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『堅固たる盾』

いつもの訓練の日々の中で時々東の森へ行ったりライアン君と戯れたり、木工ギルドの運搬作業をこなしたり。アッキーも連れて行った時にだいぶと騒がれたけど、《ミィ!》と愛想よく?して居たのと兄が可愛がる姿がウケて今ではちょっとした“たまに来るアイドル”ポジションになりつつある。火魔法厳禁な事以外は受け入れてくれた。


1番意外だったのはリースさんと会えていない事。何でもここに帰ってきた途端、何かギルマスと交渉してまた何処かへ出て行ったみたい。今度はギルマスも承知して送り出したとのこと。

「思うとこもあったが、今度はちゃんとギルドの仕事()()()()出て行ってるからな…」だそう。


この2ヶ月外に出て魔法やらを使って訓練はしたけど、俺よりアッキーの成長が“異常に早かった”


結果的に話すと、今はもうファイヤースライムに進化して、次の進化、フレイムスライムになろうとしている。

ゴブリンなんて最初いい勝負だったのに今や楽勝である。

進化した際、スキル【火花】が消えて新たにスキル【火弾】とスキル【火円】を取得した。


火弾はファイヤーボール、、、火の玉と言うより、銃の弾と言ったほうがいいのかもしれない。高速で飛ぶ小さい火の弾。着弾すると貫通せずとも、対象を燃やす。



火円は火花の進化スキルなのかアッキーの半径2メートルほどの範囲を円形に火をだす。広範囲技だった。複数体に囲まれた際、火円を発動して相手が動けなくなった隙をついてアッキー自体は有利な位置に移動したりして動く様にしていた。



【鑑定】ファイヤースライム

スパークスライムの進化系。

特定の火魔法を使える特殊個体。

自らを発火させて灯りを維持することも可能。

体力D+・魔力C −・力D・精D+・敏C

特定火魔法属性C−(C+)

スキル【火弾】C−・スキル【火円】D+

スキル【体当たり】D

弱点水属性魔法、氷属性魔法

基本的に接触可能

主人の命があれば特定の人物にのみ接触時発火可能。

フレイムスライムに進化可能。



俺の今の火魔法はこの間Cに上がったばかりだからちょっと黄昏ちゃうよな。やっぱり“実戦”で使った方がスピード早まるんだろうか。この特定火魔法がC+になったらフレイムスライムになるようで、進化したら若干ランクが落ちるんだけど、スパークスライムのCより、今のC−の方が遥かに威力が高い。


あと心なしかオレンジから赤っぽくなってるんだよな。色も変わってくのは知らなかった。


そしていよいよ明後日、南の森に出る。

今日は木工ギルドので顔合わせの日である。


いつもは木工ギルドで耐性持ちチームと伐採チームが顔合わせをしてるみたいだからラインズさんと俺もそこに顔を出す。

知らなかったけど木工ギルドの受付の奥に会議室があったみたい。朝木工ギルドに行くと既にラインズさんや冒険者の人が来るらしく、そのまま父と中に入る。


長机と椅子が合わせて10脚。片側に5人。全員同じ濃い紫色の制服の様な服を着て座っている。全員男の人だ。大柄な人が3人と細身の人が2人。明らかに前衛と後衛かな。緊張した様子なのは、彼らの反対側の席、ラインズさんさんが腕を組んで座っているせいだろう。奥からレイブン、トビーさん、二つ空けてラインズさんが座っていた。10分前に着いたんだけど…みんな早いな。


レ「おう。来たか。座んな」


「お待たせしたみたいですみません。アレクはここに」


父さんが会釈してトビーさんの隣の椅子に着く。あ、なるほど、そこは父の席か。俺は父さんとラインズさんに挟まれる形で座る。


「さて、みんな揃った様だから早速始めるぞ。まず今回の依頼を引き受けてくれたCランクの『堅固たる盾(ソリッドシールド)』の皆さんだ。」


「紹介に預かりました。『堅固たる盾(ソリッドシールド)』のリーダー、キッドと申します。よろしくお願いします。奥から順にナリウス、トラン、フレッド、ミッドです。条件通り全員耐性スキル持です。」


