前へ目次 次へ 79/108 松尾・松尾・末男 マツオ・マツオ・スエオ 父の苗字も母の苗字も、松尾だった。名前はスエオであるが、友人や同輩からはマツオと呼ばれている。 「マツオの本名って知ってる?」 「さぁ、何だろう」 「マツオ・マツオ・マツオ、らしいぜ」 「そいつは、マツオ、だなぁ」 「だろ」 朝鮮やベトナムでは苗字を二つ父母のものを持つらしい。どちらの国も漢字から表音文字へシフトした。古い中華の文化支配から逃れるために、面倒を背負い込んで速度を犠牲にしたのだろうか。その癖に、万事が中華訛りだ。