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二面性

「おーい、来たぞー」


いつもと同じ定位置で、いつもと変わらない格好で


金で縁取られた赤い椅子にふんぞり返ってる。


一つだけ違うのは


宙に浮いた透明なモニターに映るモノが


見知らぬ少年だった事だ。


「珍しいな、お前が【人間】を見るなんて」


「…この子かい?…君が教えてくれた『お客さん』を僕も呼んでみたんだよ」


あらまぁ、今日はちょっとご機嫌斜めっぽいな。


《破》なのかもしれん。


こいつは破壊と創造の二面性を持つから扱いが難しい。


「へぇ。あの時は『ふーん』くらいだったのに」


「まぁねぇ…ただ【お行儀が良すぎて】面白くないなぁ」


「こらこら、前にも言ったけどあんまり変な期待はすんなよ」


「まぁ、もう【退屈】すら感じなくなってたからありがたいけど」


「…定期的に俺も遊びに来てるだろー?で?この人間…あらら、中途半端な能力だな。」



「あやつ自身が普通がいいと言ってアレだ。まぁ俺の加護があるからそのうち、な」


「まぁ、良かったじゃねーか。お前【人】を見なくなってから随分経つんだ。良いきっかけだろ。人どころか他の奴にも最近会ってやらねーんだって?ラシュールあたりが泣いてたぞ」


「…ラシュール…?あぁ、チビか」


「おいおい、チビって…一応妖精の神だろ?」


「まぁ、そのうちな」


「…まぁいいや。で?こいつは何してんだ?」


モニターの中では少年が家族らしき人々に梱包された箱を配っていて、母親らしき人が泣いて喜んでる姿が映っている。


「稼いだ金で贈り物だと。そんなチマチマしなくても金が欲しければあやつの能力ならすぐに稼げるはずだがな」


「……まぁ、何にせよ“退屈”でもしてて良かったよ。前のままじゃ真顔でまた壊しかねないからな〜」


「失礼な。そんな事しないぞ。また1に戻すだけだ。」


「だからそれがダメなんだって〜」


「とりあえずうるさい」


「あ、おい!」


パチンと指を鳴らすとさっきまでいた異界の神の姿はない。


そもそも招いてもいないし、自分以外入れないはずの部屋にあいつだけが出入りできている時点でおかしいのだ。


モニターの中には幸せそうで照れくさそうな少年が映っている


「まぁ、嫌いじゃないけどね」


お久しぶりです。

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