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高校生活、平々凡々にスタートします。

今回『クソ小説(小説とも呼べない稚拙な作品の意。お目汚し作品ともいう。)』を書かせていただきます、ノーブルと申します。どうぞ存分に目を汚していってください。

 どうも!最近流行りの『異世界転生』をした祠堂真です!皆さんよろしくお願いします!



 ……なんてパンチの効いた挨拶をすれば周りにどう思われてしまうのだろうか。自己紹介の順番がまわってくるまでの間、俺は緊張からそんな現実逃避をしていた。



 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 俺が初めて『転生者である』という自覚を持ったのは五歳の時。保育園で泥団子を作って遊んでいた時に急に思い出したのだ。

 記憶がいきなり想起されたことへの負担で頭がパンク(比喩)し、失神。次に目が覚めたのは病院だった。思わず


「知らない天井だ……」


 と呟いてしまった俺を誰が責められるだろうか。いや、別に責められるようなことではないが。

 内心めちゃくちゃビビっていたが、隣で不安げな両親を安心させるために普段通りに接し、その場はなんとかなった。というかなんとかした。保育園の保母さん達にもかなり迷惑を掛けてしまった。本当に申し訳ない。しかし俺は謝らない。なぜなら俺が悪い訳では無いから。


 さて。

 それからまあ色々あったのだが、そこは割愛。外見と中身のギャップを悟られないように気をつけるなんて、そんな描写は他の作品でされ尽くしているだろうし。

 問題は今この時間だ。ただでさえ人と接するのが苦手な俺である。さらにそこに『中身がおっさん』というマイナス要素が加わる。つまりは、『小学生っぽい自己紹介って何?』ということである。

 一年生や二年生までは『趣味は読書です……』なんてボソッと言っておけばそれで良かったのだが、この三年生になって俺はハズレを引いてしまった。何故かと言うと、理由は簡単。


「よォーし、お前ら!この一年間、お前らを教え!導く!武藤(むとう)(かい)!よろしくゥ!!」


 この担任、よりにもよって熱血教師なのである。しかもアホのほう。

 そんな教師なせいで小さな声でボソッと自己紹介をしようものなら即座にやり直しさせられるし、内向的な趣味を掲げようものなら、


「なにぃ?本ばっかり読んでるからそんなになよっちいんだ!これからビシバシ鍛えてやるからな!」


 ガッハッハ、である。

 いやいや、じゃあお前は本を読まずに教師免許を取ったのか?などツッコミどころ満載ではあるがそんなことを言えるはずもない。内向的でコミュ障だからね、仕方ないね。

  ていうか、割とマジでどうしようか。読書以外の趣味なんてゲームぐらいしかないし。だけど『野球が好きです!』とか言ってそれがもしこいつの琴線に触れてしまったら面倒くさいことになってしまいそうだ。具体的には


「そうか!先生もそれが好きなんだ!ちょっと話でもしてみないか?」


 とか。あーもう想像するだけで面倒くさい。

 考えろ考えろ考えろ。こいつの好みに触れない、そしてインドアじゃないけどそこそこ楽できる趣味は……!


「祠堂真です。趣味はいろいろあるけど、まぁ……ドッジボール……かな?一年間よろしくお願いします」


 成功だった。さすが俺。

 ドッジボールの語源であるdodge(ドッジ)には『すばやく身をかわす』という意味の他にも『ごまかす』『言い逃れる』といった意味もあるらしいので、言い得て妙だった。



  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 そんなこともあったなぁ、と現実逃避。今は小三の頃の思い出を楽しんでいる場合ではない。

 今俺がすべきことはただ一つ。高校生活最初の自己紹介タイムで滑らないようにすること。

 どういうことだ。普通『異世界転生者』というものは神様にチート特典を貰ってかわいい女の子(ただのオ○ホール)達を侍らせるのでは無いのか。悩むことが何一つない……かは分からないが、少なくとも自己紹介で悩むようなヤツらでは無いはずだ。『自分、コミュ障でボッチです』とか『俺は冴えない顔で……』とか、じゃあなんでお前女の子口説けてんだよ。しかもなんでそれでホイホイついて行くんだよ。場合によっては口説かずにでもついて行くこともあるし。おかしいだろ。くそぅ。くそぅ。

 俺がテンプレートな『異世界転生者』について恨み辛みを脳内で吐き出している間に二つ前の人の自己紹介が終わった。やばい、どうしよう。何も思いつかないが、読書だけでいいはずもない。もしそれだけで終わってしまえば『アイツ暗っ!!』となる。俺が女の子だったらそこから乙女ゲーもかくやという快進撃を見せることもやぶさかでないのだが、生憎俺は男だ。そんなことをすればBLタグがついてしまい、腐女子の方々御用達になるのでしない、というかしたくない。だから皆さんステイステイ。ご着席くださいな。

 前の人の自己紹介が終わった。俺の番だ。


「えーっとぉ……祠堂真です。趣味は読書やゲームなど、どちらかと言えばインドア派です。あ、一番好きなのは炬燵でアイスを食べることです。一年間よろしくお願いします」


 …………。

 周りの反応を見るに、セーフだったらしい。特に問題なく俺以降の自己紹介が終わった。

 異世界転生者にあるまじき、平々凡々なスタートだった。

どうですか?しっかり目は汚れましたか?それはよかった。もし汚れていないのであれば汚れるまで延々と読んできてください。大丈夫、ものの三、四回で汚れますから。


こんな作品・作者ではありますが、感想等頂ければ幸いです。こうみえても私、感想乞食ですので。

え?『こうみえてもって、俺お前のこと見たことも聞いたこともことねーから!』ですって?そりゃあそうですよ。むしろ知ってたら怖いです。知ってた兄貴姉貴たちは自首して。こわい。

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