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第一話 迷始

どこまでも続く線路。そして運ばれる思い。そんなことを考えながら今日も都会の喧騒の中を駆け抜ける。

「さみっ……」

今日の都会はやけに冷え込んでいる。帰りの電車を待つ駅の中も、風がよく通ってとても寒い。このまま冬になってしまいそうなくらいだ。

「よしっ、乗ろう。」

そんなことを思っていると、目的の電車がやってきたのでその車両へと乗り込んだ。どうやらこの車両には誰も乗らないようで、俺一人の貸切状態だ。まあ、それも当然だろう。もう夜の十時を過ぎていて、この電車に乗る人なんてほとんどいない。それにこの路線はあまり使われないマイナーな路線なのだから。

「っと、PC、PC。」

俺はこの電車の中でただ座っているだけではつまらないので、いつも持ち歩いているノートパソコンでネットサーフィンをすることにした。何か面白いサイトはないだろうか?そんなことを思って、いつも見ているニュースのページを開いたときだった。

『速報です!本日、午後九時五十分頃、迷鉄線におきまして脱線事故が発生いたしました。なお、現在詳しい状況などはわかっておりません』

「……は?」

そのニュースを見た俺は、思わずそうつぶやいてしまった。迷鉄線とは、俺が今乗っている路線の名前だ。そして、その路線で脱線事故が発生したという。

「……おいおい」

俺は、自分の心臓がバクバクと鳴っているのを感じていた。まさか、俺が今乗っている電車が事故を起こしたなんて。しかし、そんな俺の心配は次のニュースを見て一気に吹き飛んだ。

『なお、この事故では全車両が大破しており救助は難しい状況で……』

「……え?」

じゃあ俺はなんで今ここにいるんだ?電車も平然と走っているし。でもニュースにはしっかりと脱線現場の写真が掲載されていた。

「……嘘だろ」

その写真に写っていた車両、それはまさに今俺が乗っている編成のものだった。

「……どうなってんだよ」

俺は、パソコンを閉じて頭を抱えた。俺は夢でも見ているのか?しかし、頬をつねってみるとちゃんと痛い。ということは、これは夢ではないということだ。だとしたらなんだ?何か悪い夢でも見ているのだろうか?いや、それならもうとっくに覚めてるはずだ。

「ん?」

あれこれと色々考えているうちに、いつのまにか電車が駅に止まっていることに気がついた。

ここは……

俺の家の最寄り駅に似ているけど違う。あの駅みたいにあまり小さくないし、ちょっと古臭い感じがこの駅にはある。

「なんなんだよ」

気になって駅名標を窓から覗いてみる。そこにはこう書いてあった。

【博麗神社前】

博麗神社_それは俺が最近ハマっている「東方Project」に登場する神社の名前だ。

行けるわけないけどもしかしたら_

そんなことを思っていたのだ。それがまさか、こんな形で叶うとは。

「……行ってみるか」

俺は、その駅で降りてみることにした。すると、そこには、博麗神社と書かれた、あの霊夢がいるところに似た鳥居があった。

しかもよく見ると賽銭箱もある。

ここは本当に博麗神社なのだろうか?そう思った俺は、鳥居を潜って境内の中に入った。

すると、

「あら、珍しいわね。こんな時間に人が来るとは」

「!?」

いきなり背後から声がして、思わず飛び上がってしまった。恐る恐る振り返るとそこには、巫女服を着た少女がいた。その少女には、特徴的な紅白のリボンが着いている。

「あんた、名前は?」

そんな彼女は、俺に名前を聞いてきた。しかし俺は……

「……あ、えっと……」

「?どうしたの?」

「その……」

俺は自分の名前を答えなかった。

いや、答えられなかったのだ。

なぜなら、俺の名前を思い出そうとすると頭の中にもやがかかったように思い出すことができなかったからだ。

「……もしかして」

すると彼女は何かに気づいたのか俺の顔を見た後、こう言った。

「……あんた、外の世界から来たのね」

「え?」

「たぶんまたあのスキマ妖怪がまたなにかやったのね。まあいいわ。私でも1人分の結界を開けることができるからあなたを外の世界に送り返すことができるからとりあえずそこで待っていなさい。」

