ペットショップ
とある日、仕事の帰りに俺は小さなペットショップを見つけた。高層ビルの間にチョコンと建っているペットショップは、どうして今まで存在に気づかなかったのかわからないほど不自然だった。別にペットに興味があったわけではないのだが、たまには小動物を見て癒やされるのもいいだろう。そう思った俺はそのペットショップに入ることにした。
小さいお店だしそこまで大したことは無いだろうと思っていただけに、実際に入ってそれなりの種類の小動物たちを目にしたときはすこし驚いた。さて、何から見ていこうかと店内をぐるりと見渡すと、じーっとこちらを見ている鳥がいることに気づいた。自分が言った言葉を復唱するというあの鳥だ。種類は…たしかオウムといったか。話にはよく聞くが実際に話しかけたことは無い。面白そうだと思い、試しに話しかけてみることにした。
「こんにちは」
「コンニチハ」
おお、すごい。ほんとに復唱するようだ。話しかけると全く同じことを返してくるその鳥は、ずっと話しているとなんだが鏡の自分に向かって話しかけているような気がしてきた。
楽しくなってきた俺は、その後も何度もオウムに話しかけた。
「こんにちは」
「コンニチハ」
「こんにちは」
「こんにちは」
「コンニチハ」
しばらくそうしていたが、流石に飽きてきた俺は店を出ることにした。いや、久々に楽しませてもらった。また時間があれば遊びに来よう。
・・・ところで、この鳥かごはどうやって出るのだろう?
「あ~やっとだ。これで出られる。」
そう言いながらペットショップを出て行く俺を、鳥かごの格子越しに見ながら、俺はそんなことを考えていた。
いかがだったでしょうか。SFってわけじゃないですけど、そんな感じの雰囲気が出したくて書いた作品です。




