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第3話 異世界エヴェルガリア

 どのくらい経ったのだろうか誰かの声と何かに突かれている感触があった。


「…主人~そろそろ起きるのですよ~」

 さっきも同じようなことがあった気がする、おそらく爪だろうそれに突かれながら聞こえてきた。


 俺はゆっくりと目を開けるとそこには緑の木々と綺麗な青空が広がっている、そしてチラチラと目に入ってくる白い影があった。

「こいつはいったい…?」


 そこには綺麗な白い体に黒い角、鷲の前足に翼と猫のような後ろ足を持つ竜のような小さな生物が周りをうろうろしている。

「ムシュフシュでございますよご主人やっと起きましたね、あらためてようこそ!エヴェルガリアへ。」


 この小さな竜があのやかましい召使いだというのだ。

「そういえばお前竜って言ってたね、竜の姿になるならもっと大きい姿で乗せてくれればいいのに。」

「あたくしもちゃんとした姿になりたいのですがいろいろありまして、人型とこの小さいかわいらしい姿にしかなれないのでございます。」

 自分でかわいらしいとか平気で言う召使いだった…。


「あと、エオリス様よりこのカバンを頂いてきております。地球のアニメで青いタヌキがもってる四次元ポーチみたいなもので便利に使える物ですね。」

 すごく地球のアニメとかにかぶれてるドラゴンだった。

「なんで俺じゃなくてお前になんだよ、そういうのって普通こっちに渡さない?」

「これ大量の物を収納できますが重さは結構あるので便利ですが邪魔にもなってしまいます、なので私が持たせて頂きます。」

 物の大きさは無視して入るが重さはそのままのため微妙に不便とのことだった。


「ところでご主人、そろそろあたくしのことをちゃんと名前で呼んでくださいませんか?これから長いお付き合いになるのですし、せっかくかわいいムシュフシュという名前があるのですから!」

 確かに召使いとしてこれからずっと一緒に居るならもっと仲良くなっておくべきなのだろう。


「そうだな、ムシュフシュじゃ長いし呼びにくいからムゥでどう?」

 ゴロ的にもムゥは呼びやすいしいいあだ名だと思った。

「ちょっと言いたいこともありますがまぁいいです、ムゥちゃんとお呼びくださいませ!」

「ヤダよ、でもムゥこれからよろしく頼むよ。」

 はいっと微笑みかけてくるムゥと相棒になった瞬間だった。


「よし、じゃあとりあえず、ステータス!」

 そう言いながら右手を振ってみた…何も起きない。


「ご主人なにしてるんですか、そんなこと言ってもゲームじゃないんだし出るわけないじゃないですか?」

 ムゥが何してるの?って顔で見てきた。


「そうなの?普通に異世界行ったら自分のステータスとかレベルとか数値化されてるもんだと思ってたんだけど!?」

「何言ってるんですか、そんな都合のいいもんあるわけないのでございますよ。」

 異世界に来たらとりあえず自分の強さを確認できるものだと思っていたが無理なようだった。


「ご主人の体は地球人より遥かに強いし、確かにそういうように見せてくれる神様もいますけど、基本的に地球と一緒でそんなもの存在しないですよ。」

 強化はされてるらしいが確認手段は実際に動いてみるしかないらしい。


「でも本当に異世界に来たんだなぁ、空気も美味しい気がするし緑が多いな。」

 周りを見渡してみるとここは山の中なのだろう、木々が生い茂り小動物や鳥の鳴き声が聞こえてくる…。


「なんでこんな山の中に飛ばされたの?」

 率直な疑問だった、山の中で街や村があるかすらわからない場所で地図もないしちょっと難易度高い気がした。


「何もないからですよ、急に襲われたりして不意打ちで即死しないように比較的安全な場所に転送されるのでございます。」

 確かに転生して即死は意味がないから当然の処置といえばそうなのだろう。


「それに、一応近くに村か街はある場所が選ばれているはずなので探せば見つかるはずですよ。」

 そういうことならと俺達は周りを散策してみることにした。


「そういえばムゥ、お前ってちょこちょこ語尾が変な感じになるよね?」

「そうですか?慣れてくださいませでございます。」

 わざと変な風に言われた気がした、直す気もないみたいだ。


 俺とムゥはそんな話をしながらとりあえず山を下り村か街を探すことにした。

「ご主人、どのくらい能力が上がってるかとか確かめないんですか、さっきステータスとか言ってましたけど?」


 さっきの行動をいじりたいのかニヤッとしながらムゥが話しかけてくる。

「いいだろ別に、でも確かにどのくらい動けるのかは確認したほうがいいのかなぁ」

 実際、少し歩いているが体は軽く疲れる気配もまったくない少し派手に動いて確認してみるのもありかもしれない。


「また来やがって、お前たちにやれるもの無いと言っているだろうが!!」

 そんな時だった、前方から男の人のであろう大きな声が聞こえてきた。

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