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夏休み終了まで、あと二十六日
2023年8月5日。
ふと気づいた、というか再確認した。いつか人は死ぬのだと。いや、別に死ぬこと自体は怖くないかもしれない。身体の限界の限界まで生きて、老いていって、全部忘れて、他人に迷惑をかけながら消えていく。それがただただ、怖い。だったら今のまま棺に入れられる方がよほどきれいなように思う。ああでも、今のままだったら、私が生きていたこんせきなんて未来に残らないか。全て握りつぶされる。誰かの日常の一部として消化され、終わり。大きな情報という塊の、ほんの一ミクロン、いやそれ以下の大きさでしか存在できなくなるんじゃないか。当たり前のことなのに、とほうもない恐ろしさが這い上がってくる。
まあ、考えたところで、私に私が生きるか死ぬか、選択などできない。




