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とある夏の43日記  作者: 伊藤真奈
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夏休み終了まで、あと四十二日

タイトルの読み方はとあるなつのよんさんにっきです。架空の人物のエッセイあるいは私小説、という感覚でお読みくださいませ。

2023年7月20日。

今日から日記を始めることにした。前々から興味はあったのだが、今日のこの清々しく苦々しい気持ちを記録しておこうと思い、日記を始めることに決めた。書く紙に悩んだが、中学に上がり使わなくなった小学校のこのノートに書くことにした。これならば誰にも文句は言われないし、見られることもないだろう。見るのは明日の自分か、数年後の自分か、今の私には事実として存在しない為可能性を限定することができない。しかし、どの可能性であろうと自分以外が見るわけもない。ので、この文面で、私は一切の嘘をつかないことをここで明記しておこうと思う。付け加えると、日記を書くのは、私の趣味である人間観察としての一環としてでもあるからだ。ということで、まずは軽く自己紹介をしよう。現状の整理だ。私の名前は伊藤真奈。中学二年生だ。趣味は前述のとおり人間観察で、特技は人の悪いところを見つけるところ。最大限ひねくれたふりをすることが自衛手段。……これ以上は自分の恥が暴かれるだけなので、もうやめよう。いや、もう既に直視できないほど恥さらしではあるが。

さて、今日は終業式があった。そのおかげで、私は今、窒息死寸前(取り消し線が何本も引かれている)マラソンの途中で酸素と水分をもらうようなあんどかんと疲労感で満たされている。同時に、不安と恐怖も心のかたすみにある。夏休みが始まってしまえば、終わりがどんどん近づいていくということだからだ。つまり、時が過ぎればまた学校が始まる。当たり前だけど、それが私には重たい。だから、「清々しく苦々しい」のだ。それに、今も隣に積まれている大量の宿題がゆううつかんを加速させる。何をどうしようと面倒くさい。さらに夏特有のうっとうしさも気持ちに影を差している。疲れたし、何が書きたいのかよく分からなくなったから、今日はこれで終わりにしよう。明日はもっとマシな文が書けますように。

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