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5、割合

特定の面白さの束を、ジャンルと呼ぶ。客層と言い換えてもよい。年代、教養、思想ごとに好むジャンルが分かれる。小説の三割を占める大切な要素だ。おおよそ三割だ、品物によって配分も違っているので。


残る七割は、文の巧拙と人柄。作者の性格と趣味ですか。ジャンルが充満し、道具や面白さ(キャラ小説なら女の子のパターン、SFなら機構やジャーゴン)が似通って、その時に差のできるなら技術、次いで人柄ようよう白く。


島本和彦だったか、どうも根っこの所がしろうとくさいと云うか、中学生くさい人がいて。人格の信用されるのはその為のように思われる。これがアベコベな白うと品質に黒うと人格だと信用されない。7の内訳。


3と7は、商材と営業力と例えてもいい。文の技芸と、文を介した作家の社交性とを伸長するなら、うけるジャンルの変動しても危うからず。ジャンル、面白さに拘泥し、自身の営業スキルを磨かないのなら百戦して百敗す。


当て身七分に技三分。柔術らしい投げ技は30%で、打撃が70%を占めると云う。柔の「道」は30だけを取り出して、工夫する競技である。余分なことを捨てる教義である。


SF小説、推理小説、ファンタジー小説、時代小説。元々はこれらの共通部分の開発、および保守点検を「文学」が担っていたようだけど、今「BUNGAKU」って言うとポエムの兄弟の事を指すようで、水っぽい「カンセイ」達にすっかり托卵されてしまった。


かたや推理、SF、ファンタジーは、術ではなく「道」を志向する。推理の為の推理、ハードでハイなファンタジー。「がきの喧嘩、見らんでも分かる」と柔術家にすら馬鹿にされる体たらくだ。


古典の「面白さ」が薄いのは、時代的ノリ、流行の面白さが削げて、技術と人柄しか残って見えない為だ。もし現行の「面白さ」を購読するより古典読書を優先するなら、君は本格的な活字ジャンキィだと言える。


活字ジャンキィとは、目潰し、金的、武器使用、何でもアリの文術家の事だ。執筆ではなく死合い、読者ではなく獲物、小説ではなく兵法である。そうなる前に書を捨てよ。文術は修羅の路。


憚りながらこの闇丘、推理、SF、恋愛、純文、ホラー、時代、ファンタジー、ビジネス、お笑い、ヒューマン、冒険、社会派、日記、評論、これ等の文術すべて修めております。それは大江剣三郎にもできぬことなのです。

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