第5話
名越高校の初日の授業日程が終わり、久々の授業でみんな疲れていた。
そんな中、先生が帰りのホームルームをしているとき、
「それから、後一週間後にクラスの親睦を深めるために社会科見学に行きます。そのための班を今時間があるので決めちゃいましょう。一班に大体四人ぐらいで作ってください」
と、先生が言うと今まで疲れて静かだったクラスが一気に騒がしくなった。
そう言えばそんなことが年間行事予定表にかいてあった気がする。社会科見学という名目上でどっかのキャンプ場を借りてカレーを作るらしい。
さて、誰と班を組もうかと考えていると、凉が話しかけてきた。
「あの、悠人くん。もしよかったら一緒の班になりませんか?」
……本当はこちらから誘おうとしていたが、凉から誘ってもらえるとは思っていなかった。
今までは誘う側だったからうれしい。
「俺も誘おうと思っていたから、こちらから頼みたいぐらいだよ。そうなると後二人だけど……」
「おーい、悠人と凉ちゃん一緒の班になろうぜ」
後の二人をどうするか考えていると翔が俺と凉に話しかけてきた。……女子を連れて。
「別にかまわないけど……」
視線を隣のミディアムの女子に向けた。
「ん? あぁ、こいつは俺の幼馴染の」
「大畑恵です。私も班に入れてくれないかな?」
「いいですよ。よろしくお願いします」
「よろしく」
「うん、よろしくね。あ、呼び方はなんでもいいよー。中川凉だから……うん、ずっちゃん。ずっちゃん、私には敬語禁止だかね!」
「そうですか……いえ、改めてよろしくね、めぐちゃん」
凉と会って初めて敬語じゃないところをみた気がする……。
「中洲くんは……うーん、ゆーくん? うん、ゆーくんがいい。いいかな?」
「あぁ、俺はいきなりニックネーム呼びできないから大畑で」
そもそもの話、俺には近づくなという雰囲気があったため、ニックネームで呼ばれたことがほとんどなかった。
「よし、じゃあ自己紹介が済んだところで役割分担しなきゃいけないけど、どーする? 料理と火の調節をする役割があるけど。俺は料理ができないからできれば料理担当はパスがいい、悠人は?」
「料理はちょっとな……できれば火の担当がいい」
凉が家に住む前までは自分で自炊をしていたから出来なくはないが、あまり好きではない。
「なら私が料理担当をやりますよ」
「あっ、じゃあ私も!」
凉につられるように大畑も料理担当に立候補した。
「じゃあ、俺と悠人は火の担当だな。あとはリーダーだけど」
「お前がやれ」
トップとかそういうのはやりたくないから、思わず即答してしまった。
「なんかめちゃくちゃ圧を感じるんだけど……。二人とも俺でいいのか?」
「いいですよ」
「ま、いいんじゃない」
全員一致の賛成(?)で翔がリーダーとなってこの時間が終わった。
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