真ん中に座っていた細身の人が立ち、名前を呼ばれた人は軽く会釈していく。挨拶を終えて座ると今度はレイブンさん。


レ「さっきも軽く挨拶したが改めて、木工ギルドマスターレイブンだ。副ギルドマスターのトビー、今回の依頼で実際の現地作業を取り締まるアルトゥール、ここからは…トビー。」


ト「はい。ここからは私が進行させて頂きます。依頼書でも記載している様に、木を伐採して持ち帰るまでの護衛依頼になります。そして現在、木工ギルドにおける全ての運搬作業を指名依頼で受けて頂いているアレク君です。」


名前が出たので軽く会釈をする。

めっちゃ見られてる…俺もそうだけど肩のアッキーもだよね…


「その他詳細は依頼書に記載していますが気になる点などがあればお聞かせください。」


「では数点よろしいでしょうか。まず1点、現地での指示はアルトゥールさんにとの事ですが」


「ああ、それは伐採する木を選定する必要があるからです。切れればどれでもいいわけではないので選定する木によって移動しないといけなかったりします。その時は一緒に移動してください。実際に木を伐採している時はギルド保有の魔物よけの魔具を出しますが、魔物が出た際などは皆さんの指示に従いますよ。」


「分かりました。もう一点、…指名依頼との事ですが未成年とお見受けします。…冒険者ギルドマスターが居るのは?」


あれ、そこは伝わってなかったのか…。


「それは俺から話す。ここに居るアレクは10歳だが冒険者ギルドから“招待”し、俺と冒険者ギルド所属役員のカールと言う者が直接稽古をつけている歴とした“冒険者”だ。12歳未満の為ギルドの規律に則って街の外に出る際は保護管理の為に同行する。が、基本アレクといるので気にしないでくれ…それと肩に乗ってるスライムはアレクの従魔だから、間違えて攻撃しない様に。」


カールさんの名前が出た時ちょっとみんなの目が光った気がするがなんでだろう??


「…スライムを従魔に?」


「特殊個体でな。火属性魔法ならCはあるぞ。」


え、と冒険者側がざわめく。


「…馬鹿にしたわけではない事は分かって頂きたい」


「いえ、大丈夫です。アレクと申します。私自身耐性持ちですし、今回は運送依頼として行きますので基本的に伐採チームの人達と同じ様に、魔物が出た際は指示に従いますのでよろしくお願いします。それとファイヤースライムのアッキーです」


《ミィ!》


え、スライムが鳴くの?!って驚くよね、そりゃ。

ギルマスも知らなかったくらいだし。


あと数点質疑応答があり、では本題に、とトビーさんが地図らしきものを用意してどこら辺まで行くかの目処をたてる。てか地図初めて見たかも。話してて分かった事だけど、このチームはいわゆる“流れ”と呼ばれる冒険者達で1箇所には留まらず色んなところを旅して回るチームの様だ。それから細かい話をして解散になった。

前衛が1人前を歩き次点で父さんが方向の細かな指示出し、伐採チームの左右を1人づつ固めて後に俺とギルマス、最後尾に後衛の2人という守備に全振りの陣だ。


会議が終わって解散になるとギルマスと俺はギルドに行くことに。


「すみません、ちょっといいですか?」


「ん?どうかしたか?」


確かチームリーダーのキッドさん。身長は175センチくらいで明るい茶髪で短髪だ。


「その、先程カールさんとお聞きしたのですがもしかして【明けの雫】の…?」


「…ああ、そうだ。元【明けの雫】副リーダーのカールだ」


おお!と後ろの人達からも歓声が上がる。

え、何?何?てかやっぱり副リーダーだったのねカールさん。


「やっぱり!…と言うことはまさか」


「まぁ…昔の話だ」


「すみません!不躾で失礼なのは承知の上ですが、どうか我々に一手ご指導願えませんか!!是非!カールさんにも!」


「…とりあえずここじゃなんだ。冒険者ギルドに行くぞ」


「「「「よろしくお願いします!」」」」



Aランカーってやっぱり憧れの的なのね…。


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