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神様の端末としてのんびりまったり縁を結びます  作者: 愚true
第1章 覚醒の日
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(8)   女神の過保護




【アスファリアからの加護一覧について♪】


 ・肉体強度:最大(ドラゴンに踏まれても壊れないよ!)


 ・高速再生能力付与:大気中の魔素や物質を自動吸収して、どんな怪我でも高速再生させます。(腕や足ならちょんぎれても生えてきます!心臓とかの臓器も再生可能だよ!!でも、首ちょんぱや脳が破壊されると再生不可になるのでそこは注意してくださいね)


 ・物理攻撃補正:大(その気で全力攻撃すれば、アダマンタイトでも砕けるよ!)


 ・外見補正:大(初対面の人から好感もたれやすいように、食べても必要以上に太らないし、美形になるようにしときますネ)


 ・戦闘補正:最大(戦闘行為時には認識能力や運動能力、体力が超大幅に強化されます。ふぇんりると追いかけっこだってできるようになるよ!)


 ・基礎体力成長補正:大(食事や運動で得られる基礎体力の成長度合いが大きくなるよ。旅には体力必要だし、病気とかしないように基礎体力は必須ですよね☆)


 ・耐毒補正:最大(どんな毒でも瞬時に分解するので安心です!)


 ・抗魔力補正:最大(ロードリッチ程度の呪詛や魔法までなら、かきーんって相手に跳ね返すよ!)


 ・各属性魔法への魔素変換および魔力制御能力補助:最大(好きに魔法使ってどこでも安全に生きていけるように、魔素の制御について自動補助するようにしておきました!ただ、魔法そのものの使い方はそちらで勉強していただかないといけないと思うけど、それは現地で勉強をよろしくお願いします)


 ・言語理解に関する加護:『翻訳』と念じれば、副映像や副音声で認識できる言葉に自動翻訳したものが見聞きできるようにしておいたよー。


 ・寿命に対する加護:とりあえず肉体年齢が18歳くらいまで育ったら、あとは不老になるように設定しておきました。


 ・超特典:創造魔法を許可してます!(私の創造神としての能力の一部使用を許可します。元とする魔素や魔力、素材となる物品自体は必要としますが、逆にそれらさえ揃えられるのならば、創造魔法でなんでもつくれますよー。創造魔法のための教本兼魔導具についてはアイテムボックスの中に入れておきますネ☆ どんなものでも作れるけど、なるべくなら生命体の創造は自重しておいてくれるとアスファリア嬉しい☆彡)





……ごしごし。目をこすってもう一度見直してみますが、説明書に書かれている文字に変化は見えません。


(…………えっと……あの、ちょっと待ってください、アスファリアさま。

 ――これ、どう考えても私のこと、人間辞めさせてないですか?)


加護一覧について目を通して、思わずヴァルトは、呆然とした目になりながら、そう思ってしまった。


そのあとしばらくの間、ヴァルトは思考停止状態で固まってしまう。

しばらくして驚きが落ち着き、再起動したヴァルトが真っ先に考えたのは、


(……人間、驚きが大きいと行動する気って何もなくなるものなんですね)


という実感であった。


(たしか、多少の加護、と言ってたはずなんですが……あぁ、神と人では、そもそもの基準が違うのでしょうか?

 それにしても、これはやりすぎじゃないですかね、女神さま……)


 アスファリアさまの端末として、将来活動していくことを期待されている。だから、そのために死なれては困るからってことで詰め込んでくれたのだとしても、これでは普通に人外レベルになるとヴァルトには思われた。

 

 アイテムボックスにしてみても、多少どころではない品物ではあるものの、あれに関しては使い方や使う時の状況に気をつけさえすれば、まだ対応はいくらでも可能である。

 だというのに、与えられている加護の内容と来たら、アイテムボックスの非常識度合すら霞むほどの、いったいどこの最終決戦仕様なんですか?というレベルの内容てんこ盛りだったのだ。

 ヴァルトが思わず頭を抱えてしまうのも仕方がないことであった。


 特に危険なのが、肉体強度や再生能力に関する部分と、物理攻撃補正や抗魔力に関する部分、それと寿命のとこにある18歳以降は不老になる、というところだと、ヴァルトには見受けられた。


(……耐毒補正とかはありがたいものですが、先の5つについては気をつけておく必要がありますね……特に抗魔力に関しては、下手に攻撃魔法を受けてしまうと、反射してしまうということで簡単に目立ってしまいそうです)


 アスファリアからのメモの抗魔力の欄に書かれていた、ロードリッチという存在は、単体で街一つ国一つを滅ぼせるほどの魔法を操れるという、災厄とすら言えるレベルの魔法使いが死を克服することで成れるといわれる化け物であり、それの魔法すら跳ね返すというのであれば、実質、ほぼ全ての攻撃魔法を跳ね返せるといっても過言ではない。


(これは他の人には簡単に相談したりもできないことですし、下手な形で知られてしまったりすれば、国などに束縛されることになるのが目に見えています。

 私の今の身分は貴族の三男坊ですから、アスファリアとの契約通り将来的に色々な人や物、場所と縁を結ぶために旅に出たり出奔したりして世界各地を回ること自体は可能な立場、のはずではありますが……アイテムボックスやこれらの加護のことを知られてしまえば、きっと出奔したりするのは難しくなってしまうことでしょうね)


 はぁ、と思わずため息がでてしまうが、すでに行われたモノである以上は仕方ない、とヴァルトはあきらめて受け入れることにした。


(そもそも、あの女神からの加護がなければ、きっと今頃はあの汚らしい人さらいたちに捕らえられてミルカともども嬲られている状態だったかもしれなかったんだ。

 さらに違法奴隷として売られ、生きていくことになっていたのかもしれないと考えれば、これから先のことに関して、多少隠し事をしながら生きていかなければいけないなんてことは、たかが知れている苦労だと言ってもいいくらいでしょう。

 ええ、そう思うことにしておきます)


 そのようにヴァルトが自分に与えられた力について検証し、考え込んでいたりしたのは、ヴァルトが感じていたよりも長い時間であったようだ。

 ドアがノックされ、館の執事長であるアドモンから、その渋い声でヴァルトのことを父たちが呼んでいる、という要件をドア越しに伝えてきたからだ。


(まぁ、与えられたアイテムボックスや加護のことについて考えるのは後でもできます。

 いまはひとまず、あの賊たちに関することを父様たちに筋道だててミルカの手柄だとすることに頭を切り替えましょう)


ヴァルトはそう結論づけて、ひとまず問題の棚上げをすることに決めると、アドモンに返事をして部屋の外へと向かって歩き出した。



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