そう言い、霊夢は結界を開ける儀式のようなものの準備を始める。

「まぁ待てよ。こりゃあうまいココアだぜぇ!」

「!?」

俺が振り返ると、金髪で白黒の服を着た魔法使いが立っていた。

「霊夢、こいつはあのスキマ妖怪が何かをしようとして招き入れた人間なんだぜ?あいつを怒らせるとめんどくさいし、久しぶりに見る外来人だからすぐ追い返したらつまらないだろ!?」

「が、外来人って」

俺が何が起きているかわからず慌てていると、神社の社務所の奥から声がした。

「霊夢、とりあえず紫の家に向かいなさい。あいつが何を考えているかわからないけど、とりあえずなにかわかるかもしれないわ。」

「わかったわ。母さん。」

「母さん!?霊夢の!?」

俺はその声の主が誰かもわからなかった。しかし、その人は霊夢の母親らしい。そして、霊夢の母は社務所の奥から出てきた。それは……俺の知っている博麗の巫女とは少し違ったものだった。

「さ、行くわよ。ところで、あんた飛べる?」

「飛べるわけ無いだろ。」

「わかったわ。ついてきなさい。」

そして神社の端の方にある倉庫のようなものの前に来た。そして霊夢が倉庫のシャッターを開けると、そこには俺にとって非常に見覚えのあるものがあった。

「少し古いやつだけど、まだ動くと思うわ。」

3ドアハッチバックの少し小さい車体、リトラクタブル式ヘッドライトを採用した前面、そして白黒ツートンのパンダカラー。

「少し前に紫が持ってきてね。飛ぶことができない人が来たらコレで運んであげてって。今まで出番がなかったんだけど、やっと使う時が来たわ。」

俺はハッとした。なぜなら、その車についていたナンバープレートの番号は俺の車のナンバープレートの番号と同じだったからだ。

長野 4-930

「このクルマがどうかした?」

そのクルマの側面には、『シグマ模型店(自家用)』と書かれていた。そうだ。俺の名前はシグマだ。そしてシグマ模型店の店主だ。思い出した。

「あんた、運転できる?」

「ああ。なんてったって、俺の車だから。」

「え?」

「こいつは少し前まで俺が乗っていた車だ。そしてすべて思い出した。」

鍵を取り出し、エンジンをかける。直列4気筒エンジンの音が響く。リトラクタブルヘッドライトが展開される。霊夢も俺のハチロクに乗り込み、

「紫の家まで山を下るところまでは基本的に一本道だから、分かれ道のときは案内するわ。」

「ああ。頼んだぜ。」

そして、神社の境内から出て、紫の家に向かう。

「ねえ、あんたの家ってどんな感じなの?」

霊夢が俺に話しかけてきた。俺はふと思い出した。

「俺の家は田舎の方にある小さな模型店だ。」

「へえ、じゃああんたもそこで働いていたのね。」

「……ああ。そして、仕入れの下調べのために遠出したらこんなところに来てしまった。」

「そうなのね」

そして、俺は今までのことをすべて話した。自分が外の世界で暮らしていたこと。ある日突然幻想郷に来てしまったこと。そして……この車が事故で廃車になってしまったこと。

「そう、それは気の毒ね。」

「ああ。それで、俺は一命をとりとめたが、車は崖に転落し、見つけられなかった。でもなぜか、あんたがこの車を持っていたんだ。」

「そう。それで、この車のナンバーは?」

「……ああ。長野、4-930だ。」

俺はその番号を伝える。霊夢は外を見ながらつぶやいた。

「シグマか……」

「え?なんか言ったか?」

すると霊夢は少し慌てて、

「な、なんでもないわ!」

と言った。

はじめに思っていたより、博麗神社のある山は高い。そして、道幅は少し狭く、曲がりくねっている。眼の前にきつい右カーブがある。そして、少し懐かしい気持ちになり、

