こうして僕の恩返しは始まった
こんにちは。なおです。
初投稿です。よろしくお願いします。
※仕様上、公開してますが、5万字くらい書ききってから連載スタートさせます。
普通に会社員で、ゲーム実況とかもやっている(※フォロワーは3人という最弱)ので何時になるかはわかりゃしませんが。ラノベもゲームもアニメも好きすぎて。
どうせ人生って一回だし。やりたいことくらいやって良いよねって感じです。
身の丈に合った人生を送る。多くの人は幼い頃に壮大な夢を持ち、心身の成長とともに知性と理性を得て妥協し、あるいは納得し、手の中に納まる現実で生きていくことを選ぶ。その人生が間違いかどうかは分からない。結局は人生の満足度なんてものは本人の中で完結するものだ。ならば、未だに自分の可能を信じる少年が、身の丈に合わない夢を追いかけることを、誰が止められるだろうか?
ましてや、それが幼い頃に魂に根付いたものならなおのこと。
いつか必ず、恩を返す。そのために強くなる。
そう心に決めて、実家の農作業の傍ら、鍬を剣に見立てて素振りをし、ダンジョンの探索資格を得る年になると、書置き一つで村を飛び出した。
家族には申し訳ないことをしたと思っているが、どうしても止められなかった。僕は物心ついた時から気が弱く、体の線が細かった。家族からは僕が冒険者なんて死ぬだけどと言われていた。しかし、どうしても諦めきれなかった。あの時僕を救ってくれた彼女の背中を今度は僕が守りたい。その想いが、僕を突き動かしてやまなかったんだ。
村を飛び出したのが、12歳の時、ダンジョン都市リザイアに来て3年。
鍬を片手に訓練した剣技はまったく役に立たず、唯一僕が入れたクランは酒飲みエルフがリーダー、メンバーは僕だけの弱小クラン銀翼だ。
そして僕は、今日もダンジョンで生活費とろくでなしエルフの酒代を稼ぐためにダンジョンに潜っている。
休みなくダンジョンに潜るも強くならず、命を懸けて稼いだ金は気付けば酒代に消えている。それでも、生活と夢の為ならと、歯を食いしばり努力をしてきたつもりだが、やはり僕みたいな才能のない人間が強くなろうと思うのは間違っていたのだろうか。
「悪いことは言わない。君は冒険者には圧倒的に向いていないよ。いつか必ず、命を落とすことになる。君はそれでも、冒険者に、強くなりたいのかい?」
僕は、クランに入る時に飲んだくれエルフから言われた言葉を思い出してた。普段は、大体二日酔いでだらしない癖にあの時だけは、似合わない真剣な表情だったな。
「あぁ、まさしく今日が僕の命日になるかもしれない・・・。」
理由は簡単だ。何せ僕が隠れている岩陰の先には、筋骨隆々の赤い体躯に見るものを竦ませる鬼面のモンスター、大鬼がいるからだ。幸いなことに、息を潜めていた僕には気づいておらず、モンスターの視線は、僕のことを捉えていないけど、気づかれるのも時間の問題だろう。
ブックマークとか付くとやる気が出ます。
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