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ファースト・ダウト  作者: 羽島りゅう
序章:出会いの季節
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第4話

「だから俺はこの街全体に、妖気の大きい人たちを妖気を小さくする結界を貼っている。だからこの街の人たちは妖魔が見えないし、襲われない」


「でも、私は妖魔の攻撃が見えましたよね? そもそも、妖魔ってどんな形をしているんですか?」


「まず一つ目の質問だけど、この街に貼ってある結界は大地から還元されて体の中にある妖気を自動的に外に排出させるもので、一気に排出すると違和感がある。だから違和感の少ないよう効果が押さえられている。多分、凉の身に付けていたお守りが壊れて、妖気が駄々漏れになっていて、さらに今日この街に来たばかりだから見えたんだと思う。

 二つ目の質問は、妖魔はいろいろな形をしている。妖怪や虫、鳥とかたくさんの姿をしたやつがいる。なかには限りなく人間に近いやつもいる」


「人間の姿に近い妖魔だと、どうやって見分けるんですか?」


「基本的には会えば分かると思う。妖気の量が普通と違うから」


「じゃあ、この街にいたら私の妖気も排出されて妖魔が見えなくなるんですよね?」


 凉は安心感を求めている、そんな目をしながらこっちを見てきた。でも……


「多分それは無理だと思う」


 嘘はつけない。人の命がかっかているから。


「どうして……」


「さっきも言ったように、あのお守りを持っていたということは妖気の還元率もいいんだ。それも結界では追い付けないほどに。だから、妖魔が見えなくなることは()()()ない」


「そう……ですか」


 やっぱり言いたくなかった。すごく落ち込んでる。でも気づいていないのか?


「安心しろって。『普通は』って言っただろ」


「え?」


「それでさっきの『うちに来ない?』の話になるんだ」


「あ、そこからさっきの言葉がきたんですね」


 うん、そうなるよね。明らかに話す順番間違えたもん。


「俺の家には、一定以上の妖気を持った人が入ると、一定の値に幻覚させる結界が貼られているから、うちで新しいお札が見つかるまで生活しない? ってことなんだけど……」


「迷惑じゃないんですか?」


「むしろ、一部屋掃除しなくてラッキーぐらいなんだけど。それに俺も独り暮らしだし」


「それはそれで不安なところもあるんですが……」


 独り暮らしの高校生の家で一緒に生活するってそりゃあ不安にきまってるよな。


「じゃぁ、しばらくお世話になります」


 ……え? まじ? 即決?

 たしかに俺にはこれしか方法が思い付かなかったけど、仮にも男子高校生の家に泊まるんだぞ。

 結構決定力があるんだな。



 こうして出会いの季節に普通の人には理解できない、不思議な関係が始まったのである。

 連続投稿終わり。

 ここまで読んでくれた方ありがとうございます。

 批判、応援、もっとこうした方がいいよ、等々の感想ください。『小説家になろう』のアカウントなくても感想書けるので。(多分)


 ではまた~。


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