「霊夢、しっかりつかまってろ。」

「え!?」

アクセルを踏み続けたままクラッチを切る。エンジンの回転数を上げ、一気にクラッチをつないでドリフトする。

「っ……!!」

霊夢が声にならない悲鳴を上げた気がした。しかし俺はそれを無視してさらに曲がっていく。そして、カーブを曲がりきった後、霊夢はこう呟いた。

「……あんたって、結構運転上手いのね。すごい勢いで曲がる割にはあまり衝撃を感じないし。」

そんな霊夢の言葉に俺はこう返した。

「ああ、でもこんなの序の口だ。」

「え?」

「こいつはな、俺の長年の相棒なんだ。何十年も山道を走り続けてきた俺の実力はまだまだこんなもんじゃない。」

アクセルを踏み込み、さらに加速させる。すると、車体は横Gで滑る。霊夢がシートベルトにしがみつく。

「しっかりつかまってろよ!」

「ええ!わかってるわよ」

俺は、少しずつ速度を上げていく。そして、コーナーを曲がるたびに、車体は横Gに振られる。しかし、俺はその感覚を楽しんでいた。この車と一体になったような感じがした。

「すごい……」

霊夢も思わずそうつぶやいたようだ。

そうしてしばらくのあいだそうして山を駆け下りていく。

しばらく経った後、霊夢が突然叫んだ。

「この先はきつい左よ!スピードがのりすぎてる!この先は減速しないと谷底へ真っ逆さまよ!」

「大丈夫だ。」

霊夢の心配(?)をよそに、俺は左コーナーでリアを“左へ”振った。

次の瞬間、瞬時に車体方向を逆向きに変え、見事な慣性ドリフトを完成させる!

「慣性ドリフト!?」

「すごい!あんたって運転上手いのね!」

そんな立て続けに放たれる言葉に、思わずにやけてしまう俺だった。しかし、そんな時間は長く続かなかった。

「あ」

突然、車体が大きく揺れた。どうやら石か何かに乗り上げたらしい。そのまま車は横転しそうになる。俺はとっさにハンドルを切り、体勢を立て直した。

「あっぶねー」

そんなかんじで山を駆け下りていった。そして山の麓についた。そして、分かれ道の前で止まった。

「なぁ、霊夢。これ、どっちに行けばいいんだ?」

霊夢からの返事はない。

「あれ?おーい、霊夢。」

返事はない。なぜなら、あまりのスリルに気絶してしまったのである。

俺は仕方ないと思い⇐(※コレ重要)クラクションを鳴らした。

「ふぇっ!?」

霊夢が飛び起きると、俺は、今の場所と状況を伝えた。

「紫の家は左に行けばいいわ。」

「わかった。」

俺は車を発進させた。すると、霊夢が声をかけてきた。

「ねえ」

「ん?」

「あんたってすごいのね。あんなスピードで走れるなんて!」

しかし、俺は少ししょんぼりした様子でこう返した。

「いや……昔はもっと速かったんだ……こいつは俺を乗せてよく峠を走ってくれたよ……」

「そう……なの……?」

そんなかんじでしばらく車を走らせていると、一軒の家が建っていた。大きな和風建築で、黒猫が遊び回り、九尾が家事をしていた。車を家の前に止め、ふたりとも降りると霊夢は九尾に話しかけた。

「藍、紫はいるかしら。」

「霊夢か。紫様は家の中で昼寝中だ。」

その返答を聞いた霊夢はその家の中に入っていった。それを見た俺は

「おい、勝手に入っていっていいのかよ」

と止めたが、

「いいの。あいつは仕事と冬眠のとき以外は基本暇だから。」

といい、おれは霊夢を追いかけて紫の家に入っていった。

「おーい、紫ーいるなら出てこーい」

その家の中は和風のつくりをしており、中はとても広かった。しかし、肝心の紫の姿が見えない。すると霊夢が奥の方にある座敷の方へ歩いていくので俺もついていった。そしてあるふすまを開くとそこには……

