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8章24話 星座料理の大挑戦


星の話が大成功に終わった翌日。ホシは朝から上機嫌だった。


「おはようございます」

ホシが弾むような声で挨拶する。


「おはよう、ホシ君」

ケペトが微笑む。


「今日も良い天気ですね」


「昨日の成功で、すっかり自信がついたみたいね」

イシスが洗濯物を干しながら言う。


「はい。皆さんが喜んでくれて、とても嬉しかったです」


「それで?」

ハトホルが意味ありげに聞く。


「昨日言ってた星座料理、本当にやってみる気になった?」


「実は…」

ホシが恥ずかしそうに言う。


「やってみたいんです。でも、地上の食材でうまくできるかどうか」


「やってみなければ分からないわよ」

ネフティスが本から顔を上げる。


「挑戦することに意味があるの」


星座料理とは

「そもそも星座料理って、どんなものなんですか?」

アケムが興味深そうに聞く。


「星の世界では、特別な日に作る料理なんです」

ホシが説明し始める。


「星座の形に食材を並べて、その星座の特徴を表現するんです」


「特徴?」


「例えば、おおぐま座なら力強さを表現して、こと座なら美しさを表現するとか」


「面白そうですね」


「でも、星の世界の食材は光で出来てるんです」

ホシが困った顔をする。


「光で?」

セトが驚く。


「はい。星の実や光の葉っぱとか」


「それは確かに地上にはないわね」

イシスが考える。


「でも、代わりになるものを探してみましょう」


「代わりになるもの?」


「そうよ。見た目や味で、同じような効果が出せる食材を」


食材探し

「それじゃあ、市場に行ってみましょう」

ケペトが提案する。


「みんなで食材を探しに」


「いいですね」

ホシが目を輝かせる。


「どんな星座を作ってみたいの?」

ハトホルが聞く。


「うーん」

ホシが考える。


「最初だから、簡単な星座がいいかな」


「簡単な星座?」


「北斗七星はどうでしょう?」


「あ、昨日話してた七人兄弟の」

アケムが思い出す。


「はい。七つの星だから、分かりやすいかと」


「それはいいアイデアね」

イシスが賛成する。

こうして、一行は市場に向かった。


市場での発見

「わあ、色々な食材がありますね」

ホシが市場を見回して感心する。


「星の世界とは全然違いますが、とてもカラフルで」


「何か使えそうなものある?」

セトが聞く。


「あの黄色い果物は、星の実に似てますね」

ホシがバナナを指差す。


「バナナね」

ハトホルが笑う。


「確かに、黄色くて星みたい」


「これは?」

愛の精霊がオレンジの周りを飛び回る。


「オレンジも良いですね。太陽の星みたい」


「でも」

ネフティスが実用的な質問をする。


「北斗七星を表現するなら、七つの食材が必要よね」


「そうですね」

ホシが考える。


「それぞれの星の性格を表現したいんです」


「性格?」


「はい。お兄さん星は真面目だから、しっかりした食材」


「しっかりした食材?」


「リンゴなんてどう?」

イシスが提案する。


「リンゴは堅実な感じがするわ」


「いいですね」

ホシが頷く。


「末っ子星はいたずら好きだから…」


「ぶどうは?」

ケペトが提案する。


「小さくて可愛いし、プチプチした食感がいたずらっぽい」


「それもいいですね」


七つの食材

こうして、七つの食材が決まった。

「お兄さん星はリンゴ」


「次男星はオレンジ」


「三男星はバナナ」


「四男星はキウイ」


「五男星はいちご」


「六男星はぶどう」


「末っ子星はさくらんぼ」


「カラフルで綺麗ね」

イシスが満足そうに言う。


「でも」

アポピスが心配する。


「これをどうやって星座の形に並べるんだ?」


「それが問題ですね」

ホシが考え込む。


「星の世界では、食材が浮いてくれるんですが」


「浮く?」


「はい。光でできてるから、空中に浮かべて星座の形を作るんです」


「地上では重力があるからなあ」

セトが腕組みする。

その時、ネフティスがひらめいた。


「大きなお皿を使えばいいんじゃない?」


「お皿?」


「そう。お皿の上に星座の形に並べるの」


「それはいいアイデアですね」


神殿での挑戦

神殿に戻って、さっそく星座料理作りが始まった。


「まず、お皿を用意して」

イシスが大きな白いお皿を出す。


「次に、北斗七星の形を描いて」

ネフティスが水で薄く線を引く。


「すごい」

ホシが感心する。


「これなら、星座の形が分かりやすいです」


