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05 登録


 僕の『収納』に入っていた食べ物で一番美味しいもの。


 堂々の第一位は、プリナさんの手作りシュークリーム!


 しかし、ここで問題発生。


 この最高のシュークリームに見合う飲み物が無い……



 えーと、ごめんね、ヲブザーヴさん。


 飲み物、お水くらいしか持ってなかった。



「お水、大好き」


 ええ娘や……



 ってなわけで、


 美味しいシュークリームと美味しいお水で、簡素ながらおやつタイム、開催。


 いえ、プリナさんのシュークリームが簡素だなんて言ってるんじゃ無いですよぅ……



「美味しい」


 そうだね、絶品シュークリームと、我が家自慢の美味しいお水。


 確かに両方とも、とても美味しいのです。


 しかし、惜しい。


 出来れば、このお水で煎れたお茶を飲んでほしかったな。



「もっと美味しい?」


 お茶も美味しいけど、いっしょに食べたシュークリームが、もっと美味しくなるのですよ。



「魔法?」


 そうだね、美味しいお料理を作れる人って、凄い魔法使いだと思うよ。



「美味しいお料理、食べたい」


 僕も食べたいけど、ここから出ないとね。



「出ても良いの?」


 出られるのなら、すぐにでも。



「じゃあ、登録」


 はい?



 ……



 えーと、現在ヲブザーヴさんは未登録のノラ兵器状態なので、


 ひとりでこの空間から出てはいけないのだとか。


 博士さんは仮登録者なので同行させる権限があったそうですが、たぶんもう……


 でも、僕が勝手に登録しちゃって大丈夫?



「この"絶対閉鎖空間"は、権限保有者以外は絶対に"入室"出来ない場所」

「つまり"入室"出来たサイリは権限保有者」

「もちろん、こちらから登録の強制は不可」


 えーと、仮登録でも大丈夫?


 出来ればヲブザーヴさんの自由を縛る契約とかは嫌なんだけど。



「契約ではなく登録」

「契約は一方からの破棄が可能だが、登録後、ヲブザーヴはサイリの管理下に置かれて、全ての権限を委ねる」


 なおさらダメだって。


 やっぱり、今は仮登録して、ここから出てから本登録するかどうかを相談するってことで良いかな?



「了承、では、仮登録」


 どうするの?



「接触してサイリを"分析"して登録」

「接触面積が大きいほど、時間短縮が可能」


 ちなみに握手だと、どのくらい。



「握手、手のひらの面積、70分ほど」

「ハグ、7分ほど」

「最速をお望みなら、障害物、つまり衣服無しの状態で」


 はい、ストップ。


 ハグで、お願いします。


 このままの格好のハグで……



 ……



 ぎゅっ



 ハグっております。


 さっき出会ったばかりの女の子と、ぴったり寄り添っております。



「サイリが目をつぶると、解析速度が若干アップ」


 はーい、目をつぶりまーす。




 ……まだかな。



 …………そろそろかな。




 つねりっ



 イッテェ!



 ちょっとヲブザーヴさんっ、


 モルガナさんみたいなマネはやめてって……



『……』



 ……おや、この雰囲気、


 僕がやらかした時の空気感ですよ、コレ。



 おそるおそる目を開けると……



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