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第14話 生まれ故郷

今後の更新頻度※、話数の参考にさせていただきますので、是非、感想や★マーク、どんな形でもいいので教えて下さい。

※現段階で9月12日は2話分投稿

 9月13日〜9月17日は毎日1話分投稿

 を予定しています♪


また、今後の更新間隔は現段階で未定のため、ブックマーク後に通知機能をONにして待っていていだけると嬉しいです⭐︎




私は今、故郷のリリーナ村に向かって馬車を走らせている。

王都ティーレマンスからだと、リリーナ村は馬車で2日ほどだ。




今日で2日目。

夕方にはリリーナ村に着けるはず。



1日目と2日目の現時点で、私は牛丼や肉じゃが、シュークリーム、新作のクレープを食べながら旅を進めていた。





2日間の摂取カロリー:6,000キロカロリー


▪️体重:83キロ→89キロ(+6キロ)





順調に体重が増加し、一安心だ。

強い魔物と出会った時の備えでもあるのだが、今回は村に到着したら『転移の宝珠』を作りたいと考えているからだ。



何かあった時用に唯一持っていた『転移の宝珠』をルイファに渡し、今は在庫がない。


可能であれば、サングラニト王国の勇者パーティーで良くしてくれたアーロンにもあげたいと思っている。



サングラニトの勇者パーティーは、ティーレマンスのような軽率な行動はしないと思うけど、念のためにね。




では、『転移の宝珠』を作るのになぜ体重が関係するかと言うと、ずばり、1個作るのに▲20キロの消費が必要だからだ。


毎日の蓄積ではなく、一度に20キロ必要なため、ベスト体重で作っても70キロまで減る。



その際、強い魔物がきたら更に体重が減ることになる。



前に一度だけ経験したのだが、体重が70キロを下回ると体が急激に重く、怠くなり、頭の中で『warning』と、よく分からないアラートが鳴り続いた。


その時、直感的に感じたのは、体重が70キロを下回るのは危ないということ。



だから、『転移の宝珠』を作る時には細心の状況判断、注意が必要なのだ。








その日の夕方、無事、リリーナ村に辿り着いた。


約1年振りに帰ってきた故郷は、村の周りにこれまでなかった柵が出来ていたり、家屋が増え、どこか町全体が潤っているように感じた。



私は『亜空間収納』に馬車を格納すると、村の入り口まで歩き、そこで警備している人物に話しかけた。



「旅人とは珍しいな」


話しかけてきた男は、見たことない人物だった。



「旅人といえばそうですが、リリーナ村は生まれ故郷なんです」


「もしかして、マルティナ様?」


「様?様なんていらないですよ。はい、私はマルティナです」


「こ、これは失礼しました。お話は伺ってます。どうぞ中へ」



警備の男は私がマルティナと分かるや否や、背筋を伸ばし、敬礼までして中へ入れてくれた。


今日帰ることは両親に伝鳥を使って教えてはいたんだけど、勇者パーティーの勇者、なんて言いふらしてなければいいな。



今はただの追放者だし。




村の中に入ると、外から見ていた通り家屋が増え、歩道も土を平らにして整備されている。


これまでは歩道かどうかなんて分からない状況だったのに。






「ふん。帰ってきたのね」


村の中をキョロキョロしながら歩いていると、不意に話かけられた。



「それにしても、相変わらずデブね」



嫌みたらしく話しかけてくるのは、幼馴染のミーナだ。



年齢は私と同じ15歳で、とても可愛らしい見た目をしていて、昔は仲が良く、性格も人懐っこく常に笑顔でいるような子だった。



私が勇者パーティーに配属が決まった2年前から急に今のような態度になり始めた。

ミーナは私の能力を知っていて、太っている理由もしっているはずなのに今では悪態をつかれる。



昔は大きなお腹も好きと、言ってくれていたんだけどな。




「何?帰ってきたのは私の婚約が決まりそうで、焦って止めに来たのかしら?」


「婚約!?ミーナが?」


「知らなかったのね。まったく、少しは期待したのに•••」



ミーナの言葉は小声で、最後の方は聞き取れない。



「私はね、ここら辺一体の領主、ミケーレに婚約話をもらっているのよ」


「ミケーレだって!?」




どんな時も己の利益を最優先すると、あまり評判の良くない領主で、確か既に正妻はいたはずだ。



「まっ、一国の王女と婚約しているあなたには、羨ましくもないし、小さな話でしょうけど•••」


「ああ、ミーシアの話か、それなら婚約破棄されたよ」


「えっ!?」



ミーナは想像していたよりも喫驚し、目を大きく見開き、瞳部分が上下左右に小刻みに揺れている。



「破棄って•••」



「マルティナ、マルティナじゃないか」

「何?マルティナ?」

「おお、帰ってきたんだな」



ミーナが何かを言おうとしていたが、他の村人が私に気づき、そのまま家まで連れて行かれてしまった。


元々、小さな村で知らない人はおらず、みんなが優しいこの村が大好きだったことを、改めて思い出した。



1年間、色々あったな。

特に最後がね•••。





「おーい、フアン、ユーラ、息子が帰ってきたぞー」


村の人は私の家の前に着くと、大声で叫んだ。


「今日は家族水入らずでゆっくりしな」

「明日、ゆっくり話を聞かせてね」



そう言うと、村の人達は嵐のように去っていく。




「マルティナ!!」

「マルティナなのね!?」



同時に家の扉が開き、中から両親が出てきて両側から私を抱きしめてきた。



「ちょ、恥ずかしいから」

「いいじゃない、久しぶりなんだから」

「そうだぞ、父さんだって抱きつきたいんだ」




父さんも母さんも全然変わらないな。


一応、手紙には勇者パーティーを辞めたこと、婚約は破棄になったことを簡単に書いておいたけど、勇者じゃなくなってもいつも通り接してくれて少し嬉しくなった。




それから、2人に解放されるとようやく実家の自分の部屋で一休みすることができた。




夕食はたくさんのご馳走が並び、たくさん食べた。


正直、自分の料理の方が美味しいんだけど、家族と一緒に食べたからか、とても美味しく感じた。






摂取カロリー(お袋の味):2,000キロカロリー


▪️体重:89キロ→90キロ(+1キロ)





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