嫉妬する女。
モテる人が羨ましかった。モテる人の話を聞くとイライラした。
真知子はパッとしない素朴な顔でボーイッシュなショートカットモテるなんて生まれて一度も言われた事がない。
長い髪に大きな瞳、キラキラしている友達が羨ましかった。別に好きでショートカットにナチュラルメイク、パンツスタイルをしているわけではない。
自分にはああいったキャンキャン系の雑誌にいる様な女とは作りが違うと認識していたし、無理に頑張って痛い女にだけはなりたくなかった。自分を好きになってくれる男性もごくたまにいたからだ。
だけどやっぱりモテる女の会話は鼻につく。
仲良し六人組で女子会をすれば大抵恋愛話になり、にやにやしながら遠回しにモテて困ってる〜なんてアピールしてくる奴、沢山言い寄られているくせに彼氏を作らずあー彼氏ほしい!
と上ばかり求めている奴。そして黙って聞いていると
真知子は彼氏作らないのー?
と質問される事ほど不愉快な物はなかった。
仕事のストレスと彼女達の会話にカチンときたのが合わさって真知子は
自分ら焦りすぎやろ、理想高過ぎ!
自分がナンボのもんやねん〜!
ってなるやん笑
と一応笑を含めたつもりの発言をしたが一気にその場はシラけた。
まるであなたにだけは言われたくないのよと言われた様に鼻で笑われた後、
確かに〜高望みしすぎかなぁ〜
なーんて皆がまたワイワイ話し出した。
女子会も終盤になる頃、友達2人が席を立ちその後真知子もお手洗いに向かった。
すると先に行っていた2人の声が聞こえた。
てかさー真知子何様?
うちらはさぁその理想で今まで何人も彼氏いたしー!
うちらよりモテてから言って欲しい〜
あれ絶対嫉妬!怖いー!
などとお酒が入ってるからか大きめの声でゲラゲラ笑っていた。
真知子はあの発言をしたことに後悔はなかった。むしろスッキリしていた。
だが二度とその女子会に誘われることはなかった。
あんなストレス溜まる女子会無くなってせいせいした!と無理に笑顔つくった。