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思い出したくなかった
やはりさっきのデシャブは間違え無かったんだ
でも…
「…あの、どこで…」
すみません、思い出せず…あ!
「見覚えはあるんです!ただ…ただその…」
だんだんと、語尾が小さくなるのは許して下さい
気まずくて仕方がないのです
あっちは覚えてて私は覚えてないなんて…
「覚えてなくて当然だ」
ん?どういうこと?
「一瞬だけだからな…目があったのは」
目があったのは…?
「エース商事で目があっただろ?」
エース商事?確か一回だけ……!!
その瞬間、思い出してしまった
取引先の会社での事を
そして、その時に会った男の事を
ブルッと体が震えた
何故、思い出さなかったのか
いや、思い出したくなかったんだ
でも、まさかまた会うなんて…こんなこと…
新城さんが入って来たときに逃げれば良かった
いや、今からでも!
そう考え、すぐに体を浮かした
それに気づいた男はニヤリと笑った




