」

 部長が話しかけてきやがった。


 俺はこいつのことが嫌いだった。いや、俺の上に立つ奴全員嫌いだ。


 みんな下の俺に仕事押し付けやがって、しかも手柄は奪うんだからな。


 俺が無能みたいじゃねえか。なにが会社のお荷物だよ、お荷物はお前だっつーの。


 とんだブラック企業に入社しちまったもんだから、定時なんてねぇ、毎日二時まで仕事だ!

 もう五日も寝れてねぇんだ。


 だが、それも今日で終わりだ


「部長!今までお世話になりました!会社は今日で辞めさせていただきます!」


 部長は口開けて固まりやがった

「鈴木君、君が辞めれるとでも思っているのか?君のような無能がここ辞めてまた就職できるとでも思ってるのか!」



「はい、もう就職しません!宝くじ当たったんで」

 そう言った瞬間だった、目の前が真っ黒になった


 ……


 気づいたら、謎の空間に飛ばされてた。

「はぁ?ここどこだよ!」

 俺は光る魔法陣の上に立ってた。


 周りには、変な格好の人がいっぱい。


「国王様、異世界の勇者の召喚に成功しました!」


「こ、これが異世界の勇者か」


 ふざけんな、ここどこだよ……いや、待て

 こんなのみたことあるぞ。

 ヨーロッパみたいな、でっかい城。その中に、いかにもって感じの王様。


 てか、あれだド◯クエだ、子供の頃やったド◯クエの城ってこんなんだった。

 ドット絵じゃなくて、現実だと圧巻だな。


 ……待て、そういえば俺宝くじ当たったんじゃん。宝くじの交換期限って確か一年だったよな、じゃあまだ焦らなくていいか。


 ただ、戻り方を聞きださねぇと

「あの、ここは……」


「勇者殿、今、世界に魔王が誕生し、魔王軍に人類が苦しめられております!どうか魔王を討伐していただけないだろうか、成功した暁には、女も宝も好きなだけ与えよう」

 国王が立膝ついてなんか言ってる。宝なんてどうでもいいんだよ、もうすぐ手に入るところだったんだよ。



「それより、どうやったら戻れるんだよ!」


「伝承によると、魔王討伐に成功したら戻る選択もできるようだ」


「それって時間とか元通りなのか?」


「時間?ああ、そういえば勇者殿が元居た世界は、我々の世界より時間の流れが365倍遅かった。おかげで調整には苦労したものだよ」

 ん?今なんていった?365倍だと!?じゃあ一日で魔王倒さねぇといけねぇじゃねぇか!


「おい、俺に装備をよこせ今すぐだ!」


「い、いえ、そのようなものは、伝承だと勇者は【スキル】で戦うはずなのですが」

 王の部下みたいな女がそう言いやがった。


「よし、勇者殿のスキル鑑定をしよう!」

 国王が水晶玉を持ってきた。


「これに手を当ててください!」


「はい…」

 俺が触ると、水晶玉に文字が浮かんできた


【ランクS・宝くじ】

 もしかしたら、俺この世界では最強なのか?やったぜ!


「ランクSだと?Aが最高なのにB、Cと来て……Sだと!アルファベットの19番目だ!この無能勇者め!出ていけ!」


「そんなスキルで勝てるはずありません、出ていってください」


 ……


 で、俺は追い出されたってわけ。ふざけんな、ランクSが雑魚なわけねぇだろ


 お、てかあれが魔王城か、空に浮いてるけど余裕で攻めれそうじゃね?



「ん?なんじゃありゃ」

 なんか、空から人間が飛んできた


「我は魔王軍四天王、魔王の息子のエラス様だ!我に魔力で勝てるものはいない!」

 翼が生えた人間、ていうか蝙蝠みたいな格好だな。この吸血鬼野郎まずはぶっ殺すか。


「は?誰だよお前?しらねぇしどけよ!」



「そうか、我を愚弄するのか、ならば死ね!ファイアーメテオストライク!」

 びっくりした、いきなり火の玉が降ってきやがった。魔法かなんかかな。



「でも大丈夫、俺には宝くじがある!」

 ポケットから宝くじを出してみたら虹色に光ってた。

 ん?なんだ1億円?

