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06 判断


 えーと、岩肌の地面での正座、めっちゃ痛いです。


 ヲブザーヴさんは、いっしょにやらなくても良いんだよ、これ。



「サイリが無事に"絶対閉鎖空間"から脱出出来たことへの祝福のセレモニーと判断」

「よって、同様の姿勢にて享受」


 てなことを言っておりますので、皆さま、どうぞお手柔らかに……




 僕があそこに飛ばされてからの流れ。



 ゾディが『ロージー』で緊急全体警報を発動。


   ↓


 家族友人一同、行方の手がかりもつかめず。


   ↓


 到着したけんちゃんは、システム外『転送』事故の可能性ありと判断。


   ↓


 絶望に浸っていた皆さんの目の前に、可愛らしい娘さんに抱きついて幸せそうなお顔(モルガナさん談)の僕が、突如出現。


   ↓


 激情おしおきモード、炸裂中。



 以上、現場からお伝えしました……



 ……



「僕も、お手上げです」


 何がですか、けんちゃん。



「ヲブザーヴさんは、旧世界の住人です」

「旧世界というのは、今のリヴァイス以前に存在していた世界、ですね」

「世界が代替わりした際に、その"絶対閉鎖空間"内にいたので、助かったと言いますか、取り残されたと言いますか」

「世界が変わると、基本システム周りも丸っと変わってしまうので、本来は交流することは出来ないはずなのですが」

「ヲブザーヴさんは、兵器として相当に優秀みたいで、学習能力や適応力が非常に高いのです」

「全く異なる世界のシステムにも対応出来ちゃうくらいに」


 で、お手上げとは。



「リヴァイスのシステムでは、ヲブザーヴさんへ対応出来ないのです」

「つまり、もしヲブザーヴさんが兵器として活動するようになったら、この世界のシステムでは止めることは出来ません」

「要するに、僕ではお手上げなんです」


 えーと、見ての通りの、のんびり系女子なのですが。



「接触したのがサイリさんだったから、でしょうか」


 ?



「初めて出会った見知らぬ女の子と見知らぬ場所でお茶会しちゃうようなサイリさんだからこそ、別世界の存在と平和裏にコンタクト出来たんだろうな、と」


 僕、どうしたら良いのでしょう。



「他の皆さんと同様、サイリ家の一員として迎え入れてあげるのが一番かと」

「リヴァイスの平和的存続のためにも」


 話しが大きすぎるような……



「実は、かなりの綱渡り状態です」

「リヴァイスの存続というのは大げさでは無く、ヲブザーヴさん次第、つまり仮登録者のサイリさん次第なんです」

「ヲブザーヴさんが可能な限り穏やかな生活を送れるよう、僕も尽力したいと思います」


 つまり、美味しいものを食べて穏やかに暮らす、で良いのですね。



「ご機嫌をとったり、崇めたりするのではなく、いつものサイリさんのように接すれば大丈夫、かと」


 みんなもいつも通りの対応ですし、大丈夫そうですね。


 ってか、ハグりすぎでしょ、皆さん。


 あ、アランさんがおしおきされてる……



「サイリ、早く美味しいもの食べに行きたい」


 はーい、了解。



 それじゃ、これからヲブザーヴさんの歓迎会ですかね。


 場所はどうしよ。


 みんな呼ぶとなると、うちの庭だとちょっと狭いよね。



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