春夏秋冬
『春の訪れ』
風は伝える 草木の香り
目に映るのは 桃色の花
心安らぐ 陽の暖かさ
戯れている ウグイスの声
友と楽しむ 桜の花蜜
我知覚する 春の訪れ
『夏の日々』
目覚めの悪い 蒸し暑さ
日傘させども なお暑く
外出てすぐに 喉乾き
人も草木も 水求む
帰る頃には 汗まみれ
乗り越え難し 夏の日々
『秋の夕焼け』
赤く色づく 街道の木々
風吹くたびに 枯れ葉は落ちて
歩けば浴びる もみじ葉の雨
街に溢れる 旬の食べ物
買い食いしつつ ふと見上げれば
絵画の如き 秋の夕焼け
『冬の帰路』
嗚呼寡黙なり 冬の帰路
身に突き刺さる 木枯らしと
髪を湿らす 細雪
我が身を照らす 街明かり
己の影と 帰る日々
寂しさが増す 冬の帰路