薬草学
朝、冒険者ギルドに入ると同時に腕を引かれてギルマスの部屋に連れてかれましたおはようございます。
ギルマスがため息ついてるよ…。
「…お前は何をしているんだリース…とりあえず座れ。お前さんも座ってくれ、すまないな」
「いえ、大丈夫です…」
「今回リースが外に出てた件だが、数年に一度王都で行われる冒険者ギルドの会議に参加していたからだ…王都には様々な国、他の大陸の物も多く集まる。書籍もだ」
「…?そうだったんですか、お疲れ様です」
ドンっと目の前に積まれた本。…はい?
「従魔術に関する本、各国の魔獣に関する本、魔法を使うに当たって基礎や応用、技術を各学者が綴った本、現在ある魔具に関する基礎工程学、見本及び論文、薬草に関する本と論文、薬学の調合に関する本、あとこれは私が作成した物などだ。」
…ざっと15冊くらいの本と紙の束の様な物が5冊。
「ギルドに関しての議論内容など、業務に携わる報告等は終わらせている。これらは君の為に揃えた。特に魔具に関する物は私がすでに持っている物も含めてある」
「…あのこれは?」
「…会議に出席するにあたって、王都でお前さんのスキルや魔法の役立つ情報を集めてくると自分からいいだしてな…」
「教科書の様な物だと思えばいい。魔法は実戦はもとより、いかに効率よく使えるかどうかを考えて行う方がいい。…そっちの従魔の事も聞いてはいたが。さっそくだがマスター彼を連れて行くぞ」
「まてリース。時間は今日の午前までだ。魔法も使うな。」
「…魔法を教えるのにか?」
「今日はとりあえず話だけにしろ。あと今後の訓練の予定のこともある。」
「…善処する」
「お前さんも何があったらカールのとこに行けよ。」
「あ、はい」
「こっちだ。」
そのままリースさんについて行くと同じ2階の入った事がなかった反対側の部屋、そうか、ここがリースさんの部屋だったのか。
中に入ると意外とスッキリしていた。デスクと椅子があり、壁一面本棚の用になっていてギルマスの部屋ほどまでの広さはないものの、簡易の応接席もある。
「そこにかけてくれ」
さっきから気になっていたのだが向こうからここに来るまでにさっきあった本を巾着袋の様な物から出し入れしている。もしかしなくても…
「もしかして、アイテムボックスの様な物ですか?」
「そうだ。魔法袋だな。これは現役の時にダンジョンで得た物だ。」
なるほど、やっぱりあったんだな。この世界にも。
「ところで、すでに従魔がいると聞いていたが?」
「あぁ、はい。ファイヤースライムのアッキーとホワイトホークのルゥは今日は家で待機しています。」
「ファイヤースライムとホワイトホーク…スライムは特殊個体だとは思うがホークはどうやって?」
「ファイヤースライムはもともとスパークスライムと言う特殊個体からの進化で、ホワイトホークは南の森で出会いました。
“特殊個体”ではない様ですが、“特殊スキル”を持っています」
「ふむ。とりあえずまずは聞いておきたい事がある。君は魔法に対してどう考えている?」
うはぁ哲学的なのは分からんぞ…
「…便利な物だとは思います。生活にも火と水は欠かせない物ですし…生活をする上ではやはり欠かせません。すみません、あまり深く考えてないです。」
「いや、中途半端な知識で喋るよりはそれでいい。ここにある本や資料は全て君のものだ。帰りに持って帰りなさい。そうだな…とりあえず君が気になるものを一つ選んでくれ」
「あ、あの…全て頂けるのですか?」
「もちろんだ。君の為のものだからな。迷惑をかけた分も含めてだ。私が君に教えたいと思うものと、役に立つものを厳選した。」
「そこまでしていただくのは…」
「代わりに全ての本に目を通して意見を出すことを君への課題とする。よく読み、考えて発言しなさい。」
「は、はぁ…」
「さぁ、早く、時間が限られている」
「えぇ…とじゃあこれで…まだ学んだことも一度も無いので」
まず魔法の本と魔具はやめといた。リースさんの専用分野になると止まらない気がしたからだ。従魔術に関しても気になるけど、今まででまだ一度も手を出したことのない薬学系だ
「ふむ、薬学か。私も専門では無いが知識ならある。ではこの本から開いてみなさい。」
開くと薬草についての説明とイラストがある。
確か絵付きって高いはず…
「まず、君が覚えておいた方がいい話をしよう。聖魔法のスキルは?」
「軽い擦り傷などを治すくらいしかしてないのでD(+)です。」
「大抵の怪我や負傷は聖魔法の威力や適正が高ければ大抵は治療可能だ。が、それを使えるだけでは解決できない病などもある。聖魔法適正を持っていて、かつその道に進む者はある程度の薬学の知識も一緒に身につけるのが一般的だ。薬師ギルドで働く者も聖魔法を使える物が多く、逆に教会本部などにも詳しい薬学の知識を持った聖魔法使いがいる」
「なるほど、病気や怪我については対なんですね」
「そうだ。近場でいえば東の森に生えているこの【リン草】と言う薬草が1番よく採取依頼が出されている。合わせる薬によって発熱に効く飲み薬や火傷に効く軟膏などにもなる。日陰に多く生えているな。1番値段が変動するのはこの【タラン花】だ。採取する際に基本根を傷つけてはいけないし、花の部分に魔力を込めると花が大きく、色が変わる。根の傷が少なく、花の色が鮮やかな方が高く買い取られる。薬草ではないが、森の奥に成っている果物の【キイチの実】と言われる実は果実としても美味い上に高い滋養強壮があると言われていて貴族からも人気だ。だがブラックベアーの辺りまで潜らないといけない。これらがそうだ」
机の上には細長く、内側に少し丸くそるような形をした葉が数枚と
鮮やかな赤の花びらで大人の掌くらい大きく、根は20センチくらいある花
薄いピンクの桃のような甘い香りがする果実
【鑑定】リン草
主に森林地帯によく生えている薬草。日陰に生えている事が多い。よく煮沸消毒した後葉っぱをすり潰し、他の薬草と混ぜて使用する事が多い。単体だと煮沸消毒した後、葉を細かく刻み、再び熱湯に浸して煮出した液を飲むと発熱に効く。苦い。
【鑑定】タラン花
森林地帯の中腹ほどに咲いている事が多い。何もしていないと黒い花だが、魔力を注ぐと色が鮮やかになる。
黒→紫→青→緑→黄→橙→赤
花は観賞用になり微細な虫除け効果もある。
根は軟膏などの材料によく使われている。
【鑑定】キイチの実
森林地帯の日当たりの良い場所に実り、甘く柔らかい。
そのまま食べても、果実水にして飲んでも美味しい。
風邪予防などにも効果あり。
「実物があるとより分かりやすいですね」
「あぁ、今日の為に採ってきたからな」
「え?」
「???物があった方が分かりやすいのは当たり前だろう。明日は実際に取りに行くぞ【探索】を使うにしても実物を知らない事には探しにくいだろ。他に一通り揃えてきたからな」
その後あれよあれやと鞄の中から薬草や花を出したりしてどんどん解説してくれるんだけどもう机の上がすごい事になったところでカールさんが迎えにきてくれた。いつの間にかお昼になっていて様子を見にきてくれたそう。…俺の中でカールさんの株がどんどん上昇中である。
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