とある少女の物語
悠香はとある小さな会社で働いていた。しかし働き始め5年が過ぎた頃からお腹が痛くなり始め、半年が過ぎた頃 悠香は激痛でうずくまり 痛みにこらえていると、先輩の夏帆が心配そうに
「悠香さん 大丈夫?」
と悠香に声をかけましたしかし、悠香は激痛に耐えながら
『はい、大丈夫です。ちょっとお腹が痛むだけです。』
そう言った後〝ゲホゲホッ〟と悠香は口に手を押え、咳をした。それを見て夏帆は驚き悠香の元へ駆け寄った。
なぜなら悠香は吐血していたからです。駆け寄る夏帆に悠香は笑顔ながらどこか苦しそうな顔で
『大丈夫です。 痛みと吐血だけなので、大丈夫です。』
そう言うと悠香は水道へ行き、手と口を洗い仕事に戻った。
1ヶ月後
悠香は仕事している途中また吐血をして、もう明日が無いことを悟った。吐血をした悠香は悲しそうな顔で
『はぁ…ここまでか…』
と呟いた後夏帆がそれに気づいて
「悠香さん!!」
そう言いそばに行こうとした時
『大丈夫です。会社にはこれ以上迷惑はかけないので安心してください。』
悠香は夏帆にそう言うと、フラフラしながら会社の外へ出た。
悠香が出た後 慌てた夏帆が追いかけるため外に出ようとした。その時1階で悠香が外に出るのを見た1人の先輩が夏帆に
˹悠香さんどうしたんですか?˼
と聞いたそれに夏帆は
「悠香さん 吐血でもぅ…それで外に」
悲しそうな顔でそう伝えるとその先輩は、手の空いてる人に
˹手の空いてる職員は悠香さんを探して!見つけたら救急車呼んで!˼
と探すよう指示を下し、複数人総出で悠香を探した。
探し始め時間が経ち気づけば夕方になっていた。その時夏帆が、高架下で悠香を見つけた。
「悠香さん…」
夏帆は見つかり安心した表情で、悠香の側へ行った。
悠香は迷惑をかけたことに気づき
『すみません、結局迷惑かけてしまいましたね…』
申し訳なさそうにそう言いました。
口や鼻などから血が出ているのを目にした夏帆は慌ててスマホを出し
「今、救急車呼ぶから!」
と119番にかけようとしていた。しかし悠香は掛けようとしているスマホを握り
『呼ばないで…ください。』
とお願いした。夏帆は
「どうして…」
悲しそうな顔で悠香に聞いた。
悠香は、少しずつ言葉が途切れ途切れになりながら
『このまま逝かせてください。
夏帆さん 最後…まで そばに居て欲しいです…」
悲しそうに、苦しそうに、悠香は夏帆にお願いをした。
夏帆は少し辛そうに顔を歪ませた後
「………分かった。」
と言い隣に座った。
しばらくして、悠香は弱っていく中少しずつ話始めた。
『この会社で…働いて色んな人…と巡り会って…私は楽しくて 幸せでした…。
夏帆さんとも話したり 一緒に途中まで帰ったり…些細な…事…ですけど…とても楽しかったです…』
悠香は少し涙を流しながら語った。
「悠香さん、私も楽しかったよ」
夏帆は顔を背け苦しそうにそう言った。
悠香は夏帆の肩に寄り掛かり
『夏帆…さん…わたし…夏帆さん…や…他の…方…達に出会え…てほん…とうに…良かった…です』
途切れ途切れになりながらも笑顔で言い 天へ旅立った。
夏帆は悠香が旅立ったのを見たあと 泣きながら悠香を抱きしめ
「私も…私も…悠香さんに出会えて良かった。きっと…他の人達もそう思ってると思うよ…」
と言い しばらく抱きしめていた。