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第2話 お目当てのキャラとキャッキャウフフ...になるとでも思った?

りるるが目を覚ますと、そこには...

やったら大きな学校…学校?お城?がそびえ立っていた。


「(こ、ここ...!私立橘学院しりつたちばながくいんなのです...!!)」


私立橘学院しりつたちばながくいん

「プランスレーヴ」のキャラが通う学校のひとつであり、りるるの大好きなキャラの何人かも所属している学園だ。


「(す、すすすすごいのです~!りるる、夢小説のヒロインになってるのです~!)」


興奮も冷めやらないまま、りるるは橘学院の校舎の中に入って行った────




「えーと、転校の時は職員室、なのです…」


あわよくば、キャラ達がりるるを見つけて案内、そしてそれがきっかけで友達に...


などと考えていたが、りるるはあっさりと職員室を見つけてしまった。


「(むう。つまんないのです。…まあ、それより早くキャラに会いたいのです♪)」


心を入れ替え、りるるは職員室のドアを開けた。


「こんにちはー!なのですー!今日から転入する姫野りるるなのですー!」


りるるが元気に...言い方を変えればやかましくそう言うと、教員達はびっくりしてりるるの方を向く。

りるるを見てすぐ視線を戻す者もいれば、引いたようにりるるを凝視している者、三者三様だ。

すると、一人の女性がりるるの方に向かってくるのが見えた。


「こんにちは。貴方が転校生の姫野りるるさんですね。貴方のクラスの担任になる、佐倉香織(さくらかおり)です。よろしくね」


クラス担任の佐倉香織は...茶髪を三つ編みにして後頭部で結っている────所謂ギブソンタックと呼ばれるの髪型の、大人しそうな清楚な女性だ。

美女の括りに入れられるであろう佐倉を前にしたりるるは...


「(うーん、りるるの入るクラスにいるキャラって誰なのですかねー。ヒロ君やバンちゃんがいるB組?それとも正臣(まさおみ)様がいるC組?気になるのです~…)」


…プラレのキャラ達のことで頭がいっぱいのようだ。

そんなりるるの思想に気づいてないのか、佐倉は


「では、クラスに案内するから着いてきてください」


と言って、りるるを連れて職員室を出た。






「ここですよ」


佐倉に着いて行った先、りるるのクラスは…A組のようだ。


「(A組!なら翠君と優太君がいるクラスなのです!)」


どうやらお目当ての一部(?)でもあるキャラと同じクラスになれた様だ。

りるるは内心、お祭り騒ぎだ。


「じゃあ姫野さん。私が呼んでから教室に入ってください」


そう言うと先に担任である佐倉が教室に入る。

少しすると、教室の中から生徒達のざわめく声が聞こえる。


「(はわわ…な、なんだか緊張してきたのです…!)」


「では入ってきてください」


中から聞こえた佐倉の声に、りるるはビクゥッと跳ね上がったが、息を整えて教室に入る。

りるるが入室しクラスメイトの前に立つと、全員言葉を失って唖然としてりるるを見ている。


「それでは姫野さん。皆さんに自己紹介をお願いします」


「はいなのですぅ!りるるは、姫野りるると言うのです!趣味はお菓子作りで、甘いものとふりふりした可愛いものが大好きなのですぅ!よろしく、なのです♪むふふ~」


りるるが「きゃるんっ♪」といった効果音がつきそうなウインクで自己紹介をすると、クラスメイト達は思わず「うわ~…」と言葉を溢しドン引きしていた…。

その様子にりるるは…


「(りるる、注目されてるのです!やっぱり、みんなりるるの可愛さに見惚れているのです!)」


…ぶっちゃけるとそんなことは無いのだが、クラスの生徒達の心境など知ったことではないりるるはクラスを見回した。

すると...


「(きゃあああああ!!!い、いたのです!翠君と優太君いたのです!翠君イケメン…優太君はすごく可愛いのですぅ!)」


りるるの目線の先には…りるるを驚いた表情で凝視しているオレンジ髪で前髪をヘアピンで留めている少年と、その少年の後ろの席に座っている、りるるのことなどどうでもいいと言わんばかりに無視して窓の外を見ている銀色短髪のイケメンがいた。


彼らこそ、「プランスレーヴ」の登場人物である「赤井優太(あかいゆうた)」と「高原翠(たかはらみどり)」本人である。

赤井優太は双子の弟で、兄は別のクラスにいる。兄弟揃って愛嬌がある。

高原翠はその真逆で、常にやる気がなく寝てることが多いダウナー系キャラだ。


「(ひゃあ~!カッコイイのです可愛いのです!りるる、今の気分はもう、サイコー!なのです!)」

「それでは、姫野さんの席は堀江君の隣でお願いしますね」

「ほえ?」

「え?」


突然現実の世界へ戻されたりるるは、思わず間抜けな声を発した。

え、なんで?翠君か優太君の隣じゃないのですか?なんで!?夢小説だったらそうですよ!?


「あ、あの!りるる、あそこら辺の席がいいのです!」


と、お目当ての二人の席を指さすが


「ごめんなさい。席は元々決めてあるの」

「い、移動は出来ないのですか!?」

「ごめんなさいね」

「ふええ…」


もう今にも泣きだしそうなりるるだが、佐倉も申し訳なさそうに「ごめんなさいね」と再び謝罪した。


「(うう…いいのです。その代わり昼休みになったらいーっぱい翠君と優太君とお話するのです!)」


と、気を取り直して自分の席に座る。

と────


「よろしく、姫野」


「あーはい、よろしくなの…で?」


「?」


隣の席から男子の声が聞こえてきた。

反射神経で挨拶をしようとそちらの方を向いたりるるは固まった。


隣の席の男子生徒は…金髪碧眼のイケメンだったからだ。

さらさらな金糸の髪。宝石のように輝くブルーサファイアの瞳。

どこかの国の王子様か…!?と錯覚する程だ。


「(え、え?こ、こんなカッコイイ人、プラレにはいなかったはずなのです…!え、も、モブキャラさん…なのでしょうか?)」


「どうした?」


頭の中で若干混乱に陥ってるりるる。そんなりるるに、男子生徒は心配そうに顔をのぞき込む。


「ヒエアッ!?だだだ、大丈夫!なのです!えーと、堀江君、なのです?」


「嗚呼。堀江斬嗣(ほりえきりつぐ)。よろしく」


「は、はいなのです!よろしくなのですよ堀江君!(も、モブキャラでもこんなイケメンがいるとは…!流石プラレの世界なのです!)」


そんなこんなで、姫野りるるの逆ハー狙い奮闘記…と言うかは分からないが、第2の人生が始まったのだった。

めっちゃ今更ですが主人公の挨拶を書き忘れるというクソみたいなミスをしたので編集しました。すみませんでした。

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