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第二話 共闘

「先生?」

「ここの近くで、寺子屋を営んでいて、人間と妖怪の共存に努めている人がいるの。」

霊夢が指している人物は上白沢慧音。寺子屋の教師でありながら、人間と妖怪の共存に努めている人物だ。

「寺子屋?」

「ええ。」

「なんのために?」

「歴史よ。」

「歴史?なんでまた?」

「それはね、先生なら今回の異変のこと、なにかしら知っているんじゃないかと思ってね。オルフェノクについても知りたいし。」 「そういうことか。」

さっき俺が戦ったオルフェノクの出どころが分かれば対策もしやすい。そう思い、俺はバイクで霊夢とともに寺子屋に向かった。 寺子屋は里の少し端の方にあった。俺と霊夢は寺子屋の玄関の前に立つ。 すると、中から慧音が出てきた。 慧音は少し驚いた表情をしていた。 それもそうだろう、いきなり人間が2人も来たのだから。 しかし、慧音はすぐに落ち着きを取り戻した。そして、俺達に話しかけた。

「こんにちは。霊夢、なんの用だ?君は? 」

「少し聞きたいことがあって。こっちは外来人のシグマだわ。」

「よろしくな、先生さん。俺は外来人でこの世界に連れてこられた仮面ライダーだ。」

「シグマか……」

「え?なんか言ったか?」

「いや、なんでもない。連れてこられたということは、今回のオルフェノク異変の解決策となる存在だろ?」

「ああ、まあ、そんなところだ。」

「そうか。なら、中に入ってくれ。」

慧音は俺達を中に案内した。そして俺達は寺子屋の中に入る。 中にはたくさんの子供達がいた。

「先生ー!その人達誰?」

と、一人の少女が慧音に話しかけてきた。

「ああ、この人は外来人のシグマだ。霊夢の友達らしいぞ?」

と、慧音が少女に言う。すると、少女は俺の方に近づいてきた。

「霊夢の友達って言っても、最強のあたいに勝てるわけないんだから!」

「……霊夢、こいつ誰だ?」

霊夢は答える。

「チルノよ。自分では最強とか言ってるけど実際は全然強くないから無視していいわ。」

「なんだとー!あたいは最強なんだ!」

チルノは霊夢に向かって飛びかかる。 しかし、慧音はチルノを叱る。 「こら!人に飛びかかったらダメだろ!」

「だってこいつが……」

と、チルノが言いかけたところで慧音が言う。

「でもな、霊夢はお前より強いぞ?」

「え?」

「ああ、霊夢はかなり強いぜ?俺なんかじゃ勝てないくらいにな。」 と、俺はいう。

「え?」

霊夢は少しきょとんとした。なぜかって、俺は霊夢が一体で少し苦戦したらしいオルフェノクを三体一気に倒したからだ。

「そういえば、寺子屋も懐かしいわね。」

と、霊夢は言う。俺はその霊夢の言葉に疑問を抱いていた。

「懐かしい?どういうことだ?」

「私はね、ここの生徒だったの。」

「え?そうなのか!?」

俺は驚いた表情を見せる。そして慧音は言う。

「ああ、そうだ。霊夢はな、この寺子屋で学んでいたんだ。まあ、魔理沙も生徒として通ってたけどな。」

「そうだったのか。じゃあ本題に入ろう。」

俺がそう言うと、慧音が奥の部屋に案内する。

「なんで奥に行くんだ?」

「ここの生徒の中にはオルフェノクに家族を奪われ、その名前さえもトラウマになっているやつもいるぐらいだからな。」

「なるほどな。」

慧音についていき、奥の部屋に入る。そこには、一人の少女がいた。青色の巫女服を着ていて、緑色の髪だった。その少女は俺達に気づくとこちらを向いた。 その少女は霊夢や魔理沙より少し年上に見えたが、どこか幼さが残っていた。そして、俺はその少女に見覚えがあった。 「あ!」

「ん?どうした?」

「いや……あんた……」

俺は少女に言う。

「あんた……まさか……」

「え?あ!あなたはあの模型屋の!」

霊夢は何が起こっていたのかわからなかったようだ。

「え?どうしたの?その人がどうかしたの?」

と、俺に聞いてくる。しかし、俺はその問いに答えることはできなかった。なぜなら……

「お前……早苗か……?」

「……はい……」

少女は答えた。少女は俺の模型屋の常連客だった早苗だったのだから。霊夢は突然の出来事に驚いていた。慧音も少し困惑しているようだった。俺は慧音に言う。

「なあ、先生さんよ。」

「どうした?」

「こいつは……早苗はなんでここに呼び出されていたんだ?」

慧音は答える。

「早苗はこのオルフェノク異変にいち早く気づいたからだ。それに、元外の世界の人どうし、話が通じるところがあると思ってな。」

俺はその慧音の言葉に対し、答える。

「『元外の世界の人どうし』どころか、早苗は俺の模型屋に毎日来ていた。ある日、幻想郷っていうとこに引っ越すと言い出し、それっきり会えなくなった。本当に幻想郷に来ていたとは……」