「それじゃあ、食材を並べてみましょう」

ホシが慎重に果物を並べ始める。


「お兄さん星のリンゴは、ここ」


「次男星のオレンジは、ここ」

だんだんと北斗七星の形ができてくる。


「おお」

アケムが感心する。


「本当に星座みたいに見えますね」


「でも、まだ何か足りない気がします」

ホシが考える。


「足りない?」


「星の世界では、星と星をつなぐ光の線があるんです」


「光の線?」


光の線の再現

「光の線を再現するのは難しいわね」

ハトホルが考える。


「でも」

愛の精霊がひらめく。


「蜂蜜はどうですか?」


「蜂蜜?」


「はい。蜂蜜を細く垂らして、星と星をつなぐんです」


「それは面白いアイデアね」

イシスが賛成する。


「蜂蜜なら金色で、光みたいに見えるし」


「やってみましょう」

ケペトが慎重に蜂蜜を垂らしていく。果物と果物の間に、細い金色の線ができた。


「わあ」

みんなが歓声を上げる。


「本当に星座みたいです」


「これは素晴らしい」

ホシが感動している。


「星の世界の星座料理に、とても似てます」


味の調和

「見た目は完璧ね」

ネフティスが満足そうに言う。


「でも、味はどうかしら?」


「そうですね」

ホシが考える。


「星座料理は、見た目だけじゃなくて、味でも星座を表現するんです」


「味でも?」


「はい。北斗七星なら、七つの味が調和することで、兄弟の絆を表現するんです」


「それは難しそうですね」

アケムが心配する。


「でも」

ホシが微笑む。


「愛の精霊がいれば、きっと大丈夫です」


「私ですか?」

愛の精霊が驚く。


「はい。愛の力で、七つの味を調和させてください」


「やってみます」

愛の精霊が料理の周りを飛び回る。すると、不思議なことに、七つの果物の香りが一つにまとまって、とても良い香りになった。


「すごい」

セトが驚く。


「香りが調和してる」


試食

「それでは、みんなで試食してみましょう」

ケペトが提案する。


「でも、切るのがもったいないですね」

ハトホルが言う。


「せっかく綺麗にできたのに」


「大丈夫です」

ホシが笑う。


「星座料理は、食べることで完成するんです」


「食べることで?」


「はい。みんなで分けて食べることで、星座の絆を分かち合うんです」


「素敵な考えですね」

みんなで果物を分けて食べてみる。


「美味しい」

ケペトが驚く。


「それぞれの果物の味がしっかりしてるのに、全体で一つの味になってる」


「本当ね」

イシスが感心する。


「これが愛の力なのね」


「星座の味ってこんな感じなんですか?」

アケムが聞く。


「はい」

ホシが嬉しそうに答える。


「でも、地上の星座料理は、星の世界のものより温かい味がします」


「温かい?」


「愛の精霊の力と、皆さんの優しさが加わったからだと思います」


感想と反省

「初めてにしては、大成功ね」

ネフティスが評価する。


「ありがとうございます」

ホシが照れる。


「でも、改善点もありますね」


「改善点?」


「もう少し見た目を華やかにできたらいいなと」


「華やか?」


「星の世界では、星座料理はキラキラ光ってるんです」


「光る?」

セトが興味を示す。


「はい。星の光で輝いてるんです」


「それなら」

アポピスが提案する。


「私の力で、少し光らせてみようか?」


「アポピス様の力で?」


「ああ。混沌の力を弱めて使えば、キラキラした効果が出せるかもしれない」


「やってみてください」

アポピスが手をかざすと、料理が薄っすらと光り始めた。


「わあ」

みんなが感動する。


「本当に星座みたいです」


次の挑戦

「今度は、どの星座に挑戦してみたいの?」

ハトホルが聞く。


「そうですね」

ホシが考える。


「今度は、もう少し複雑な星座に挑戦してみたいです」


「複雑な星座?」


「オリオン座とか、カシオペア座とか」


「オリオン座は狩人の星座でしたっけ?」

ケペトが思い出す。


「はい。とても勇敢で格好いい星座です」


「どんな食材で表現するんでしょう?」


「うーん」

ホシが考える。


「勇敢さを表現するなら、力強い食材がいいですね」


「肉料理とか?」

セトが提案する。


「いいですね。でも、星座の形に肉を並べるのは難しそう」


「それなら」

イシスがアイデアを出す。


「パンで星座の形を作って、その上に具材をのせるのはどう?」


「パンで?」


「そう。星座パンよ」


「それは面白いアイデアですね」


将来の計画

「星座料理が完成したら」

ネフティスが提案する。


