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第39話 かわいい催促と、醜い欲望





アルメリア王国に向かってから9日が経過していた。

本来の行程であれば、明日には到着予定であったが、とある理由で3日程遅れている。




とある理由とは





旅立って2日後

《マルティナよ。日本酒が無くなったのだ。いつ魔王国に来るのだ?》




旅立って4日後

《日本酒、日本酒ーーー》




旅立って6日後

《魔物はあと1ヶ月は大人しいはずじゃ。早く日本酒を作るのだ!!》




旅立って8日後

《マルティナ♡まだ?》





マリアからの伝鳥による催促に他ならない。




今度会った時には、日本酒のレシピを渡そうと深く心に誓った。


なお、私が持っているストックもあと4本しかなかったため、マリアの1ヶ月は魔物が大人しいという言葉を信じて、一升瓶20本分の日本酒を作った。


20本作るには体重24キロを消費するため、ここ数日は馬に『魔法付与』を使うの止めて進んでいた影響により、行程が3日遅れたのだ。




因みに、一升瓶にはマナツが瓶を作る際にお手本とした『当方美人』を真似て、空のラベルが付いていた。


私は空のラベルにこう書いた。




『魔王の催促』






無事日本酒作りも命名も終わり、私は到着が3日遅れる旨を伝鳥でミリアムに送った。


翌日、ミリアムから返事があったのだが、内容的には3日後、サレスイヴァン王国の王族が来訪予定で、私の相手が疎かになるかも知れないというものだった。




私的には今回の報告を行うだけだから、到着後、もしくはサレスイヴァン王国の相手が落ち着いた時に1時間ほど都合してくれれば問題ない。



ミリアムにはその旨を返事し、旅を続けた。





道中には、今度スタット村のミミとリリに出会った際にご馳走するため、『マカロン』を作った。


『マカロン』は色取り取りに様々な味があり、作るのに苦労したが、味も見た目も会心の物ができた。



それと、戦闘中に食べるカロリー高なスイーツとして、手元にある米と醤油を使って『みたらし団子』も作った。


私の作るシュークリームもレシピより少し砂糖を多く使っているため、3個で1キロ太れるのだが、いかんせん、戦闘中は食べづらい。



その点、私の作った『みたらし団子』は串1本で500カロリーあり、上手く口の横から串を運ぶことで素早く食べれる。


ただ、『異世界料理レシピ』にも記載があったのだが、喉に詰まらせる可能性があるため注意が必要だ。





その後もアルメリア王国に着くまでの3日間、ストック補充をしつつ、体重管理をして馬車を進めた。













▷▷▷▷ゲリット◁◁◁◁






僕はサレスイヴァン王国の第一王子、ゲリット•ウル•サレスイヴァン。




『王国信頼度調査』で第10位となった我が国は、前回の6位から第15位と大幅にランクダウンしたアルメリア王国の首都に来ている。



訪問は理由は、ランクダウンしたアルメリアへの支援の申し込みだ。

ただ、それは表向きの理由であって、本当の目的はアルメリア王国第一王女、ミリアム•エル•アルメリアを我のモノにするため。




これまで幾度となく縁談を申し込んだが断られた。

断られても我が国より『王国信頼度調査』で上位であったため、何も言えずにいた。



今までは•••、だがね。




今はこちらが上位国であり、蔑ろにはできまい。

しかし、ミリアムは美貌と豊満な胸だけではなく、賢い頭も持ち合わせている。



だからこそ、僕は正式な訪問の3日前にアルメリア入りをし、ある作戦を実行していた。






「作戦に問題はないな?」


「はい、ゲリット王子。ターゲット25名の勤務時間、自宅、全て確認済みです」


「あの女は?」


「うまく侵入しております」


「そうか、ならば予定通り2回目の毒味が終わった後に決行しろ」


「畏まりました」




今話をているのは、僕に忠実で全て駒のように動く副騎士団長のモレス。

騎士団長のマニッシュは正義感が強く、扱いづらいため、独断で動く時にはモレスが重宝する。




「それと、父上と母上は予定通りの到着か?」


「はい。行程は順調に進み、予定通り3日後に到着とのことです」




父上と母上、この国の王と妃には、最近の魔物の鈍化について信憑性を確かめると偽り、アルメリアに前乗りした。


国王と王妃、それとマニッシュが来る前に作戦を進行しなければならない。




「失敗は許されん」


「はい。肝に銘じます」


「うまくいけば、次の騎士団長はお前だ」


「有難き幸せ。必ずや、任務を遂行します」


「期待してるぞ。今日は下がってもう休め」


「はい」




副騎士団調のモレスは、深々と頭を下げると、テントの外へ出て行く。


公式訪問が3日後のため、今は首都アルメリアから少し離れた場所にテントを張り、そこを拠点としている。


騎士団500名を連れての前乗りのため、狭いスペースに多数のテントを広げており、王子である僕のテントもそれ程大きくない。




作戦内容が漏れる可能性を考慮し、いつも夜伽を含めた身の回りの世話をさせているメイドも連れてきておらず、不愉快この上ない環境だ。





まあ、あと3日でミリアムが、いやミリアムの体が手に入ると思えばいくらでも我慢できるがな。



風呂に入っていないこの体で、そのまま抱いてやるのも悪くない。




ぐくく




どんな顔を見せてくれるのか、今から楽しみだよ、ミリアム。




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