第3話
入学式はなにもなく終った。
しいて言うなら、校長の話が長すぎて途中で寝てしまいそうになったぐらいだ。無論寝なかったが。どこの校長先生も話は長くてつまらない。なぜだ。
そして、今は体育館から帰ってきて
「なーなー、LINE交換しようぜ」
「おけおけ、ちょいまち」
「みんなでグループ作らない?」
「いいねー、じゃあうち作るねー」
と、言う状況だ。
誰が言ったのか俺は『付き合うとめんどくさいやつ』というレッテルを張らたため、一人だ。
要するにボッチである。
凉はすでにクラスメイトと打ち解けていて、友達と話している。あの性格のためか、すぐに友達ができるのも納得できる。
それに対して俺は一年間、いや、もしかしたら三年間ずっとボッチなのかもしれない。さすがにそれはまずい。誰かに話しかけなくては。
「よう、あの自己紹介はさすがに吹いたぜ」
等と考えていると、後ろから俺に話しかけてきたやつがいた。
「しょうがねーだろ、事実なんだし。それよか、始めて会った人に、初っぱなからその言葉かよ」
「始めて会った人にそんなしゃべり方される人に言われても。俺は大空翔、お前の左後ろだの席だ。これからよろしく」
そう言って翔はニカッと笑った。
「あぁ、よろしく俺は中洲悠人だ」
「知ってる知ってる。悠人、お前かなり有名人らしいからな」
「正直、ここまでとは思っていなかった。大方、同じ中学のやつが言いふらしたんだろ」
有名人なのは自覚はしていたが(悪い意味で)、さすがにここまでは思っていなかった。
「お前高一にもなって、未だに中二病なんだって? さすがに長すぎないか。そりゃあ、俺にも中二病の時期もあったがそこまで長くかったぞ」
「心外だな。中二病に見えるかもしれないが、俺はこの街を妖魔から守っているんだぞ。それをどいつもこいつも中二病だと言っているだけだ」
「いやいやいや、それを人は中二病というんだよ! お前真面目な顔されながそれを言っても、ぷっくっくっく……」
言っても信じてくれないものだとは頭では理解していても、普段ならイライラしてくるものなのだが、翔には不思議とイライラしてこなかった。
「なあ翔」
「なんだよ」
「これからも俺と、話してくれないか?」
「……」
あ、流石に会ってすぐにこれは変だったか。
「あっはっはっはっ。は、腹痛い。い、今時そんなこと言うやついるのかよ。マジでお前面白いわ」
「お、お前そこまで笑うことかよ!」
「そこまで笑うところだから笑ってんだよ。いいぜ、話そう。悠人みたいなのがいると今年一年間楽しそうだ」
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