早苗は少し下を向きながら答えた。

「私は外の世界で幻想郷の存在を知って、ここに来ました。そして、この幻想郷で巫女として生活しながらオルフェノクと戦っていました。しかし……オルフェノクはある特別な力がないと倒せないと……」

俺は慧音に言う。

「その特別な力ってなんだ?」

「ああ、それはな……」

慧音は話し始めた。

「オルフェノクを倒すには主に二通りの方法がある。1つ目はオルフェノク自身が戦うこと。もう一つの力は………仮面ライダーだ。」 「は?」

「え?」

俺と霊夢は驚いた。慧音は続ける。

「仮面ライダーに変身して、オルフェノクを倒すことができるんだ。」 俺は聞く。

「じゃあ、早苗も……」

「いや、それは違う。オルフェノクを痛めつけることはできるが、完全には倒せない。シグマ、あなたは特別な力を持っているから仮面ライダーに変身できるのだ。」

と、慧音は言ったが、俺にはまだわからなかった。すると、霊夢が言う。

「その……特別な力ってなんなのよ?それがないと倒せないの?」

慧音は答える。

「ああ、その特別な力はな……」

すると、霊夢が俺に言う。

「あ!シグマあんたまさか……!」

「……ああ……どうやら俺のようだな……」

俺は自分のトランクに手を当てる。そして、慧音が言う。

「そう、オルフェノクを灰化させるる力だ!」

と、慧音は言った。早苗は少し驚いた表情をしていた。しかし、すぐに落ち着きを取り戻したようだった。そして、慧音は続ける。

「シグマは外の世界でその特別な力をどこかで手に入れたのだろう。」 俺はベルトが入ったトランクを手にし、言った。

「このベルトはな、俺が作ったんだ。誰かを守れる力がほしいと思い、自分の力で作り上げたんだ。」

「なるほどな。で、そのベルトは一体なんなんだ?」

霊夢が答える。

「オルフェノクの力が注入されたものよ。」

早苗は驚く。

「なんですって!?」

「ああ。このトランクの中にこいつが入っていてな……」

俺はトランクを開け、中からベルトを取り出す。そして、慧音に言う。 「こいつは俺の中にある力を解放させることができるんだ。そして、こいつがもう一つの役目があるとすれば……オルフェノクを倒すことだ。」

と、言った。 慧音はベルトについて説明した。

「そのベルトの他にもベルトは五本あってな。五本とも今はどこにあるのかわからないが。汎用性と安定性のファイズギア、高出力のパワーのカイザギア、出力を優先したデルタギア、天のベルトのサイガギア、地のベルトのオーガギアだ。」

「へえ」 と、早苗は感心していた。そして慧音が言う。

「まあ、詳しいことはまた今度話そう。」

「ああ、助かる。」

霊夢は慧音に言う。

「あんた……よく戦ったわね!」

俺は答える。

「ああ、まあな。でも、なんでオルフェノクはこんな異変を起こしたんだ?」

すると、慧音が答えたが、その答えは意外なものだった。 「それはわからないな……」

そんな時、外から大きな爆発音が聞こえた!俺達は外に出る。すると、そこには……

「グゥオオオオオオオオ!」

そこにいたのはオルフェノクたちだった!そう、俺が倒したあの怪物だ! しかし、今度はたった2体だ。 慧音が言う。

「なんだ!?あれは!?」

霊夢が答える。

「あれもオルフェノクだわ。」

俺は言う。

「いや、こいつは……」

早苗は俺に言う。

「さっそく戦ってみてくださいよ!」

「わかった。」

そう言い、俺がシグマギアを取り出そうとしたその時だった。

「シグマ、下がっていて。」

霊夢が止めた。

「おい、霊夢。俺じゃないとオルフェノクは完全に倒せないんじゃないか?」

俺が言うのも無視し、霊夢は赤いガラケーを取り出す。そして入力する。

『5821』

『Auto Vajin Come Closer』

その音声が鳴り、バイクが霊夢の元に駆けつける。バイクからトランクを取り出し、中からベルトや、腕時計、懐中電灯を組み立ててベルトを完成させる。そしてそのベルトを巻き、携帯を開く。そして、携帯に『5』『5』『5』『Enter』を入力し、右手で携帯を空高く掲げ、叫ぶ。