「え……?」

俺は絶句した。なぜならそこに寝ていたのはあのスキマ妖怪だったのだから。その人は俺より少し年上ぐらいの見た目で金色の髪をしていた。

「あ?霊夢。いらっしゃーい」

「『あ?霊夢。いらっしゃーい』じゃないわよ!まーたあんた勝手に人を幻想郷に連れ込んで!しかもあんたがこの前くれた車、この外来人のものだったらしいじゃない!」

「霊夢ったらぁいっつも私が悪いように言って。」

「当然じゃない!実際、あんたが原因だった異変なんていくらでもあるんだから!」

「今回は違うの。その人は、『異変解決』のために連れ込んだからなの。」

その言葉に、俺はびっくりした。

「え!?お、俺!?」

「ええ。霊夢、『オルフェノク』という種族を知っているかしら。」

すると霊夢は、「あーあれか。」と言ったあと少し首をかしげてこう続けた。

「オルフェノク?あの◯面ライダー◯ァイズに出てくる種族?」

「ええそうよ。」

そして俺は紫にこう聞いた。

「なあ、そのオルフェノクって何なんだ?」

紫は答えた。

「一度死んだ人間が覚醒し蘇る事で生まれる人類の進化形態。外の世界で一時期増えていた存在ね。ここ最近、幻想的でもその存在が確認されたの。一応私達で対応しているけれど、奴らの特殊能力のせいであまり駆除できていないの。」

その返答を聞いた俺は、一つ疑問に思った。

「なぁ、紫。その『オルフェノク』は本当に駆除しないといけないのか?」

「ええ。それにはおもに2つの理由があって、オルフェノクは人間を襲うことで種族を増やすの。そして、襲われた人間のうち、オルフェノクになれるのはほんの一握り。だから里の人間たちが危ないのよ。そしてもう一つの理由は、オルフェノクは一度死んだ人間が覚醒し蘇る事で生まれる人類の進化形態だから、本来の輪廻転生の輪から外れてしまい、パワーバランスが崩れ、このままじゃ幻想郷は最悪の場合、滅亡してしまう。そこでオルフェノクに対抗する力を持つあなたを連れてきたというわけ。」

と紫は言ったが早いか、九尾が座敷に走り込んできた。

「たたたた大変です、紫様!緊急事態です!」

「どうしたのかしら、藍。」

「人間の里に、オルフェノクが現れました!」

それを聞き、一同に緊張が走る。そして紫が、

「霊夢、シグマ、すぐに人間の里に向かいなさい。」

と命令的な口調で言った。そして霊夢が、

「シグマ、私は飛んでいくわ。あなたはなにか車以外の移動手段はあるの?」

と問いかけてきたので、

「ついさっき取り戻したところだ。」

と返し、霊夢とともに紫の家を出て、俺はハチロクに向かった。そしたら霊夢が、

「車じゃ間に合わない!他の方法はないの!?」

と叫んだので、ハチロクのトランクからバイクを取り出し、組み立てた。

「これなら間に合うかもな!」

そして、俺はそのバイクにまたがった。霊夢は飛び上がる。

「さあ、行くわよ」

と言って発進した。俺もアクセルを全開にする。ハチロクでの運転では体感できない速さで道を走り抜ける。そこで霊夢が叫ぶ。

「シグマ!あの人間の里からよ!」

俺はその方向を見る。するとそこには……オルフェノクがいた。しかも1体ではない。3体のオルフェノクが里の人間を襲おうとしている!俺は急ブレーキをかけ、霊夢はオルフェノクに蹴りを入れる。

「おりゃー!」

「グァ!?」

そして俺はバイクを降り、3体のオルフェノクに向かい、バイクのトランクから携帯のようなものと、バックルを取り出した。バックルを腰に当てると、ベルトが巻き付いて固定される。

『493...standing by...』

そして携帯を左手に持ち替え、叫んだ。

「変身!!」

『Complete』

すると俺の体は光に包まれ、バイクをアーマーとし、『仮面ライダー』へと姿を変えた。その姿を見て霊夢は驚いた様子でこう叫んだ。

「シグマ……あなたって……」

しかし、そんな霊夢の驚きなど気にせず、俺はオルフェノクに飛びかかり、強烈な一撃を与える。

「グゥッ!!」

そして携帯に『Enter』と入力し殴りかかる。

「うおらー!!」

『Exceed charge』

するとベルトは一瞬緑に光り、光は腰、肩、肘を通り拳へ伝わる。パンチの威力が上がった。さらにまた携帯に『Enter』と打ち込む。するとベルトが返事を返すようにこう叫んだ。

「Exceed Charge」

それを見た霊夢はこう叫んだ。

「あれは……」

そしてベルトがまた叫ぶ。

『Exceed Charge』

すると今度は右手の拳に光が集中し、パンチの威力が上がる。俺はその右拳をオルフェノクに向けて構えた。そして一言叫ぶと同時に手を前に突き出し、パンチを繰り出す!