「心の調和会で披露してみない?」


「披露?」

ホシが驚く。


「でも、食べ物だから、みんなで分けるには量が…」


「それなら」

ケペトがひらめく。


「星座料理教室を開きませんか?」


「星座料理教室?」


「はい。参加者の皆さんと一緒に作るんです」


「それはいいアイデアね」

イシスが賛成する。


「料理を作りながら、星の話も聞けるし」


「楽しそうです」

愛の精霊も賛成する。


「でも、うまく教えられるでしょうか?」

ホシが不安そうにする。


「大丈夫よ」

ハトホルが励ます。


「昨日の星の話、あんなに上手だったじゃない」


「そうですね」

ホシが少し自信を取り戻す。


「やってみます」


その夜の星空

夜になって、みんなで屋上に上がった。


「今夜の北斗七星、いつもより仲良しに見えませんか?」

ケペトが言う。


「本当ね」

イシスが同意する。


「今日、星座料理を作ったからかしら」


「星たちも喜んでくれてるのかもしれませんね」

ホシが微笑む。


「私たちが星座のことを考えてくれてるって」

確かに、北斗七星の七つの星は、いつもより明るく、そして近くに見えた。


「あ」

愛の精霊が気づく。


「星が動いてませんか?」


「動いてる?」

よく見ると、北斗七星の星たちが、微かに位置を変えているように見える。


「まるで、お辞儀をしてるみたい」

アケムが驚く。


「本当だ」

セトも気づく。


「星座料理のお礼かな?」

ホシが嬉しそうに空に向かって手を振る。


「どういたしまして」

すると、七つの星が一斉にまたたいた。


「返事してくれました」

ホシが感動する。


「星たちと会話できるなんて」


新しい絆

「今日も勉強になりました」

ケペトが振り返る。


「星座料理、思った以上に奥が深いんですね」


「そうですね」

ホシが答える。


「でも、一人では決してできませんでした」


「どうして?」


「星座料理は、みんなで作るからこそ意味があるんです」


「みんなで?」


「はい。一人一人の個性が合わさって、初めて美しい調和が生まれる」


「それって」

アポピスが気づく。


「俺たちの関係と同じだな」


「同じ?」


「ああ。みんな違う個性を持ってるけど、一緒にいると調和が生まれる」


「そうですね」

ケペトが微笑む。


「私たちも、星座みたいなものかもしれません」


「私たちの星座?」

ハトホルが面白がる。


「どんな名前にしようかしら?」

「『愛と調和の星座』はどうですか?」

ホシが提案する。


「素敵ですね」

みんなが賛成する。


明日への期待

「明日は何をしようか?」

イシスが聞く。


「星座料理教室の準備をしませんか?」

ケペトが提案する。


「どんな星座を教えるか考えたり」


「それから」

ホシが付け加える。


「オリオン座のパン作りにも挑戦してみたいです」


「楽しそうですね」


「でも」

ネフティスが心配する。


「パン作りは難しいわよ」


「大丈夫」

セトが自信を見せる。


「俺も手伝うから」


「セトが?」

みんなが驚く。


「料理を覚えたからって、調子に乗ってない?」

ハトホルが笑う。


「調子に乗ってるって言うな」

セトが反論する。


「俺だって成長してるんだぞ」

みんなが笑った。


「それじゃあ、明日も楽しい一日になりそうですね」

ケペトが言う。


「はい」

ホシが頷く。


「みんなと一緒なら、きっと素晴らしい星座料理ができます」

窓の外では、北斗七星が優しく見守っている。


七人兄弟の星たちも、地上の仲間たちの絆を見て、きっと微笑んでいることだろう。

今日もまた、愛と調和に満ちた特別な一日が終わった。

そして明日もきっと、新しい発見と笑顔が待っている。

星空の下で、温かい絆に包まれながら、みんなは幸せな夢を見るのだった。


星との会話

深夜、一人で起きていたホシは、窓辺で星空を見上げていた。


「皆さん、今日はありがとうございました」

小さく呟く。

すると、空から微かな光が降ってきた。

星たちからのお礼の光だった。


「私も、こんなに温かい家族に出会えて幸せです」

光はホシを包んで、優しく輝いた。

星の守護者として生きてきたホシにとって、今の生活は何もかもが新鮮で、そして温かかった。


「明日も、みんなで楽しい時間を過ごそう」

そう決心して、ホシは静かに部屋に戻っていった。

空には、北斗七星が変わらず輝いている。

七人兄弟の星たちも、きっと同じ気持ちなのだろう。

家族っていいな、と。


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