「変身!」

『Complete』

すると、霊夢は光に包まれ変身する。その姿はまさにファイズそのものだった。そして早苗が言う。

「あれが仮面ライダーファイズ!?」

慧音は言う。

「あれが……ファイズ……」

俺は驚いた。まさか、本当に変身できるとは……と、その時!オルフェノクが霊夢に向かって突進してきた!しかし、霊夢は動じず、ベルトに付いているカメラ型の武器を取り外してメモリを取り外し、カメラに差し込む。

「Ready」

右手に持ち、オルフェノクに殴りかかる。

「はぁっ!」

「グオッ!」

オルフェノクが後退する。ファイズポインターにメモリを差し込む。そして霊夢は携帯のボタンを押す。

「Exceed Charge」

すると、右足が赤く光る!オルフェノクの眼の前に円錐が出現する。ファイズはオルフェノクに向かって走り出し、飛び蹴りをかます!

「やあっ!」と、言い放ちながら。その攻撃は見事に決まり、オルフェノクは灰化する。しかし、まだ一体残っている!俺はベルトを巻き、携帯を開く『493』

『Standing by』

左手に持ち替え、叫んだ。

「変身!!」

『Complete』

そして俺の体は光に包まれ、バイクをアーマーとし、仮面ライダーシグマに変身した。

「シグマ!」

霊夢が叫ぶ。俺は霊夢に言う。

「こいつは俺がやる!お前は人間たちを守れ!」

「わかったわ!」

そう言い、霊夢はオルフェノクに向かって行った。そして俺は……

「グゥオオ!!」

オルフェノクは俺に飛びかかってくる!しかし、俺はその攻撃をかわして、カウンターを決める。

「はっ!」と、言いながらパンチを繰り出した。すると、オルフェノクは後退する。

腰に2つかけたシグマツインスラッシャーを取り、ミッションメモリーを挿入する。

「Ready」

俺は携帯を開き、『Enter』のボタンを押す。

「Exceed Charge」

音声がなり、下手持ちした二本の剣にフォトンブラッドが集まる!そして、オルフェノクに斬撃を放つ!

「はっ!」

「グオオオ!!」

そしてオルフェノクに明るい緑色で、『∑』の文様が出現し灰化した。そうして今回も現れたすべてのオルフェノクを討伐した。すると、霊夢が走ってきて言う。

「シグマ!大丈夫だった?」

俺は答える。

「ああ、大丈夫だ。それより生徒たちは大丈夫だったか?」

俺が聞くと、霊夢は言う。

「ええ、大丈夫よ。」

「そうか。」

俺が帰ろうとすると、早苗が話しかけてきた。

「せっかく再開したんだし、守矢神社によっていってくださいよ。」

と、言われたんで、その誘いに乗った。

紫の家に車を取りに帰ると、紫がカーナビに幻想郷をインストールしていたので、守矢神社を目的地に設定し、向かった。妖怪の山の麓に着くと、俺は神社の鳥居に車を止めた。

「これ、登るのか?」

鳥居の先には、先が見えないくらいの曲がりくねった坂道が続いていた。仕方がないので、再びハチロクに乗り込み、頂上の神社を目指し、走り始めた。

あたりが暗くなり始めたので、リトラクタブルヘッドライトを展開し、点灯させる。後ろから、車が近づいてきた。後ろはよく見えなかったが、最近の車ということは何となく分かる。そんなことを思っていると、その車はあっという間に追い抜かしてきた。

「あのライト配置、そしてあのロゴ、間違いねぇ!GT-Rだ!」

なんとか抜かし返そうとするも、コーナーというコーナーで、差を詰められなかっただけではなく、あっという間に走り去っていった。

「は?マジかよ……GT-Rがこんな所に……」

俺はそう呟いた。そして、その車のナンバープレートを目に焼き付けた。

『守矢』と書かれていたのを……

神社に着き、車から降りると、霊夢が待っていた。

「あんたも来たのね!」

「ああ、まあな。早苗が来いって言うからな。」

俺がそう言い、周りを見渡すと、社務所の脇に、さっきのGT-Rが止まっていた。早苗が出てきて説明した。

「この車は私が外の世界にいるときに購入したものです。」

俺は聞く。

「なんで、こんな車を買ったんだ?」

早苗は答える。

「それはですね……外の世界での私の仕事も巫女だったんです。それでこの車は、私が外の世界にいた時に買ったものです。」

「なるほどな……俺としたことが……上り坂であんなにキレたバカでサイテーで下品で速いドライブができる奴なんてそんな何人もいるわけねーんだ・・ たった一人しかいねーじゃん・・!!」

と言うと、俺はふと後ろを振り返った。山の上の神社だったので、幻想郷中が一望できた。眺めていると、霊夢が問いかけてきた。

「幻想郷もなかなか良いところでしょ?」

俺が答える。

「ああ。」







                 次回、Xの皇帝 お楽しみに

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