 火の玉にうっすら1億円の文字が浮かんでた。よし、10億あるし1億ぐらいいいよな!



「は?どういうことだ!我のメテオストライクは一体どこへ!」



「お前の火の玉なら、俺が買収したぜ!」


「は?」


「だから、1億で買収したんだよ!残念だが。お前さっき魔力自慢してたけど、世の中金が正義なんだよ!まだ9億あるぜ俺は!」


「な、ならば!貴様の命を直接いただこう!」

 吸血鬼野郎が剣を出した。

 で、思いっきり突っ込んできた。


 でも、俺は宝くじを信じて動かないことにした。人生初めての舐めプだ。


 するとどうだ、目の前にルーレットが見えた!

 なんだこれ?0から10まで数字が書かれてる。

 なんか頭の中に説明書みたいな文章が流れ込んできた。

【ルーレットは何が起こるかわからない無料で回せるオプションです、ただルーレットの結果によっては損をすることもあります】だってよ。ん?承諾するかどうか書いてある、もちろん承諾!

 損?ラッキーな俺が損するわけねぇだろ!


 とりあえず、回れと念じたらルーレットが回った

 数字の7が出た。7ってラッキーセブンってことだよな。


 で、予想どうり、あいつは俺の目の前で転びやがった。

 落ちてたバナナの皮でつまづいてた。


「な、なぜだ!」


「やっぱ予想通りだな、宝くじ持ってるだけで運が良くなるみたいだぜ!じゃ、俺の1億円の無駄遣いを味わえよ!」

 さっき1億で買収した火の玉を放つ。

 威力はすごかった。あいつが一瞬で蒸発するぐらいには。


「よし、次は魔王だな、あそこに浮かんでる魔王城にいるんだろ、じゃあ自家用ジェットしかねぇよな!」

 俺は3億でプライベートジェットを購入した。


 飛行機欲しいと思ったら、目の前に無くても、頭の中に値段付きのカタログが浮かぶんだよな、やっぱすげぇなこの能力。


 てか、めっちゃ金溶かしちゃった。無駄遣いってほんと気持ちいいな!わざわざ1億で買収しなくてもよかった気しかしないけどいいや。

10億が無くなるわけねぇだろ!


 てか、飛行機操縦できるかな?まぁゲームで操縦したことあるし、行けるだろ。


 ……


 で、行った結果、飛べたは飛べた。

 離陸できただけでも天才だと思う、

 ただ着陸ってどうすんだよ!


 今、目の前に魔王城がある。

「よし、もういいや!」

 俺は魔王城に正面から突っ込んだ!


 機首が魔王城の壁を貫通して、ようやく止まる。


 まぁ、俺は宝くじのラッキーパワーで無傷だけどな。てか、簡単に魔王の部屋みたいなところに入れてよかった。



「な、なんだお前は!その機械のような物で、この魔王城に侵入できたことだけは褒めてやろう、だが私を怒らせた罪は重いぞ!」

 やっべ、魔王キレちゃってるよ。


「うるせぇな!俺はお前倒さねぇと帰れないんだぜ!もう夕方だし時間もねぇ」


「私を倒すだと?笑わせてくれるな!死ね!エターナルダークブレイド!」

 すげぇ、上から黒くてでかい剣が降ってきたよ。

 まぁ、普通に5億で買収しちゃったけど。

 てか、あと俺いくらぐらい残ってんだ?まぁどうでもいっか。

 

「な、私の剣を、飲み込んだだと!?」


「飲み込んだんじゃねぇ、買ったんだよ!」

 俺は買収したんだ剣を、魔王の上から降らせてやった。真上から当たったから魔王の兜とか割れちゃってるよ。


「これほどまでに強いとは……だが、私がここで負けるわけにはいかない!」


「うるせぇな!お前も息子と一緒に天国行きだ!」

 俺はまた目の前に現れたルーレットを回す

 今度は何が出るかな?

 おっと、4だ!4?ちょっと縁起悪くないか?

 おいおいおい、俺の1億円勝手に使われたよ!

