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第10話
「……文化財的な価値なんて知らんから、さっさと調べたらいいんじゃないか」
大叔父が真っ先に話す。
「でも相続とかどうするの、とんでもない財産になるかもしれないのよ。一人で全部を与えるのは大変よ」
「とはいってもな、誰か代表するしかないだろう」
あとは親戚一同が好き勝手に話し始める。
すると一人がポツリと言った。
「今3人が行っているんだろ、だったら3人が共同所有とかすればいいんじゃないか」
最後の言葉のあと数秒沈黙が流れる。
「……え、何か変なこと言ったか?」
「いや、まずはそれでいいと思っただけだ」
大叔父が裁定を下す。
それが結論となるのは当然の流れだった。




