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03 URN


 今日はお休みの日。


 いつもより、ちょっと寝坊してのお目覚め。



 プリナさんが作ってくれていた美味しいサンドイッチをぱくぱくしながら、


 今日やることを思案中。



 プリナさんは、いつも通りの管理人さんちっくメイドさん。


 メイド服をひらひらさせながら、くるくるくるりとお仕事中。



 ナルンは、定期健康診断でクロ先生のところへドナドナ。


 お注射されて泣いてなければいいけど……



 スーミャとイリーシャさんは、次の長期遠征に備えて準備中。


 今度の依頼は『新種のスライム系魔物の調査』だっけ。


 ……エロスライムじゃなきゃいいけど。



 フィナさんとフィグミさんは、いつものごとく夜までおねむ。


 お気に入りの編みカゴ、だいぶくたびれてきたけど、どうしてもアレが良いみたい。


 おねむには特にこだわりのあるおふたりなのです。



 チュースさんとエリスさんは、我が家での庭仕事。


 おふたりの最近のらぶらぶっぷりは、キルミネウスさんとシュマルセさんにも引けを取らないほど。


 つまりは、ふたりっきりにしておくのが一番。



 えーと、モルガナさんは、


 どっか行っちゃった、と。


 まあ"サイリウム"が足りているのならほっといた方が良かろう、ですよね。


 君子、怪しい"導き手"には近寄るべからず。



 よし、それじゃ、


 少し遠出して、例のバッグを開けてきましょうか。



 ちょっとゾディとお出かけしてきますね、プリナさん。


 夕飯までには帰ってきまーす。



 ……



『ロージー』の『転送』で、


 着いたところは、ケストーネ砂丘。



 以前、プチ家出した、あの洞窟がある場所。


 この辺りは、砂丘と言うより岩肌の荒地で、辺りには本当に何も無いのです。


 つまり、何が入っているのかも分からん怪しいバッグを開けても、被害は最小限、のはず。



『ゾディは被害者にはなりたくないのであります……』


 おや、普段はとっても勇敢なゾディが、ちょっとビビりさん?



『そのバッグは、妙なのであります』

『最大限の魔導探査でも異常反応無しなのに、ゾディの小さなお胸はドッキドキなのであります』

『つまりは、それを開けちゃうとエラいことになっちゃうという予感がビンビンなのであります……』


 うむ、だったらなおさら僕がなんとかしないとね。


 えーと、バッグの『鑑定』結果は、



『URN"虚ろな領域を覗く者"』


 ※封印する者は封印される覚悟をせよ



 ……嫌な予感しかしない。


 ってか、金庫に入れる前の『鑑定』結果と内容が変わってるし。


 あの時は普通のマジックバッグだったはず……



 で、やっぱり外から中身は詳細確認不能。


 まあ、予想通りだけど。



 首からぶら下げてきて良かったよ、謎バッグ。


 これじゃ『ロージー』の『収納』トランクまで壊されてたよね、きっと。



 こんな危険物、王都のゴミの日とかに出せないよね。


 放置したり人任せにして被害を出されるくらいなら、


 僕が今なんとかせねば、なのです。



 それじゃ、やりますか。



『クロッカス』は装着完了。


 ヘルメット内"キャストオフ"しなくて済むよう、すでに眼鏡は外しております。


 つまり、準備は万端。


 今から開けるけど、ゾディはもうちょっと離れててね。



『お供します、マスターサイリ』


 ……もし僕に何かあったら、救出できるのはゾディだけ、OK?



『……OK!』




 ゾディは『ロージー』ごと、離れた場所に退避完了。


 それでは、バッグ、オープン!



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