 で、1億円全部金貨に変えられちゃった。


 まぁ、いいや!魔王の頭上にコインシャワー!

 てか金貨何枚あるんだこれ、多過ぎて魔王圧死するぞ!


「こんなこと、ふざける……な」

 魔王の頭潰れて、なんか消滅しちゃった。


 てかもう1億円も無駄遣いしちゃった!


 うん?何これ?また目の前に文字が浮かぶ。

【4が出た場合、使った金額に5000万円が上乗せされます】

 は?誰が払うかよ、俺は1億しか払わねぇから。

 多分払わなくても現実帰ったら関係ないし、あ、でも1億はくれるんだよな。多分。

 てか後どれぐらい残ってんだろ、大体1億はあるよな。


「あれ?なんだこれ?」

 魔王が立ってた場所に赤い宝石が落ちてた。

 それに触った瞬間、俺はテレポートした。



 ……


 気づいたら、また最初の城に戻ってきた。


「なんだ無能勇者!お前はもう追放したはずだ!」


「や、あの、魔王倒したんだけど」


「魔王を1日で……倒しただと!?」


「ほら、この宝石!」

 俺はさっきの宝石を見せてやった



「こ、これは王家の石ではないか!?本当に魔王を倒したのか!無能などと言ってすまなかった!礼を言おう!そして女も金も好きなだけ与えてやろう」


「礼とかいらないんで、帰らせろ!」

 ほんと、女も金も間に合ってるっての。


「褒美はいらんのか?この王家の石だって君の元の世界で言う100万円程度のものだぞ」


「100万円?こっちはまだ1億あるし、100万とかいらねぇって!俺は金には困らねぇ!てかここで100万受け取ったら逆にダセェって!」


「では、もうよい、勇者よ!帰還せよ!」


 ん?ちょっと待て今って夜じゃね?待て24時間経ってね?あ、いいや俺には金がある!金さへあればどうにかできるっしょ!

 ……


 気づいたら、元の世界に戻ってた

「うわぁ、めっちゃ時間経ってる」

 カレンダーはどこも6月になってる、行った時、たしか5月とかだっけ。11ヶ月ぐらい経ったのか。

 あれ?違うな、俺引き算とかマジで苦手なんだよな〜


 ん?宝くじはどこだ!?

 ポケットを漁っても出てこない!あと少なくとも5000万残ってるはずなのに……

 てか現実ではまだ換金すらしてないし10億使えるのか……


 ん、ちょっと待て。


 俺まず、1億で火の玉買って、3億で飛行機買って、5億の剣買って、1億の金貨買ったな。


 10-1-3-5-1?ん?後どれぐらいあるんだ?まぁ残ってはいるだろうし、いっか。


 待て、まずい、宝くじがない!どっかで落としたのか!は?ふざけんなよ!

 

 終わった、俺は叫んだ、街のど真ん中で叫んだ。叫んでも金は返ってこなかった。

 

 

「こんなはずじゃ……俺は無能じゃねぇんだよ!もう一度異世界に行かせてくれぇええ!」


 その時、頭の中に声が聞こえてきた

【当選金を超過した分の10億5000万円をあなたの銀行口座に請求いたします】


「は?ちょっと待て、10億5000万ってなんだよ!」


「あとちょっと待て!もう一回異世界に行かせてくれ!チャンスをくれ!就職できねぇんだ」


【そんなに異世界に行きたいなら連れて行ってあげましょう】


 ……

 目を覚ますと、そこは監獄だった

「は?どこだよここ!」


「囚人はここで待機しとけ!もうすぐ労働だ!」

 看守らしき人が怒鳴る


「働くって何するんだよ!」


「ああ、囚人は何もしなくてもいい、別世界の人間の臓器は高く売れるからな!」


「は?なんの話っすか?」


「囚人は何も知らなくていい」


「てか、いくら払ったらここから出られるんだよ!」

短編は書いてて楽しいですね。

よかったら評価や、感想、ブクマもお願いします。

あと現在連載中の『【完全反射バリア】の最強少女〜攻撃されたら勝利確定〜』もよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
 ブラックだなぁ……。実に世知辛い。(苦笑)
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