「はぁっ!」

その一撃はオルフェノクの腹部に突き刺さり、そのまま貫通する!そしてオルフェノクに明るい緑色で、『∑』の文様が出現し灰化する。

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

俺はさらに連続してパンチを繰り出し、オルフェノクをもう一体灰に帰していく。

そして最後は一体。携帯に『Enter』と打ち込む。そしてベルトがまた叫ぶ。

『Exceed Charge』

ベルトに2つ吊り下げられている武器を一つ取り、銃のような形に変形させ、エネルギーを発射する。

「グワァアア!」

放たれた光はオルフェノクを包み、固定する。

そして俺は陸上のクラウチングスタートのような体勢になり、背中に積んだジェットエンジンの出力を高める。

「今だ!」

エンジンから放たれる炎が赤から青白い光になった瞬間、俺はオルフェノクの反対側に着地する。オルフェノクに明るい緑色で、『∑』の文様が出現し、最後のオルフェノクも灰となった。

民衆がどよめく。

霊夢は見ていた。仮面ライダーの背中のエンジンから放たれる炎が赤から青白い光になった瞬間、仮面ライダーはオルフェノクにとてつもない速さで飛びかかり、オルフェノクの正面に円錐を出現させた。そして、その円錐もろとも、オルフェノクを貫いたのだ。

民衆が集まってくる。

「あの甲冑が化け物倒したぞ!」

「本当か!」

「博麗の巫女さんも一緒だぞ!」

「これでやっと里が救われる!」

民衆が歓喜のあまり騒ぐ。しかし霊夢は、

「シグマ!大丈夫!?」

と俺に駆け寄った。そして俺は携帯の『電話を切る』を入力し、変身を解き、人間の姿に戻った。そしてこう言った。

「ああ、俺は大丈夫だぜ。」

その返答を聞いた民衆がまたも騒ぎ出す。

「おい、あの化け物を倒せるのは博麗の巫女だけじゃなかったっけ?」

「じゃああいつは誰なんだ!」

そんななか霊夢は冷静に言った。

「彼は外来人よ。紫が連れてきたの。」

「外来人?」

「ええ。」

そんな霊夢の一言で、民衆は納得したようだ。すると今度は俺が質問した。

「なあ、霊夢。さっきから外来人、外来人って言ってるなんなんだ?」

それに対し霊夢が冷静に答える。

「シグマ、あなたがいた世界は幻想郷とつながっていなかったから、知らなくても無理はないわね。外来人とはあなたのように外の世界から来た人の事を指すのよ。」

「外の世界?」

俺は首をかしげた。霊夢はそれに答えるように話し出した。

「幻想郷と外の世界をつなぐ『結界』があるの。その結界が何らかの理由でほころびたときに、外の世界の住人がここに迷い込むのよ。」

そんな霊夢の言葉に、俺はこう言った。

「じゃあ俺も、その結界ってやつを直せば帰れるのか?」

その言葉に霊夢はこう返した。

「ええ。でも今はそんなことしてる場合じゃないわ。オルフェノクが出て、私や紫では対応が難しくなってしまったの。」

「だから俺が連れてこられたってわけか。」

「ええ。そうよ。せっかくだから、先生のところにも行っておきたいわ。」

「先生?」

「ここの近くで、寺子屋を営んでいて、人間と妖怪の共存に努めている人がいるの。」

そんな会話があった後、紫がスキマから出てきた。

霊夢は紫にこう問いかけた。

「紫、あの3体のオルフェノクはどこから来たの?」

「さあね。どこかから漏れ出したんでしょうね。それとシグマと仲良くできたかしら?」

「ええ。彼ならきっと私たちとともに戦っていけるわ。だって彼は……仮面ライダーなんだからね!」

こうして俺は、幻想郷に来て初めて幻想郷の人間と親しくなったのだった。

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